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2018
09.20

うにゅほとの生活2480

2018年9月20日(木)

左肘の裏にあせもができてしまった。
「痒い……」
「かいたらだめだよ」
「はい」
「おろないんをぬりましょう」
「お願いします」
うにゅほがオロナインを指に取り、俺の肘の裏に塗り込む。
「はい、おしまい」
「ありがとう」
「どういたしまして」
今更だけど、オロナインってあせもに効くのかな。
まあいいか。
「真夏のあいだは平気だったのに、涼しくなってからあせもできるんだもんな」
「へんだねえ」
「汗かくこと、大してしてないのに」
「うん」
「……これ、あせもか?」
「わかんない……」
「まあ、治らないようなら皮膚科行けばいいか」
「ひじのうらって、よびかたないの?」
「唐突だな」
「きになった」
「知らないけど、呼び方はあるんじゃないか」
「しらないかー……」
「まあ、アカシックレコード的なもので調べてみようじゃないか」
Google先生を呼び出し、「肘の裏」で検索を掛ける。
「肘窩、だってさ」
「ちゅーか?」
「窩は、穴とか、くぼみって意味だな」
「ひじのくぼみで、ちゅーか」
「そうそう」
「ちゅーばっかって、なんだっけ」
「スター・ウォーズにいた気がする」
「あ、いたきーする」
「スター・ウォーズ、どこまで見たっけ……」
「わすれた……」
「旧三部作は見たと思うけど」
何故スター・ウォーズの話になったのか、それは誰にもわからない。
ともあれ、あせもは掻かないように気をつけねば。

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2018
09.19

うにゅほとの生活2479

2018年9月19日(水)

夢を見ていた。
背中を引っ張られる夢だ。
相手はわからない。
うにゅほかもしれない。
「──…………」
ふと目を覚まし、背中の感触に血の気が引く。
「……やっちまった」
そこにあったのは、見るも無残な姿になった俺の眼鏡だった。
「どしたの?」
不穏な空気を察したのか、飾り棚の陰からうにゅほが顔を覗かせる。
「眼鏡、潰しちゃった……」
「!」
「どうしよう」
「まえのめがね、ある?」
「あると思うけど、どこ仕舞ったか覚えてない……」
「わたし、さがすね!」
「ありがとう……」
うにゅほがいなければ、視力0.02の世界で、手探りで眼鏡を探すことになっていたかもしれない。
コンタクトレンズという手段もあるので詰みはしないが、とんでもなく助かったことは確かである。
「あった!」
「どこにあった?」
「ひきだしにあった」
「そっか、ありがとな」
「うへー」
ひとつ前の眼鏡を掛け、潰れた眼鏡を改めて確認すると、思った以上の惨状だった。
「……縁なしフレームなのに、よく折れなかったな」
「ななめなってる……」
「これは、眼鏡屋行かないと」
「うん」
いまの眼鏡を購入した眼鏡屋へ赴くと、店内がひどくこざっぱりしていた。
訝しんでいると、
「すみません、お客さま。現在、移転作業中でして……」
「げ」
よりによって、このタイミングで。
眼鏡の修理は承っているものの、移転作業と並行しての作業となるため、一時間以上はかかるとのことだった。
「……しゃーない、時間潰してこようか」
「うん」
「どっか行きたいところ、ある?」
「うーん……」
うにゅほが首をかしげる。
これ、待っても出てこないやつだ。
「……カラオケでも行く?」
「いく!」
カラオケで二時間ほど時間を潰し、眼鏡屋へ戻ると、修理が完了していた。
店員に礼を告げ、帰途につく。
飲酒をしても、寝惚けても、眼鏡の安全だけはしっかりと確保せねば。

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2018
09.18

うにゅほとの生活2478

2018年9月18日(火)

ペプシの備蓄を補充するためにホームセンターへ赴いたのだが、
「ない」
「ないねえ……」
物流が回復しきっていないのか、一箱も入荷していなかった。
「困ったなあ」
「べつのおみせ、あるかも」
「行くだけ行ってみるか……」
ドラッグストア、×。
スーパーマーケット、×。
リカーショップ、×。
「ない!」
「ないねえ……」
「これ、サントリーの商品自体が入ってきてないってことかもなあ」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「ペプシ、ペプシじゃないの?」
訳:ペプシコーラは、ペプシという会社の商品ではないのですか?
「ペプシコーラは、アメリカのペプシコって会社が作ってる。ただし、日本での販売はサントリー」
「ペプシコ?」
「ペプシコ」
「コって、なに?」
「知らない」
「しらないの」
「なんでも知っているわけでないので……」
「でも、いろいろしってるきーする」
「無駄知識は多いほうだと思う」
「なんでしってるの?」
「……気になったことは、すぐ調べるから?」
「あー」
「あと、本読むし」
「わたしも、ほんよむよ」
「漫画な」
「まんが、だめ?」
「ダメじゃないけど、情報を絵に頼ってるから、知識は増えにくいと思う」
「そかー……」
「文字の本も、いいものだぞ」
「……こんど」
あ、これ読まないやつだな。
いいけど。
ペプシは、数日したら、また買いに来よう。

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2018
09.17

うにゅほとの生活2477

2018年9月17日(月)

窓の外、遥か遠くから、バイクの爆音が轟いている。
「ぼうそうぞくだ」
「暴走族だな」
「うるさいねえ……」
「ほんとな」
「のってるひと、うるさくないのかな」
「うるさいと思うぞ」
「なんでうるさくするんだろ」
「承認欲求だな」
「しょうにんよっきゅう……」
「要するに、誰かに認めてもらいたいんだよ」
「えー」
うにゅほが眉をひそめる。
「うるさいだけだよ」
「積み上げることができないから、ただただ人に迷惑をかけることで、自分の影響力を誇示しようとする。悪感情を与えることは、コストが安いんだ」
読んでいた本を閉じ、目薬の容器を指先で弾く。
容器が倒れ、物音を立てた。
「いま、俺は、指先ひとつで目薬を倒してみせた」
「うん」
「もし、指で弾いたものが、トランプで作った巨大なオブジェのいちばん下の段だったら、どうなる?」
「すごいことになる……」
「誰かが何週間もかけて作ったオブジェが、指先ひとつで壊れるわけだ。目薬を倒すのと、まったく同じ労力で」
「うん」
「本来、認められるべきは、オブジェを作ったひとだ。だけど、壊したひとは、自分がすごいのだと勘違いする。大きな影響を与えたことは確かだから」
「だから、たくさん、めいわくかけるの?」
「そう。暴走族なんて連中は、全員、怠け者の勘違い野郎ってことだよ」
「はー……」
うにゅほが、俺の額に手を当てた。
「どした」
「ねつない」
「ないけど……」
「◯◯、ひとのわるくちずばずばいうの、あんましないから……」
「びっくりした?」
「した」
「暴走族とか、不良とか、もともと嫌いなんだよな」
「そなんだ」
被害を被った記憶は特にないのだが、どうにも嫌悪感がある。
「なんにせよ、関わらないのがいちばんだ」
「そだね」
触らぬ神に祟りなし。
神は神でも疫病神だけれど。

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2018
09.16

うにゅほとの生活2476

2018年9月16日(日)

「××さん、××さん」
「はい」
「観たい映画があります」
「いこう!」
話が早い。
「でも、幾つか問題があってな」
「なにー?」
「ひとつは、ゾンビ映画──らしいってこと」
「ぞんび……」
「ホラーじゃないって話だから、××でも大丈夫だとは思うけど」
「なんてやつ?」
「"カメラを止めるな!"ってやつ」
「あ、なんかきいたことある」
「話題だからな」
「いついく?」
「問題は、まだあります」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「いつものシネコンで上映してないんだよな」
「えー……」
「まあ、28日に公開予定だから、ちょっと待てばいいだけなんだけどさ」
「よかった」
「ただ、"シックス・センス"ばりにネタバレされると面白くない映画らしいから、情報を遮断しておかねば」
「わたし、あんましかんけいないね」
「友達いないもんな」
「いない」
「ネットも見ないもんな」
「みない」
「問題は、まだあります」
「やまづみだ……」
「友達に、なるべく混んだ映画館で観たほうがいいって言われたんだよ」
「なんで?」
「さっぱりわからん」
「うーん……」
「普段、平日昼間のすっからかんのスクリーンで観るから、どうしようかなって」
「こんでるとこ、いきたくないな……」
「だよなあ」
公開まで、まだ十日以上ある。
予定と合わせて考えよう。

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