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2019
03.16

うにゅほとの生活2656

2019年3月16日(土)

「──……はっ」
と気づけば、時すでに夜。
「なんか、今日、何もしてない気がする……」
「そかな」
「何したっけ」
「うーと、あさおきて、ぱそこんしてた」
「してたな」
「ひる、えあろばいくこいでた」
「漕いでたな」
「ゆうがた、ひるねしてた」
「寝てたな」
「おふろのあと、ぱそこんしてた……」
「……何もしてないな」
「うん……」
「最近、有意義な週末を過ごしてない気がする」
「そうかも」
「××、今日は何してた?」
「うーと──」
しばし思案し、うにゅほが口を開く。
「あさおきて、あさごはんつくって、たべた」
「うん」
「ごぜんちゅう、いっかいのそうじして、テレビみて、おひるつくって、たべた」
「……うん」
「おかあさんかえってきたあと、いっしょにかいものいって、かえってきたらへやのそうじして、まんがよんで、おふろそうじして──」
「──…………」
「ばんごはんつくって、たべて、おふろはいって、◯◯とぱそこんして、いま」
「なんか、すいません……」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「……俺にとっては休日でも、××にとってはそうじゃないんだな」
「わたし、しごとしてない」
「そんだけ家事してれば、仕事と同じだろ」
「そかな……」
チェアから腰を上げ、うにゅほの肩を揉む。
「お疲れさま。いつもありがとうな」
「……うへー」
折れそうなほど小さな肩を、優しくマッサージする。
凝りらしい凝りはなかったが、うにゅほは気持ちよさそうに微笑んでいた。

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2019
03.16

うにゅほとの生活2655

2019年3月15日(金)

「♪」
胸元を飾るガーデンクォーツを指先で弄びながら、膝の上のうにゅほが動画に見入っている。
最近のトレンドはキズナアイらしい。
「──ね、にあう?」
「似合う似合う」
「うへー」
もう何度めかわからない質問に、思わず頬がゆるむ。
「琥珀のペンダントは、もうしないの?」
「するよ」
「コーディネートで変えるのか」
「うん」
「××はおしゃれだなあ」
「これも、こはくも、◯◯がくれたのだから」
「……そっか」
こうまで言ってもらえると、さすがに面映いものがある。
プレゼントして本当によかったと思える。
「あ、そうだ。父さんの誕生日、どうしよう」
父親の誕生日は、3月20日である。
迷う時間はあまりない。
「(弟)、にほんしゅかってた」
「やっぱお酒が鉄板かなあ……」
「そだねえ」
「ビールは?」
「おとうさん、さいきん、ふとるからビールのまないって」
「あー……」
たしかに、サントリーのオールフリーを飲んでいる姿をよく見かける。
「じゃあ、ちょっといいワインか、ウイスキーだな」
「どっちにする?」
「俺がウイスキー買うから、××はワイン。これでどうだ」
「そうしましょう」
「この動画見終わったら、リカーショップ行こうか」
「うん!」
父親なら、どんなお酒でも喜んで飲むだろう。
選ぶのが楽で助かるような、選び甲斐がないような。

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2019
03.14

うにゅほとの生活2654

2019年3月14日(木)

ホワイトデーである。
「えーと……」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「××のリクエストは、"俺の手作り"だったよな」※1
「うん!」
その目が期待に輝いている。
「……実は、プレゼントを決めるのにも、作るのにも、すこし時間が足りなくて」
「──…………」
「だから、前に作ったもので悪いんだけど──」
小さな紙袋を、うにゅほに手渡す。
「これでなんとか」
「あけていいですか?」
「どうぞ」
かさり。
うにゅほが、紙袋の中身を取り出す。
「あ、これ!」
「見覚えある?」
「ある!」
それは、ずっと以前にワイヤークラフトで手作りした、ガーデンクォーツのペンダントヘッドだった。
「これ、くれるの?」
「ああ」
「やた!」
うにゅほが満面の笑みを浮かべる。
「ね、ね、つけていい?」
「もちろん」
いつもうにゅほの胸元を飾っている琥珀のペンダントが外され、ガーデンクォーツのペンダントヘッドと取り替えられる。
だが、
「……金のチェーンだと、すこし色が合わないな」
「そうかも」
「ちょい待ち」
引き出しの奥に手を入れ、ステンレス製のチェーンを取り出す。
「ついでだ。これもプレゼント」
「わあ!」
「つけてみて」
「わかった!」
うにゅほが、慣れた手付きで首の後ろに手を回す。
ワイヤーに彩られたガーデンクォーツが、胸元で小さく揺れた。
「……にあう?」
「うん、よく似合う」
「うへー……」
喜んでもらえたようで、よかった。
「◯◯、ありがと」
「こちらこそ」
その笑顔を見るたび、プレゼントしてよかったと思える。
すこし遠いけど、誕生日には何をあげようかな。

※1 2019年3月7日(木)参照

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2019
03.13

うにゅほとの生活2653

2019年3月13日(水)

「──…………」
「──……」
ふたり並んで腹部を押さえる。
「おなか痛い……」
「わたしも……」
「……お互い大変ですね」
「そうですね……」
理由は違えど同じ腹痛同士、妙な連帯感を覚える。
「◯◯、げり?」
「いや、下ってはいないんだけど……」
「べんぴ」
「便秘はなった覚えがないなあ」
「え、ないの?」
「二日とか三日とか、ひどいのはないと思う」
「そなんだ……」
あったのかもしれないが、記憶はない。
忘れているのかもしれない。
「おなかなでる?」
「いや、××も痛いんだし……」
「じゃあ、じゅんばんね」
うにゅほが俺の腹部に手を這わせる。
「──…………」
「──……」
なで、なで。
「にく、ついたねえ」
「はい……」
ダイエット、頑張らなければ。
しばしして、
「じゃあ、交代な」
「おねがいします」
うにゅほの腹部に手を触れる。
「うひ」
なで、なで。
「ほー……」
「腹巻き、まだ使ってるんだな」
「うん」
「俺があげたやつ?」
「そだよ」
「もう、七年くらい使ってるんじゃないか?」
「たぶん……」
うにゅほは物持ちがいい。
俺がプレゼントしたものに限らず、なんでも大事にとっておく。
「つぎ、わたしのばんね」
「お願いします」
こうして、互いのおなかを撫であいながら、なんとか腹痛をやり過ごしたのだった。

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2019
03.13

うにゅほとの生活2652

2019年3月12日(火)

月に一度の定期受診の帰り、あまり行かないスーパーマーケットへと立ち寄った。
「なんかここ、すこし高級感あるよな」
「わかる」
「見たことない商品多いし……」
「あと、ちょっとたかい」
高級スーパーというほどではないのだろうが、非日常感があって面白い。
「なにかうの?」
「おやつ代わりにチーズでも、と思ったんだけど──」
乳製品のコーナーにずらりと並ぶ、見たこともない商品たち。
「さけるチーズ、ベーコン味なんてあったんだ」
「はじめてみた……」
「買ってみよう」
「うん」
さけるチーズをカゴに入れ、周囲を見渡す。
「あ」
「どした?」
「さけそうなチーズ、あった」
「さけそう……」
うにゅほが、その商品を手に取る。
「モッツァレラチーズ、さけるタイプ、だって」
棒状のチーズが三本ほど封入されたパッケージには、「十勝の自然の恵みをお届けします」と書かれている。
「美味しそうじゃん」
「ね」
「いくら?」
「うーと、さんびゃくはちじゅうはちえん……」
「たっか」
「おたかい……」
「でも買おう。気になるし」
「いいの?」
「実家住まいの社会人だもの。それくらいのお金はあります」
「そか」
二種類のストリングチーズを購入し、帰宅する。
「では、さっそく」
388円のストリングチーズを開封する。
「なんか、しっとりしてる」
「さけるチーズより、だいぶ柔らかいな」
裂いたチーズを口に入れる。
「──あ、美味い」
「おいしい!」
「牛乳の味が残ったチーズって感じがする」
「そんなかんじするね」
「今度、また買ってこようか」
「うん!」
さけるチーズのベーコン味は、それなりの美味しさだった。
期待以上でも以下でもない味だったため、詳細は省く。

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