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2013
12.25

うにゅほとの生活760

2013年12月25日(水)

台所に銀色の包みがあった。
「なんだろ、これ」
「なにー?」
うにゅほがとてとてと傍に寄ってきた。
その右手には、冷蔵庫から出したばかりの牛乳パックがある。
飲むところだったのだろう。
「あ、これ、カステラだよ」
「ほう」
カステラとな。
包み紙を開くと、しっとりとした、それでいて妙にべたつくカステラがあった。
「××、おやつの時間だ」
「たべていいの?」
「べつにいいだろ。未開封なら考えたけど」
食器棚から小皿をふたつ取り、カステラを二切れずつ乗せる。
「──……?」
どうしてか、カステラがしとどに濡れていた。
メープルシロップでも染み込ませてあるのだろうか。
うにゅほが牛乳を注いでくれて、おやつの準備が整った。
「いただきます」
「いただきます」
行儀よく挨拶をして、カステラを口へ運ぶ。
「う」
苦い。
なんだこれ。
「うえ」
うにゅほが口を開けながら、言う。
「したぴりぴりするう……」
どうやら、染み込んでいる液体に原因があるらしい。
恐る恐る匂いを嗅いでみると、すぐにわかった。
「……ブランデーだ」
「ぶらんでー」
ああ、そうだ、思い出した。
母親の買ってきたおみやげのなかに、ブランデーケーキと書かれたものがあったのだ。
しかし──
「これ、どう見てもカステラだよな……」
茶色の焼き目に挟まれた柔らかな直方体が、3センチ幅にカットされている。
あまりにカステラすぎて、ケーキという単語と結びつかなかった。
「どうする?」
「うー……」
うにゅほが、食べかけのブランデーケーキを小皿に戻した。
苦手だったらしい。
正直なところ俺も好きではないが、歯型のついたものを戻すわけにもいかない。
うにゅほの食べかけを掴み、一気に飲み下した。
「あっ」
自分のぶんも牛乳で流し込む。
「……やっぱ、あんまり美味しくないな」
「うん……」
「なんか、口直しとかないかな」
「せんべいある」
無事な二切れを包み紙に戻し、黒胡椒せんべいをふたりで食べた。
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