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2013
09.28

うにゅほとの生活672

2013年9月28日(土)

自室に安置してあった愛犬の遺骨を、庭に埋めた。
本当は命日まで待とうかと思っていたのだが、11月の末日ともなると庭土も凍りついている。
天気がよかったので、なんとなく今日にした。
「──あ、墓石どうしよう」
家族で手を合わせたあと、そんなことに思い至った。
計画性のないことである。
「おはかのいし?」
「そう」
「でっかいしかくい?」
「あんなもの置けるか。あれ、すごい高いんだぞ」
「おいくら?」
「……ひゃくまんえん、くらい」
うろ覚えである。
「ひやー……」
うにゅほが目を丸くした。
「むりだ」
「無理だ」
「どうしよう」
「どうしような……」
「あ、あれは?」
名案とばかりにうにゅほが人差し指を立てた。
「ほねガム」
「……喜ぶとは思うけど」
却下した。
「とりあえず、いい形の漬物石を探そう」
「うん」
祖母の漬物石置き場を漁っていると、
「あ、これ──……ぎぎぎ」
うにゅほが抱き上げた石塊は、上下に長く、角張っていて、手頃に思えた。
「俺が持つよ」
「ありがと」
「あとは、墓碑銘か……」
ここに眠る的なものは望むべくもないが、名前くらいはあってもいい。
「でも、彫刻刀でなんとかなるもんじゃないしなあ」
「だめなの?」
「駄目だと思う。ドリルで水晶に穴開けられなかったの、覚えてるだろ」※1
漬物石が水晶と同じ硬さとは思わないが、ドリルで文字を刻むのが難しいことはわかる。
「まさか、コロの二文字を刻むために専用の工具を買うわけにもな」
「うん……」
うにゅほが小石を拾う。
「かけるかな」
「すこしは書けるかもな」
ふたりでしばらく試行錯誤して、遺骨の上に墓石を突き立てた。
「それっぽいな」
「それっぽい」
顔を見合わせて、部屋に戻った。
浅い引っ掻き文字は、すぐに雨で流れてしまうだろう。
まあ、いいか、と思った。
覚えていればいいんだから。

※1 2013年7月15日(月)参照
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