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2013
08.27

うにゅほとの生活640

2013年8月27日(火)

うろうろ。
ごそごそ。
「──…………」
うにゅほがなにかを探している。
なんだか深刻な様子で逆に声を掛けづらかったのだが、数分も見つからないのであれば、そうも言ってはいられまい。
「どうかしたのか?」
「!」
うにゅほがびくっとする。
「なんでもない、なんでもない……」
そう言いながら、下手な笑顔でぱたぱたと手を振ってみせる。
なんでもないことあるかい。
「──で、なにをなくしたんだ」
「!」
再び肩を震わせる。
視線をしばし右に泳がせたあと、観念したようだった。
「しおり……」
「しおり?」
「◯◯くれた、てつのしおり」
「あー」
ちょっと思い出せないくらい以前にプレゼントした、金属製のブックマーカーのことだろう。
うにゅほが愛用してくれていることは知っていた。
「見るからに失くしやすそうだもんな……」
フックのついた細長い棒のような形状をしているため、どこに滑り込んでいてもおかしくはない。
「じゃあ、一緒に探そう」
「はい……」
決まり悪そうに、うにゅほが頷いた。
「ないな……」
「ない」
布団をひっくり返してまで探したのだが、さっぱり見当たらない。
おかげで部屋が整頓されてしまった。
「××が最後に本を読んだのってどこなんだ?」
「えと──……」
本来であれば最初にすべき質問だが、ここまで見つからないとは思っていなかったのである。
「あっ」
うにゅほの頭上にエクスクラメーションマークが閃いた。
「──…………」
そして、リビングへ通じる扉をしずしずと開く。
すこし待っていると、帰ってきた。
「ごめいわくを……」
ブックマーカーを両手で掲げ、うにゅほがぺこりと一礼した。
「よかったけど、どこにあったんだ?」
「といれ……」
「あれ、××ってトイレに本とか持ってく人だっけ」
「さいきん……」
恥ずかしそうに答える。
俺の真似をしたのかもしれない。
「さっきおしっこしたとき、おとしたとおもう」
「えっ」
不思議な言葉を聞いた気がする。
「おしっこしたとき?」
「うん」
「あ、そうか、座るから……」
男性ゆえか、その発想はなかった。
「だめ?」
「いや、あんまり居座らなきゃいいと思うけど」
「そっか」
「あ、鍵の掛け忘れには気をつけて」
「はい」
忘れそうなイメージがあるので。
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