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2013
07.28

うにゅほとの生活610

2013年7月28日(日)

コンビニで見かけるようなアイス用の冷凍ショーケースが、車庫の二階にある。
理由はわからないが、ある。
二十年ものあいだ、備蓄用の冷凍庫として稼働し続けてきたものだ。
それを、買い換えることになった。
というか気がついたら新しい冷凍庫が車庫の一階に置いてあった。
「──それはいいけど、どうやって入れ替えるのさ」
「滑車とロープがあるだろ」
「えー……」
父親の言葉に、思わず渋面を作る。
我が家の車庫は、ロフト付きマンションのような構造をしているため、滑車とロープを使って下ろすことは不可能ではない。
不可能ではないが、重い。
冷凍ショーケースの推定重量はおよそ120kgである。※1
そう告げると、
「人手を集めればいい」
と、あっさり言ってのけた。
三十分後──
「このひも、ひっぱればいいの?」
「紐じゃなくてロープな」
車庫の二階の窓から垂れたロープの先を、うにゅほがぴろぴろと弄ぶ。
真下では危ないので、車庫の外から引っ張ることにしたのだ。
「というか、べつに××は引っ張らなくていいんだけど」
隣近所に助力を請い、ふたりほど手伝いに来てくれることになったのである。
「やるよ」
「やるのか」
やるなら仕方がない。
「手順はわかるか?
 まずは引っ張って、合図と共にゆっくり下ろしていくんだぞ」
「うん」
庫内では、父親が冷凍ショーケースの操作や向きの調節を担当する。
俺たちは指示に従えばいい。
「てのひら痛くなるから、軍手しろよ」
「はい」
近所の人の笑顔に後押しされ、うにゅほが先頭に立った。
悪くない位置取りだろう。
「──引っ張ってくれー!」
父親の指示が飛ぶ。
「よいっ、しょお!」
成人男性3.5人分の膂力でも、かなりつらい。
「ゆー……っ!」
気合の抜けそうな声が、うにゅほの口から漏れる。
「よし、下ろしてくれ!」
後方に傾けていた重心を、ゆっくりと前方へ戻していく。
がむしゃらに引っ張るより、腕に響く。
「ぬぬぬぬぬ……」
うにゅほの声に、気が抜ける。
近所の人も同じ感想を抱いたのか、最後の最後で勢いがついてしまった。
まずい。
ショーケースが壊れるのは構わないが、アスファルトがへこむのは問題である。
そう思った瞬間、
「わー!!」
ロープにつられて、うにゅほが浮いた。
「うお!」
慌てて抱きとめる。
「ういた!」
「ああ、浮いたな」
50cmくらい。
「あはは、ういた、ういた!」
「──…………」
楽しそうだが、危ないところだったのは間違いないのだし、諭すべきかと思ったが、決してわざとではないし、同じシチュエーションはまずないと言える。
なんとなく苦笑して、うにゅほを離した。
新しい冷凍庫は、ショーケースの半分くらいの重量だったので、さほど苦労せず二階へと上げることができた。
後片付けにも駆り出されて、もう汗まみれである。
疲れた。

※1 一般的な冷凍ショーケースの重量、製造年代、成人男性ふたりで持ち上げられないことなどから推定した、おおよその数値。
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