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2013
07.26

うにゅほとの生活608

2013年7月26日(金)

「~♪」
口笛を吹きながら、弟が食器を洗っていた。
「?」
うにゅほが弟のそばへ行き、なにやら話しかけている。
しばらくして、帰ってきた。
「みて!」
うにゅほが唇を突き出し、思いきり息を吐く。
ふすー。
「あれ?」
小首をかしげる。
「ちょっとまってて」
きびすを返し、弟のところへ駆け戻る。
なにやら手ほどきを受け、自信ありげに帰ってきた。
「みててね」
うにゅほが再び唇を突き出し、ゆっくりと息を吐く。
ぴすー。
ちょっと鳴った。
「……?」
小首をかしげる。
思ったように行かないらしい。
「まっててね」
行ったり来たりと忙しい。
「いきます!」
うにゅほが三度唇を突き出し、慎重に息を吐く。
ぴゅぴすー。
「なった!」
「おー、鳴った鳴った」
軽く拍手をする。
「でも、ちょっとしかならない」
「初めて試して鳴ったんなら、上手いほうじゃないか?」
「そかな」
「俺、最初は全然だったし」
小学生のときだけど。
「◯◯はふけるの?」
「吹けるよ」
唇をまるくすぼめ、ドレミを奏でる。
「なんかひくいね」
「なんか低いんだよ」
弟より1オクターブは低い。
「おとかえるの、どうやるの?」
「えー……」
感覚で理解していることを言葉に変えるのは、けっこう難しい。
「たぶん、舌で調整してるんだと思うけど」
「した?」
「べろ」
「べろ?」
「まあ、自然とわかると思うよ」
「ふうん」
うにゅほがなんとなく納得する。
「他にも高等テクニックがあるぞ」
「?」
「口笛の必須テクニックと言っても過言ではない」
「おー」
うにゅほの目が輝く。
「口笛を吹いてると、どんどん空気がなくなって苦しくなっちゃうだろ。
 そんなとき、どうしたらいいと思う?」
「むりをしない」
身も蓋もないことを言われてしまった。
「答えは、吸いながら鳴らす」
「え」
「~♪」
猫の恩返しの主題歌を吹くと、うにゅほが目をまるくした。
「いき、すってるの?」
「吸ってないと、すぐ息切れるだろ」
「はー……」
「そんなに難しくないから、練習してみたらいい」
「うん」
果てしなく長い口笛坂を、うにゅほが登り始めた。
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