2013
06.27

うにゅほとの生活579

2013年6月27日(木)

ぺらっ。
うにゅほが俺の髪の毛をめくる。
「どうかなー」
「──…………」
なにその「おやっさん今日やってる?」みたいなかんじ。
円形脱毛症になって以来、うにゅほは時折俺の頭皮を確認してくるようになった。※1
新たなハゲが発生していないか調べているらしい。
「お?」
つんつん。
「ハゲをつつくな、ハゲを」
「ちがくて」
首を横に振る気配がする。
「うぶげはえてる」
「え、まじ?」
指先でハゲに触れる。
しょりしょりとした産毛の感触がそこにあった。
「──……っ、はー」
深く、長く、息を吐く。
「よかったー……」
「よかったね」
なでなで。
「ハゲを撫でるな、ハゲを」
「はい」
うにゅほがソファに座り直す。
「やー、ほんとよかったよ」
「うん」
「なかなか生えてこないからさあ」
「◯◯、ほっとけばなおるって」
「わかってても怖いものは怖いし、不安は不安なの」
「そなの?」
「そうじゃないと、お化け屋敷もジェットコースターも成り立たないでしょう」
「うーん?」
よくわからないらしい。
「これで、父さんの育毛剤はもう必要ないかな」
気休めに試していたのだ。
「いくもうざい?」
「髪の毛を生やすための──あれ、それは発毛剤だっけ」
よく知らない。
「おとうさん、はげてないのにねえ」
「ハゲてないけど、薄くはなってるらしいよ」
「そなの?」
「いや、見てもわからないけど、自覚症状があるならそうなんじゃない?」
「ふうん……」
伯父も薄毛に悩んでいるようなので、ハゲはせずとも薄くなる家系なのだろう。
「◯◯も、うすくなるの?」
「二、三十年後にはなるんじゃないか」
「いくもうざい、ぬってあげるね」
「──……ありがとう」
複雑である。

※1 2013年6月5日(水)参照
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