2013
06.21

うにゅほとの生活573

2013年6月21日(金)

「──ぃよっし!」
気合と共に立ち上がり、足元のレジ袋を手に取った。
「なに?」
うにゅほが小首をかしげる。
「いや、そろそろ染めようかと思って」
「そめよう?」
あれ、通じてない。
「ほら、これ……」
レジ袋を開き、中身を見せる。
「あ、きのうかったシャツ」
二束三文で購入した、三着の白いTシャツである。
「……わかった!」
うにゅほが高々と右手を上げる。
「これ、そめるんだ」
「そうだよ」
同じく購入した数種類の染め粉を使い、オリジナルのTシャツを作るのだ。
以前も思ったが、どうもこういうことが好きな性質らしい。※1
「──…………」
「得意げなところ悪いけど、ちゃんと買うときに説明してたからね」
「そだっけ」
「俺の言葉、けっこう聞き流してるよな……」
「してないよ?」
しれっと答える。
うにゅほは嘘がつけないので、意識的なものではないのだろう。
それはそれで傷つくが。
「──……。
 ともあれ、すこし手伝ってくれよ」
「うん」
漫画を閉じ、うにゅほが腰を上げる。
「なにすればいいの?」
「そうだな……むら染めにするから、すずらんテープでTシャツをギュウギュウに縛ってほしい」
「しばる?」
「ほら、ハムみたいに」
「あー」
一着につき五ヶ所ほど縛るので、それだけでもなかなかの重労働だ。
「なにいろにするの?」
「まず、二着はピンクかな」
「いいねー」
「××の思ってるとおりにはならないと思うけど」
「?」
三十分ほどつけ置きすると、二着のTシャツは綺麗に染め上がった。
「おー」
「いいかんじだな」
すずらんテープの作り出した模様が、なんとも言えず趣深い。
「××、次は何色がいい?」
「つぎ?」
「これを、別の染め粉で重ね染めするんだよ」
「え、またそめるの?」
「つい六色も買っちゃったから、いろんなパターンを試さないと」
「えー……」
五、六時間の作業を経て、三着のTシャツが見事に染め上がった。
「これいいね!」
「これは上手くいったな」
「こっちはふつう」
「まあ、すべて会心の出来とはいかないか」
それなりの結果だった。
納得のいかない仕上がりのものは、また重ね染めするかもしれない。

※1 2013年2月6日(水)参照
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