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2019
11.10

うにゅほとの生活2892

2019年11月9日(土)

「──…………」
こんなことは無為だ、時間の無駄だ。
やめなければ。
わかっているのに、両目が画面を追ってしまう。
マウスを操作する手が止まらない。
「××、助けて……」
「?」
座椅子で小説を読みふけっていたうにゅほが、心配そうにこちらへ寄ってきた。
「どしたの……?」
「ゲームをする手が止まらないんだ」
うにゅほがサブディスプレイを覗き込む。
「これ、きのうからやってるやつ」
「昨日からじゃない」
「ちがうの?」
「……実は、一週間くらいやってる」
「やってたっけ」
「これ、クリッカーゲームなんだ。放置しても、最低限は進んでくから」
「あ、なにもしないゲーム」
「何もしないで済むなら悩まないんだけど……」
溜め息をひとつつき、うにゅほへと向き直る。
「……いまからこのゲームについて解説するから、終わったら正直な感想を聞かせてくれ」
「わかった」
「まず、このゲームの目的は、より高階層を目指すことだ」
「うん」
「クリックして敵を倒し、お金を貯めて、仲間を雇う。雇った仲間は、毎秒敵を攻撃してくれる」
「じゃあ、クリックしなくていいの?」
「してもいいし、しなくてもいい」
「へえー」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「頑張って仲間のレベルを上げても、やがて限界が訪れる。どうしても進めなくなる時が来る」
「そしたら、どうするの?」
「転生して、最初からやり直す」
「さいしょから……」
「すると、前より有利な状態で始められる」
「それをくりかえすの?」
小さくかぶりを振り、続ける。
「──だが、いくら転生を繰り返しても、進めなくなる限界点はある。そうしたら、どうすればいいと思う?」
「うと、なんだろ……」
思案する暇も与えず、答えを告げる。
「超転生する」
「ちょうてんせい」
「すると、さらに有利な状態から始められる」
「はー……」
「だが、超転生は連続でしても意味がない。転生を繰り返してポイントを貯めなければならない」
「──…………」
「転生を繰り返し、時折超転生を挟んで、ひたすら高い階層を目指していく。終わりはない」
「うん」
「このゲーム、どう思う?」
「さいのかわら」
「ですよね……」
「やめたほういいとおもう……」
「……ありがとう。その言葉が聞きたかったんだ」
俺は、Clicker Heroesを終了すると、大きく伸びをした。
肩の荷が下りた気分だった。
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コメント
お空に風評被害になるからもうやめて
せめて自分のブログだけにして…
お願いします( ;∀;)
dot 2019.11.10 17:44 | 編集
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