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2012
04.24

うにゅほとの生活152

2012年4月24日(火)

フリースクール体験入学・二日目。
迎えに行った帰りの車中で、うにゅほは一言も口を開かなかった。
「すわ、いじめか!」と反射的に激昂しかけたが、よく考えるとありえない。
指導員なり母親連中なりの目が、四六時中光っているのだから。
帰宅するなり、うにゅほはポヨのぬいぐるみを抱き締め、部屋の隅に向かって体育座りを始めてしまった。
とりあえず事情を聞き出さないことには対処のしようがない。
放っておくという選択肢など思慮の外である。
床に腰を下ろし、うにゅほの背中に寄り掛かった。
背中に熱がともる。
しばらく無言でそうしてから、躊躇いがちに尋ねた。
「今日は、なにをしたんだ?」
「……本、読んでた」
教室の本棚には、小中学生向けの蔵書が揃っていた。
「ずっと?」
「……うん」
あれ、なんで機嫌が悪いんだ?
「教室で、嫌なことあった?」
「──…………」
首を振る気配。
俺が本格的に頭を悩ませ始めたところで、うにゅほが搾り出すように言った。
「……◯◯、なんで帰っちゃったの」
ああ!
やっとわかった。
俺が毎日付き添うものだと勘違いしていたらしい。
体験入学が決まった時点で伝えたはずだが、確認を怠ってしまった気がする。
後悔で、胸が痛んだ。
たった一人で、見知らぬも同然の人たちのなかに置き去りにされたのだ。
うにゅほの胸中たるや察するに余りある。
俺は、うにゅほに「ごめん」とだけ告げて、しばらくそのままの姿勢でいた。
そして、明日以降も付き添えないことを改めて伝えた。
うにゅほはぶーたれたが、それだけは堅持した。
優しくすることと、甘やかすことは、きっと異なるはずだから。
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