2017
09.08

うにゅほとの生活2107

2017年9月8日(金)

「……あれ?」
カナル型イヤホンの左側を外す。
「やっぱり……」
「どしたの?」
「××、これ着けてみ」
「?」
イヤーピースを軽く拭ったあと、うにゅほの両耳にイヤホンを優しく突っ込んだ。
「どう聞こえる?」
「なんか、みぎ、とおい……?」
「だよな」
「いやほん、こわれた?」
「聞こえはするから、断線したわけじゃないと思う」
「こわれてない?」
「壊れかけ、かなあ……」
徳永英明の「壊れかけのRadio」が脳裏をよぎるが、あまりにベタである。
「まだ、半年くらいしか使ってないのに」
「──…………」
しばし目を伏せたあと、うにゅほが口を開いた。
「ごめんなさい……」
「なんで謝る」
「まえのいやほん、こわしたの、わたしだから……」
そういえば、そんなこともあったような。※1
「どうして、いま、前のイヤホンを壊したことを謝る……?」
「まえの、こわしてなかったら、いまの、こわれてなかったかも……」
「──…………」
責任感が強いのか、なんなのか。
「××」
「はい……」
「俺が落ち込んでたら、どう思う?」
「……げんきになってほしい」
「××が落ち込んでたら、俺も、元気になってほしいって思うんだよ」
「──…………」
「イヤホンなんかどうでもいいんだ。十個壊してもいい。だから、そんな顔するなって」
うにゅほの頭を、そっと撫でる。
「……うへー」
「お、笑ったな」
「うん……」
「まあ、まだ壊れてはいないんだし、だましだまし使うよ」
「そか」
完全に聞こえなくなったら、買い替えかな。

※1 2017年3月26日(日)参照
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