2017
08.02

うにゅほとの生活2070

2017年8月2日(水)

「ふー……」
ペダルを漕ぐ足を止め、首に掛けたタオルで汗を拭う。
表示パネルには「20.00k」の文字。
一日一時間のエアロバイクは、俺の日課である。
「おつかれさまです」
「いえいえ」
「おちゃ、つめたいの、のむ?」
「飲む」
「いまだすね」
差し出されたタンブラーの中身を一気にあおる。
「──ッ、はー……、美味い!」
喉から染み入る冷たさが、四肢の末端まで行き渡るかのようだった。
「◯◯、すごいねえ」
「何が?」
「えあろばいく、まいにちこいで」
「毎日漕いでるわりには痩せないけどな」
「まいにちこぐのがすごい」
「だったら、××のが凄いだろ」
「?」
「掃除、料理、家事全般。毎日やってるじゃん」
「わたしのしごとだもん」
うにゅほが小さく胸を張る。
自分の仕事に誇りを持っているのだ。
「しごとだったら、◯◯も、まいにちしてすごいよ」
「……まあ、お金のためだけどな」
手放しで褒められるのは、なんとなく照れくさい。
「おかねかせげるの、すごいとおもう」
「世の中の大抵の人は、お金を稼いで生きてるんだぞ」
皮肉げな俺の言葉に、うにゅほが、てらいのない笑顔で答えた。
「だったら、みんな、すごいんだね」
「──…………」
言葉にできない暖かいものが、腹の底から溢れてくる。
「××」
「?」
「××は、癒し系だな」
「うへー……」
凄いのは、うにゅほの方だと思う。
この子を独り占めしている自分は、なんて罪深いのだろう。
そんなことを考える八月の午後だった。
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