2017
07.14

うにゅほとの生活2051

2017年7月14日(金)

午後九時ごろ帰宅し、静かに玄関を開く。
「ただいまー……」
「!」
物音を聞きつけたのか、うにゅほがリビングから顔を出した。
「おかえりなさい!」
「うん、ただいま」
本州から友人が遊びに来たので、観光案内がてら遊びに出掛けていたのだった。
「きょう、どこいったの?」
「小樽」
「おたる……」
「映画館があるところ」
「あ、わかった」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「うみのほう」
「そうそう」
「なにしてあそんだの?」
「海鮮丼食べたり、喫茶店でだべったり、ガラスの工芸品を見たりもしたな」
「たのしそう……」
「あと、オルゴール堂にも行った」
「おるごーるどー?」
「オルゴールの専門店。明治に建てられた古い建物で、雰囲気あったなあ」
「──…………」
「××?」
「うー……」
あ、ぶーたれてる。
当然か。
「……おみやげ」
「お土産は、ありません。買おうか迷ったんだけどな」
「──…………」
うにゅほが、ますますぶーたれる。
だが、土産を買わなかったことには、ちゃんとした理由がある。
「オルゴール堂も、大正硝子館も、いいところでさ」
「──…………」
「だから、××と一緒に来たいなって、思ったんだよ」
「……えっ」
「夏のあいだに、バイクで行こう。ふたりでさ」
「──…………」
うにゅほが無言で俺に抱き着く。
「……ごめんなさい」
「なんで謝る」
「なんとなく……」
「じゃあ、俺もごめん」
「なんで?」
「なんとなく」
「……うへー」
うにゅほが照れ笑いを浮かべる。
俺は、その笑顔を、ずっと見ていたいのだ。
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