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2016
01.24

うにゅほとの生活1517

2016年1月24日(日)

午前四時二十一分、祖母が亡くなった。
享年八十八歳だった。
死に目には、会えなかった。
「──…………」
病室。
母親が言う。
「……あと五分でも早く着けたらね」
父親が言う。
「道が凍ってるんだから、仕方ねーべや」
弟が言う。
「まだ眠ってるみたいだ」
俺が言う。
「……でも、もう起きない」
うにゅほは、口を閉ざしたまま、なにも言わない。
背中から抱き締め、尋ねる。
「また、怖いか?」
愛犬が死んだときのことを思い出す。※1
あのとき、うにゅほは、こわい、こわいと泣きじゃくっていた。
死ぬことが怖いのか。
残されることが怖いのか。
「──…………」
沈黙。
「……××?」
うにゅほの顔を覗き込む。
「──…………」
うにゅほは、見ていた。
口を真一文字に結んで、眠るように逝った祖母の顔を見つめていた。
死を、真正面から、睨みつけていた。
俺は、思った。
強くなったのだ、と。
脆くなったのだ、と。
ぎゅ、と腕に力を込める。
壊れないように。
壊れても、崩れないように。
泣いたっていいのだと、告げるように。

※1 2012年11月30日(金)参照
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コメント
お悔やみ申し上げます。
式神dot 2016.01.25 20:04 | 編集
ありがとうございます
八白dot 2016.01.25 20:48 | 編集
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