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2015
12.25

うにゅほとの生活1487

2015年12月25日(金)

消費税増税前に我が家をリフォームしようという話が持ち上がっている。
「水回りを一階に集めて──」
「弟の部屋は二階に──」
「こことここの壁はぶち抜いて──」
「キッチンをL型に──」
間取り図を挟んで侃々諤々の議論を交わす両親を尻目に、昨日のあまりのケーキをパクつく。
「りほーむだって」
「ああ」
「どうなるのかな」
「俺たちの部屋は、大して変わらないよ」
「そうなんだ」
「ただ──」
言いかけて、やめる。
「なんでもない」
「?」
家をリフォームするとなれば、ひとつ、どうしても避けられない問題が出てくる。
「──××!」
父親がうにゅほを手招いた。
「なにー?」
「お前の部屋は、どこがいい?」
「……?」
小首をかしげる。
「いつまでも◯◯と同じ部屋っちゅーわけにもいかねーだろ」
「──えっ、う、え?」
目を白黒とさせながら、うにゅほがこちらに視線を向ける。
つまりはそういうことだ。
「お前たちの部屋を真ん中で間仕切って──」
「一階の和室をフローリングにしたほうがいいんじゃ──」
「いや、それだとリビングが──」
「二部屋にするとさすがに狭いと──」
両親のあいだで狼狽えていたうにゅほが、意を決したように口を開く。
「──や!」
そして、俺の左腕に抱きついた。
「◯◯といっしょがいい!」
「──…………」
「──……」
両親が、無言で、互いに顔を見合わせる。
その目に込められた感情は、ふたりとも同じだ。
「やっぱり……」
「しゃーねえなあ」
そして、何事もなかったように議論を再開する。
「◯◯と、いっしょがいい……」
呟くように繰り返すうにゅほの頭を撫でてやる。
「一緒でいいってさ」
「……ほんと?」
「ああ」
正直、今更である。
両親としても、いちおう尋ねてみただけだろう。
「よかった……」
ほっと胸を撫で下ろすうにゅほの姿に苦笑しながら、ケーキの最後のひとかけらを牛乳で流し込んだ。
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