FC2ブログ
2015
09.29

うにゅほとの生活1401

2015年9月29日(火)

遠雷。
「──…………」
また、遠雷。
「……かみなり、すごいねえ」
「ああ」
「さいきん、かみなり、おおいねえ」
「異常気象かな」
ぺら。
文庫本のページを繰る。
「ちゃんと隠しとかないと、雷様にへそ取られるぞ」
「へそ?」
うにゅほが両手でおなかを押さえる。
「なんか、きいたことある」
「昔からの言い伝えだな」
「へそ、とられたら、つるつるになるの?」
「……どうだろ」
「えぐられるの?」
「でべそなら、まあ、わかるけどな」
「でべそ……」
うにゅほが小首をかしげる。
「みたことない」
「俺もないなあ」
「ジャイアン、でべそ」
「でべその場合は、治るってことなのかな」
「さあー……」
「治るなら──」
そこまで口にしたときのことだった。

──カッ!

一瞬、視界が真っ白に染まり、

ドォン──……

数秒後、轟音と共に家が揺れた。

「ぴ!」
「うわ、近いな」
音は秒速340mだから、およそ1キロ先に雷が落ちた計算になる。
「なに、なに!」
うにゅほが俺の首根っこにしがみついた。
「だいじょぶ? だいじょぶ!?」
混乱している。
「だいほうふだって」
「……ほんと?」
「本当、本当」
この距離なら、たとえ火事が起きたとしても延焼はすまい。
うにゅほの頭を撫で、膝に導く。
「とにかく、落ち着きなさい」
「うん……」
膝の上のうにゅほがちいさく膝を抱える。
しばらくのあいだ、遠雷の音は鳴り止まなかった。
スポンサーサイト




トラックバックURL
http://neargarden.blog68.fc2.com/tb.php/1549-ee8ba01e
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top