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2015
05.23

うにゅほとの生活1273

2015年5月23日(土)

「──……うぐ」
腹部を押さえながら、前傾姿勢で自室の扉を開く。
「◯◯、だいじょぶ?」
「大丈夫……」
普通に腹を下しているだけだから、さほど深刻ではない。
まあ、痛いけど。
「あかだまのんだ?」
「飲んだ」
「なんかへんなのたべた?」
「パンしか食ってないよ」
ずっと一緒にいただろうに。
「ふしぎだねえ……」
うにゅほが小首をかしげる。
「もともと病弱だからな、仕方ない」
ソファに体を横たえると、うにゅほが傍に膝を突いた。
「おなかなでる」
「ありがとう」
うにゅほの右手がへそのあたりをぎこちなく這いまわる。
不思議とくすぐったくはない。
「きもちい?」
「ああ」
手のひらの熱が腹の底に染み込んでいくようだった。
「てをあてるから、てあてっていうんだって」
「それ、前も言ってなかったか?」
「そうだっけ」
そのフレーズが気に入っているらしい。
「俗説らしいけどな」
「ぞくせつ?」
「本当は違うってこと」
「ちがくないよ」
うにゅほが自信たっぷりに言う。
「おなかなでたら、おなかいたくなくなるし、あたまなでたら、あたまいたくなくなるよ」
「そういう意味じゃ──」
「◯◯になでてもらったら、いたくなくなるもん」
「──…………」
そこまで言われてしまっては、否定なんてできない。
「……そうだな、違わないな」
「うん」
なでなで。
通説とか、俗説とか、どうでもよくなる程度には心地いい。
そのまましばらく撫でられていると、五分ほどで腹痛は治まった。
半端な知識なんかより、その事実のほうが重要である。
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