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2014
06.28

うにゅほとの生活944

2014年6月28日(土)

「あぢぃ……」
自室の窓を全開にし、風を通しても、なお暑い。
「アイス食おう……」
ソファから腰を上げようとして、うにゅほに押しとどめられた。
「わたしもってくる。なにがいい?」
「なんでもいいよ」
残り僅かだったはずだから、選ぶ余地もない。
小走りで部屋を出て行ったうにゅほが、
「なかったー……」
肩を落として帰ってきた。
「……あー」
家族の誰かが食べたのだろう。
「しゃーない、買いに行くか……」
膝に手をつきながら、のそりと立ち上がる。
体が重い。
重力が1.5倍になったような──という表現は、我ながら正鵠を射ていると思う。
「──……あの」
くい。
シャツの裾が引かれた。
「わたしかってくる」
「……アイスを?」
「うん」
「ひとりで?」
「うん」
「──…………」
待て。
待て待て。
「え、大丈夫か……?」
「うん!」
うにゅほが自信満々に頷いた。
大丈夫、だ。
大丈夫のはずだ。
炎天下というほどではないし、コンビニまでの距離だってせいぜい1kmくらいのものだ。
買い物だって日常的にこなしている。
だのに、胸中で渦巻くこの不安はなんなのだろう。
「──……わかった、頼むよ」
「はい!」
財布を入れたポシェットを提げ、うにゅほは元気よく出掛けていった。
漠然とした不安を抱えながら、まんじりともせず待ち続ける。
「ただいまー!」
うにゅほが帰宅したのは、一時間近くも経ったころだった。
「おかえり──、って!」
「うへー」
両手に提げたレジ袋にいっぱいのアイスを詰め込んで、満足げである。
「すごい買ったな……」
「おもかった」
そりゃそうだろう。
「……えーと、ありがとな」
「うん!」
うにゅほの頬に手を添えて、親指の腹で目元を撫でた。
そして、冷凍庫に入りきらなかったアイスをふたりで食べきり、仲良く腹を壊したのだった。
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