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2014
06.22

うにゅほとの生活938

2014年6月22日(日)

「──よっ、しょ」
乾いた洗濯物を抱え、うにゅほが自室の扉を開いた。
「◯◯の、◯◯の、わたしの、◯◯の──」
作業テーブルの上に洗濯物の束を置き、慣れた手つきで選り分ける。
「──…………」
ちいさく折り畳まれたうにゅほの下着をぼんやり眺めていたとき、ふと気がついた。
「その甚平、俺んじゃないよ」
「これ?」
うにゅほが、浅葱色の和服を指さした。
「これ、◯◯のだよ」
「えっ」
そうだっけ。
いやでもここ数日のあいだに甚平を着た覚えはないぞ。
「じんべ、おじいちゃんのかたみなんだって」
「あ、そうなの?」
なるほど形見分けか。
そういえば、母親は、バンドが伸縮するタイプの腕時計を持ち帰っていたっけ。
「んじゃ、着てみようかな」
「うん」
生活スペースの奥に身を隠し、服を脱ぐ。
「……あれ」
着ている途中、気づいた。
「××、これ甚平じゃないよ」
「ちがうの?」
「作務衣だ」
「さむえ?」
寝室スペースに戻り、うにゅほの前でくるりと回る。
「……?」
きょとんとしている。
「じんべじゃないの?」
「作務衣」
「さむえって?」
「長袖長ズボンの甚平──って認識で、たぶんいいと思う」
起源を辿るといろいろ違うのだろうが、見た目の差異はそんなものだ。
「へえー」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「◯◯のじんべ、わたしがきたら、さむえになるの?」
「あー……」
サイズ的にそうなるものな。
「……甚平として作られたんだから、甚平だと思う」
「そっかー」
言葉の定義は難しい。
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