FC2ブログ
2019
07.30

うにゅほとの生活2792

2019年7月30日(火)

今日は、月に一度の定期受診の日である。
病院へ向かうために家を出ると、小学生たちが公園で暑さにうなだれていた。
「そういえば、とっくに夏休みか」
「そだよ」
「こう暑いと、遊ぶ気力もないだろうなあ……」
本日の最高気温、33℃。
猛暑日には届かずとも、十分に酷暑と言える。
「……エアコン、つけっぱなしでよかったのかな」
「つけっぱなしにしとかないと、帰ってきたときひどいぞ。33℃とか余裕で超えてくるぞ」
「そだけど」
「一時間あれば帰ってこれるんだし、こまめに切るのも逆に電気代かかるって聞くし」
「そなの?」
「一から冷やすより、冷えた状態を維持するほうが、エネルギーの消費が少ないんだってさ」
「あー」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「なんか、わかるきーする」
「エアロバイクだって、最初のひと漕ぎがいちばん重く感じるだろ」
うにゅほが小首をかしげる。
「……そだっけ?」
「××、負荷軽くしてるからな……」
例えが悪かった。
「すごく大きくて重い鉄球を転がさなければならないとして、最初に動かすときがいちばん力使いそうな気がするだろ」
「あ、わかる」
うんうんと頷く。
「かんせいがはたらく」
「そうそう」
厳密には異なるのだろうが、感覚としてわかればそれでいい。
「──つーか、暑いな」
「うん……」
立っているだけで、じわじわと汗が噴き出してくる。
「さっさと病院行こう」
「うん、いこ」
ガレージのシャッターを開き、愛車のコンテカスタムに乗り込む。
小一時間ほどして帰宅すると、公園には誰もいなかった。
賢明な判断だ。
読者諸兄も、熱中症には気をつけてほしい。
特に、水分補給はしっかりと。

スポンサーサイト



Comment:0  Trackback:0
2019
07.29

うにゅほとの生活2791

2019年7月29日(月)

エアコンの効いた自室で快適に過ごしていると、座椅子で読書していたうにゅほが不意に立ち上がった。
「といれー」
相変わらず、不要な宣言をしていく子である。
扉を開く音と同時に、
「──あつ!」
という声が響いた。
ぱたぱたと足音を立てながら、うにゅほが戻ってくる。
「◯◯、すーごいあつい!」
なんで嬉しそうなんだろう。
「きて!」
「はいはい……」
うにゅほに手を引かれながら、渋々自室の外へ向かう。
廊下に出た瞬間、
「──あッつ!」
と、思わず悲鳴じみた声が漏れた。
「なんだこれ、ヤバいぞ」
「ね」
「サウナかよ……」
全身の汗腺が一瞬で開き、汗をかく準備を整える。
それくらい暑い。
「すーごいあついね!」
「暑いな!」
思わず語気が荒くなる。
自室と廊下とでこれだけの落差があれば、テンションが上がるのも必定である。
やけっぱちとも言う。
「といれ、もっとあついかな……」
「風通しの良い廊下でこれなんだから、トイレはもっとひどいかもしれない」
「──…………」
うにゅほが小さく喉を鳴らす。
「でも、男には行かねばならぬ時がある」
「おんな……」
「頑張って出してこい!」
「はい!」
廊下へ飛び出したうにゅほが、トイレの扉を開く。
「ふわ!」
「暑いか!」
「あついー!」
うにゅほが笑いながら扉の奥へと消えていく。
しばしして自室に戻ってきたうにゅほは、見るからに汗ばんでいた。
「あちかった……」
「……今日、トイレ行きたくないなあ」
「がまんしたらだめだよ」
「我慢はしないけどさ」
後ほど小用を足しに赴いたトイレは、予想通り地獄のような暑さだった。
今年の夏はヤバいかもしれない。

Comment:0  Trackback:0
2019
07.28

うにゅほとの生活2790

2019年7月28日(日)

正午の号砲と共に、夏祭りが始まった。
「◯◯ー!」
浴衣を身にまとい、髪を結い上げたうにゅほが、自室まで俺を呼びに来た。
「××の浴衣も一年ぶりか」
「にあう?」
「一年に一度しか見られないのが残念なくらい、可愛い」
「うへえー……」
うにゅほが、両手でほっぺたを包み、くねくねする。
たいへん照れているらしい。
「混み始める前に、焼き鳥とかき氷でも買いに行こうか」
「うん!」
普段とは異なる姿をした公園へと足を踏み入れ、まばらな客の合間をすり抜けていく。
「焼き鳥四本と、豚串六本ください」
「はーい」
すこし冷めた焼き鳥を受け取り、その足でかき氷を購入する。
俺は、ブルーハワイ。
うにゅほもブルーハワイだ。
「よし、帰るか」
「うん」
焼き鳥とかき氷を手に、そのまま帰宅する。
そして、両親の寝室へ赴き、徐々に人が集まりつつある会場を窓から見下ろした。
「とくとうせきだ」
「特等席だな」
祭りの楽しみ方には、いろいろある。
屋台を食べ歩くのもいい。
射的や型抜きで景品を荒稼ぎするのもいい。
もしイベントなどがあれば、積極的に参加するのもいいだろう。
だから、
「──…………」
「──……」
俺たちは、誰にも邪魔されることなく、ふたり寄り添いながら夏祭りの雰囲気を堪能するのだ。
それはきっと、他の誰にもできない、贅沢な楽しみ方だろう。
「──もうすぐ八月だな」
「そだねえ……」
「夏が、もっと続いてくれたらいいんだけど」
「うん」
まばらな会話。
無言の時間。
だが、それが心地良い。
盆踊りが終わり、公園から誰もいなくなったあと、ふたりで静かに花火をした。
素晴らしい一日だった。

Comment:0  Trackback:0
2019
07.27

うにゅほとの生活2789

2019年7月27日(土)

「……?」
気付くと、うにゅほの姿がなかった。
「××ー?」
うにゅほの名を呼びながら、自室を後にする。
「はーい」
返事があったのは、両親の寝室からだった。
そちらへ向かおうとすると、うにゅほが小走りで駆け出てきた。
「どしたの?」
「あ、いや」
「ようじあった?」
「ないけど……」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
いないと落ち着かないだなんて、言えるはずもない。
「なにしてたんだ?」
「うーと、こうえんみてた」
「公園?」
「いま、おまつりのじゅんびしてる」
「あー」
両親の寝室へ入り、窓から眼下の公園を見下ろす。
櫓が立てられ、ステージが作られ、夏祭りの準備が着々と進んでいた。
「そういえば、夏祭りは明日だったな」
「うん」
夏祭り。
町内会が開催する、小さなお祭りだ。
「楽しみだな」
「うん!」
うにゅほが満面の笑みを浮かべる。
俺も、うにゅほも、毎年行われるこの夏祭りが好きなのだ。
屋台もほとんど出ない。
敷地も狭い。
顔見知りのおじさんが焼き鳥を焼いている。
けれど、それでも好きなのだ。
「──…………」
「──……」
気分が高揚するのを感じながら、しばらく祭りの準備を眺めていた。

Comment:0  Trackback:0
2019
07.27

うにゅほとの生活2788

2019年7月26日(金)

「あぢー……」
襟元をパタパタさせながら、温湿度計を覗き込む。
「うあ」
思わずうわずった声が漏れた。
「なんど……?」
「29℃」
「あれ、ふつう」
「湿度は72%」
「うあ」
一緒に暮らしていると、リアクションも似るのだろうか。
「むしむしするう……」
「これ、冷房入れてもどうにもならないな。除湿しよう」
「うん」
エアコンを入れ、除湿を開始する。
すぐさま効果が現れるわけではないが、一時間もすれば快適な湿度になるだろう。
「──そういえば、今朝、変な夢見たな」
「お」
うにゅほが居住まいを直す。
「どんなゆめ?」
「期待してるとこ悪いけど、そこまで面白い夢じゃないよ」
軽く念を押し、話し始める。
「水曜どうでしょう、あるじゃん」
「ある」
「友達と、あれの真似をしようってことになったんだ」
「うんうん」
「俺はカメラマンで、友達が大泉とミスター役。サイコロを後ろ手に投げて、6を出して、そのまま歩いてくってシーンを撮ることにした」
「かっこいい」
「でも、サイコロで6が出る確率は1/6だろ」
「うん」
「だから、何度も何度も撮り直すって夢」
「へえー」
「終わり」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「へんなゆめ……?」
「予想通りの反応、ありがとう。変なのはここからでな」
「おー」
「……起きてから気づいたんだけど、その友達って、どう思い返しても大泉とミスター本人なんだよ」
「え、ほんにんだったの?」
「夢の中では別の友達ってことになってた」
「ほんにんなのに?」
「本人なのに」
「へえー……」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「ちょっと変な夢だろ」
「うん、おもしろい」
「ならよかった」
うにゅほの御眼鏡にはかなったらしい。
部屋の湿度は、一時間後には46%になっていた。
エアコンはすごいなあ。

Comment:0  Trackback:0
2019
07.25

うにゅほとの生活2787

2019年7月25日(木)

昼食後、自室へ戻ろうと、階段を上がっていたときのことだ。
「あ!」
背後のうにゅほが、唐突に声を上げた。
「ありいる!」
「!」
慌てて振り返り、うにゅほの視線の先を追う。
すると、
「本当だ……」
階段の窓を、忌々しい黒色のアリが這い回っていた。
「いえ、はいられた……」
うにゅほが顔色を蒼白にする。
我が家は、過去に二度、アリの群れに侵入されている。
やつらのしつこさは想像を絶する。
結局、害虫駆除業者に巣ごと根絶してもらうことでしか解決できなかったのだ。
「◯◯、どうしよう……」
「待て」
うにゅほを制し、アリを観察する。
「……一匹だけみたいだな」
「うん」
「黒くて、体長が大きい。前に家に入ってきたアリとは別の種類だ」
「ほんとだ……」
「ここは階段で、食べものはない。たぶんだけど、窓から迷い込んできたんだろう」
アリをつまみ上げ、窓から放り捨てる。
「侵入経路が違ってたら、とっくに手遅れだったかもしれない」
「……まだ、だいじょぶ?」
「わからん」
「わからんの……」
きびすを返し、玄関へ向かう。
「わからないから、巣を潰す。いまなら先手を取れるかもしれない」
「わかった!」
うにゅほと共に、家の周囲を隈なく捜索する。
だが、巣どころかアリの姿すらなく、俺たちは途方に暮れるのだった。
「……前に探したときも、見つからなかったもんな」
「うん……」
「単なる迷いアリならいいんだけど」
現段階では、希望的観測にすがるしかない。
アリは本当に厄介だ。

Comment:0  Trackback:0
2019
07.25

うにゅほとの生活2786

2019年7月24日(水)

夜食として、セブンイレブンのサラダチキンバーをよく食べている。
美味しくて高タンパク、ダイエットのお供だ。
「◯◯、ひとくちー」
「ほい」
うにゅほの口元にサラダチキンバーを差し出す。
はむ。
「ほいひい」
「プレーンもいいけど、バジル&オリーブ美味いよな」
「うん」
「まあ、出費は痛いけど……」
大量に購入すると、野口が数枚飛んで行ってしまう。
「ほんと、ダイエットは金食い虫だよ」
「でも、◯◯、おかしたべなくなったね」
「小腹が空いたらサラダチキンを食べるようにしてるからな」
「さらだちきん、ふとらないの?」
「そりゃ一気に食べ過ぎれば太るけど、空いた小腹を埋めるくらいなら太らないみたい」
「そなんだ」
「というか、タンパク質を摂取しないと、代わりに筋肉を分解してエネルギーにしようとするから、代謝が低下して痩せにくくなる」
「たべたほうが、ふとらないってこと?」
「そうらしい」
「へえー」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「じゃあ、たべないでやせるの……」
「短期的にはいいけど、長期的には悪手だな」
「あー」
「つまり、いままで悪手を打ち続けていたわけだ」
「そだね……」
「甘いもの食べられないのは、ちょっとつらいけどな」
「◯◯、あまいのすきだもんね」
「和菓子なら多少は大丈夫らしいけど」
「わがし」
「アイスなら、ガリガリ君とか、脂質の含まれないやつ」
「なまクリームは?」
「脂質と糖質が両方含まれてるから、ダメ」
「クレープたべれないね……」
「付き合わせて悪いけど、たまのお楽しみだな」
「うん」
食生活も改善されてきた。
ダイエット生活、頑張ろう。

Comment:0  Trackback:0
2019
07.23

うにゅほとの生活2785

2019年7月23日(火)

俺の背中を撫でながら、うにゅほが口を開いた。
「◯◯、なんか、がっしりした?」
「わかるか」
「うん、わかる」
「自重トレーニングが実を結んできたかな」
実際、体重も体脂肪率も減少傾向にある。
実に順調だ。
「いっしょにやってるのに、わたし、かわんないなあ」
「あんまり変わられても困るけど……」
「そだけど」
「俺、イージーゲイナーっぽいからな」
「いーじーげいなー?」
「つい最近知ったんだけど、筋肉も脂肪もつきやすい体質のことみたい」
「あー」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「わかるきーする」
「俺、昔から、アホみたいに筋肉つきやすいんだよ」
「しってる」
「ですよね」
「ふっきん、むきむきだったときあるよね」
「意味なく無闇に筋トレしてな」
「いみなかったんだ……」
「いまは意味あるぞ。ダイエット目的だから」
「きんにくつけて、きそたいしゃあげるんだっけ」
「そうそう」
「うまくいくかな」
「理には適ってるから、このまま行けば大丈夫だと思う」
「そか」
「ただ──」
うにゅほが小首をかしげる。
「ただ?」
「……代償として、体型が完全にプロレスラーになる」
「あー……」
「まあ、ただデブってるよりマシだろ」
「ちょうどいいとこでとめれないの?」
「難しいと思う」
「しかたないねえ……」
「××は、俺がムキムキになったら嫌だ?」
「ううん」
首を横に振る。
「◯◯は、◯◯だもん」
「そっか」
嬉しいことを言ってくれる。
「──よし、頑張ろう!」
決意を新たに、右手でガッツポーズを作る。
「むりしないでね?」
「肝に銘じておきます」
「よろしい」
今回こそは、健康的に痩せるのだ。

Comment:0  Trackback:0
2019
07.22

うにゅほとの生活2784

2019年7月22日(月)

「──…………」
起床し、自室の書斎側を覗く。
「おはよう」
フローリングを雑巾がけしていたうにゅほが、顔を上げる。
「あ、おはよー」
「なんかこぼしたの?」
「こぼしてないよ」
「単に拭き掃除してただけか」
「うん」
「朝から偉いなあ……」
「うへー」
うにゅほが照れ笑いを浮かべる。
「まくら、どうだった?」
「どうかなあ……」
「だめ?」
「結局、今朝も何度か起きてたじゃん」
「うん、おきてた」
「昨夜、暑くて寝苦しかったじゃん」
「ねぐるしかった……」
「寝苦しくて起きたのか、枕が合わなくて起きたのか、わからない」
「あー」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「わたしも、いっかいおきたもん」
「へえー。××でも、そんなことあるんだな」
「おきたとき、◯◯おきてた」
「何時くらい?」
「さんじくらい」
「気付かなかったなあ……」
「◯◯、なんか、きーぼーどかたかたしてた」
「……うるさかった?」
「ううん」
首を横に振る。
「◯◯いるんだなーって、あんしんする」
「ならよかったけど……」
「ごふんくらいみてたけど、ねむくなったから、ねた」
「……見てたの?」
「うん」
「後ろから?」
「うん」
振り返っていたら、悲鳴のひとつも上げたかもしれない。
「そういうときは、声掛けてくれていいから……」
「はーい」
オーダーメイド枕の是非は、まだわからないままだ。
一週間ほど様子を見てみよう。

Comment:0  Trackback:0
2019
07.21

うにゅほとの生活2783

2019年7月21日(日)

理想の枕を手に入れるため、オーダーメイド枕の専門店へ赴いた。
「では、こちらに横になっていただけますか?」
「はい」
枕選びのプロであるピローフィッターの言葉に従い、靴を脱いでベッドに横たわる。
「よろしくおねがいします……」
うにゅほが、ピローフィッターにお辞儀をする。
「あ、おまかせください」
ピローフィッターが、戸惑いながら会釈を返した。
「──…………」
ちょっと恥ずかしい。
三十分ほどかけてフィッティングを終え、すこし固めの枕を購入する運びとなった。
「いままでずっと低反発だったから、ちゃんと寝れるか不安だな……」
それなりに高かったし。
「ていはんぱつ、しっくりしなかったの?」
「微妙だった。よくある、首元が膨らんでるタイプだったろ」
「うん」
「あのせいで、こう、圧迫される感じがあってさ」
「あー」
「帰ったら、ためしに昼寝してみよう」
「もう、ゆうねだね」
「だな」
帰宅し、オーダーメイド枕を開封する。
うにゅほが、枕をぽすぽすと叩きながら、
「ほんとだ、かたいね」
「パイプが入ってるらしい」
「パイプ?」
「ストローを細かく切ったみたいなやつ」
「あ、みたことある」
「よくある素材だからな」
マットレスの上にオーダーメイド枕を設置し、横になる。
ざら。
枕の中から小気味良い音が響いた。
「……じゃあ、三十分経ったら起こして」
「はーい」
アイマスクを装着し、そのまま目を閉じた。

──三十分後、
「◯◯、じかんだよー」
「んが」
寝てた。
「ねごこち、いい?」
「──…………」
「わるい?」
「わからん……」
「わからんの」
「劇的に何かが違うってわけでもないかなあ」
「そなんだ……」
三十分程度の仮眠では判断がつかない。
評価を下すには、最低でも、一晩は使用する必要がありそうだ。

Comment:0  Trackback:0
back-to-top