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2019
06.30

うにゅほとの生活2762

2019年6月30日(日)

カレンダーをめくりながら、うにゅほに話し掛ける。
「今度こそ、2019年も残り半分だな」
「そうですねえ」
指折り数えていく。
七月。
八月。
九月。
十月。
十一月。
十二月──
「うん、残り六ヶ月だ。今度は間違いない」
一ヶ月ほど前に、まったく同じ話題を出して、ちょっと恥ずかしい思いをしたのだった。※1
「××さん、2019年前半の総括を」
「うーと……」
しばし思案し、うにゅほが答える。
「おっきなびょうきしなかったし、よかったとおもいます」
「花マルですか」
「はなまるです」
「やったぜ」
「◯◯さん、にせんじゅうきゅうねん、こうはんのもくひょうは?」
「いい加減、痩せる」
「なるほどー」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「でも、むりしたらだめだよ。むりなくだよ」
「──…………」
うにゅほは、優しい。
だが、その優しさに甘えた結果がこれなのだ。
「ごめん、ちょっと無理するかも」
うにゅほが小さく眉をひそめる。
「むりするの……?」
「ちょっとだけ」
「ちょっとだけだよ」
「約束します」
「よろしい」
許可が下りた。
健康を害さないレベルで、無理のあるダイエットを行おう。

※1 2019年6月2日(日)参照

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2019
06.29

うにゅほとの生活2761

2019年6月29日(土)

天井に手のひらを向け、大きく伸びをする。
「──さーて、仕事すっか!」
「どようびなのに、しごとあるの?」
「昨日、量多かっただろ。面倒だったから、何件か今日に持ち越したんだよ」
「そなんだ……」
仕事の際は、iPhoneで音楽を聴くのが常だ。
音楽の有無で時間の流れ方がかなり違う。
枕元にあったiPhoneを拾い上げ、イヤホンを手に取ろうとして、
「……あれ?」
当のイヤホンがないことに気がついた。
「××、イヤホン知らない?」
「あかいやつ?」
「うん」
「わたし、さがすね」
うにゅほが座椅子から腰を上げる。
「ありがとな」
「うん」
うにゅほと共に、自室をくまなく探す。
ベッドサイド、デスク、冷蔵庫の上、本棚──
無意識にイヤホンを置きそうな場所を、重点的に潰していく。
だが、
「……××、あったー?」
「ない……」
「部屋じゃないのかな」
「そうかも」
「俺、仕事部屋探してくるよ」
「はーい」
自室を後にし、仕事部屋へ向かう。
そのまま仕事に取り掛かってしまえばいいのだが、ここまで来ると引き下がれない。
仕事机の周辺を重点的に捜索していると、階段を駆け下りる音がした。
「◯◯、あったー!」
イヤホンを掲げたうにゅほだった。
「おー、どこにあった?」
「うーと、えきたぶのうえ」
液タブ。
液晶タブレットのことだ。
「液タブって、ディスプレイの真ん前じゃ……」
「うん」
「マジか」
何度も探したはずだ。
何度も目に入れたはずだ。
それでも見つけることができなかったのは、意識の外側にあったからだろう。
「ま、いいや。ありがとな」
「いえいえー」
こうして、無事に仕事を終えることができた。
うにゅほのおかげである。

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2019
06.29

うにゅほとの生活2760

2019年6月28日(金)

「今日はパフェの日らしいぞ」
「ぱへのひ?」
相変わらず、"パフェ"と発音できないらしい。
「ごろあわせなのかな」
「語呂合わせではないんだけど、意外な理由」
「ほほう」
うにゅほが身を乗り出す。
「1950年のこの日、巨人の藤本英雄投手が、日本プロ野球史上初の完全試合を達成したらしい」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「べつのはなし?」
「いや、パフェの日の話」
「……?」
うにゅほは こんらんしている!
「完全試合は、パーフェクトゲームとも言う」
「うん」
「"パーフェクト"をフランス語で言い換えると、"パフェ"なんだ」
「へえー」
「だから、パフェの日」
「なるほどー」
うんうんと頷いたあと、うにゅほがはたと気づいた。
「やきゅうとぱへ、かんけいない……」
「だよな」
「ながされるとこだった」
「パフェの日を作りたいから、強引に理由を引っ張り出してきたんじゃないかとすら思える」
「あたらしいむりあるパターン」
「斬新だよな」
「おもしろい」
「ここまで無理にこじつけるなら、いっそ理由なんてないほうが潔い気がする」
「たしかに……」
6と28は完全数だという話もあるが、そちらはたまたまだろう。
無理のある記念日に関しては、今後もチェックしていく所存である。

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2019
06.28

うにゅほとの生活2759

2019年6月27日(木)

「あー……」
首を、大きく回す。
「なんか、凝ってる」
「かたこり?」
「首のほう」
「くびこり」
「首こりって言うのかなあ……」
言いそうでもあるし、言わなそうでもある。
微妙なラインだ。
「くびもむ?」
「揉んでくれるなら、ありがたく」
「じゃあ、もむね」
チェアに腰掛けなおし、うにゅほが首を揉みやすいように背を向ける。
「くび、どうもんだらいいかなあ」
「首の後ろに、二本の筋あるだろ」
「ある」
「そこを、両手の親指でお願いします」
「わかった」
うにゅほの小さな手のひらが、そっと首に回される。
「いくよー」
ぐい、ぐい。
二本の親指が、後頭部の下のあたりを優しく揉みほぐし──
「ぐ」
うにゅほの腕を、ぽんぽんと叩く。
「?」
「それ、首絞めてる……」
「あ」
親指以外の四指が、気道を軽く狭めていたのだった。
「ごめんなさい!」
「こう、指圧みたいな感じで……」
「こう?」
ぐい、ぐい。
「あー……」
「きもちい?」
「気持ちいい。もちょっと強くてもいいよ」
「はーい」
まさか、うにゅほに首を絞められるとは思わなかった。
貴重な体験である。

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2019
06.26

うにゅほとの生活2758

2019年6月26日(水)

Steamのサマーセールが始まった。
「なんか買おうかなあ……」
「ぱそこんのゲームかうの?」
「いま安いんだよ」
「へえー」
だが、積みゲーは無数にある。
いま買ったとして、まともにプレイするかどうか、自分にすらわからない。
「……買うとしても一本かな」
「どんなのあるの?」
興味津々といった様子で、うにゅほがディスプレイを覗き込む。
「あ、ぎゃくてんさいばんある」
「本当だ」
「でも、もってるもんね」
「DS版もあるし、Switchのも持ってるし」
雑談しながらページをスクロールしていく。
「えいごのゲームおおい……」
「これでも日本のゲーム増えたんだぞ。もともとアメリカのプラットフォームだし」
「あ、ひゅーまん、ふぉーる、ふらっとある」
「Switchの、ぜんぜん進めなかったな」
「むずかしかった……」
ふと目に留まったPUBGのページを開く。
「××、これ見覚えないか?」
「あ、どんかつのやつ!」
「そうそう」
「ゆーちゅーぶでみた」
「まあ、買わないんだけど」
「かわないんだ」
「FPS苦手なんだよな。見るのは好きだけど」
「そか……」
「あ、オクトパストラベラーじゃん。Steamで配信されたんだ」
「なんかみたことある」
「Switchで、買うか買わないか迷ってたからかな」
「あー」
「──って、値引きされてないや。なら急ぐ必要ないか」
「そだね」
「あとは──」
サマーセールのページを隅々まで見た結果、Muse Dashというキャラの可愛い音ゲーを購入した。
うにゅほと交代しながらプレイしたが、なかなか面白い。
しばらく遊べそうである。

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2019
06.25

うにゅほとの生活2757

2019年6月25日(火)

風呂上がりに窓際で涼んでいると、どこからか懐かしい音が鳴り響いた。
それは、リコーダーの音色だった。
「どっかで子供がリコーダーの練習してる」
「ほんとだ」
「ぶんぶんぶん、だな」
「ぶんぶんぶん、はちがとぶー」
運指が複雑になる"おいけのまわりに"の辺りからbpmが下がるのも可愛らしい。
「こうしてると、いろんな音が聞こえてくるな」
「うん」
まず意識にのぼるのは、断続的に響くゴルフの打球音だ。
ゴルフ練習場から程近い我が家では、実に聞き慣れた音である。
さらに集中すると、げこげことカエルの鳴き声が耳朶を打つ。
「かえるかな」
「虫の音も混じってる気がする」
「かわでないてるのかな」
「たぶん」
近場を流れる小川へ赴けば、きっと、大合唱が聞けるのだろう。
行く気はさらさらないが。
しばし夜の音に聞き入っていると、
「あ、ぼうそうぞくだ」
「暴走族だなあ……」
空吹かしの音が高らかに響き渡る。
やかましいことこの上ないが、風物詩と言えば言えなくもない。たぶん。
「……窓閉めるか」
湯冷めしてもつまらないし。
「わたし、ねるへやのしめてくるね」
「頼む」
手分けして自室の窓を閉め、しばらくのちのことだった。
「──あ、パトカーのおとする」
「誰か呼んだかな」
あるいは、単純に聞きつけたのかもしれない。
自分はここにいるのだと喧伝しているようなものだし。
「つかまるかなあ」
「捕まっても、またやるよ。正の方向で承認欲求を満たせないんだから」
「そか……」
暴走族なんて、どうだっていい。
卓上鏡を覗き込みながら、そろそろ床屋へ行くべきか悩む俺だった。

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2019
06.24

うにゅほとの生活2756

2019年6月24日(月)

「なんか、手が熱い……」
「てが」
「××、こっち来て」
「?」
手招きに応じ、うにゅほが隣へやってくる。
そして、俺の手を取り、指を絡ませた。
「ほんとだ、あつい」
「だろ」
「ねつあるのかな」
「熱はないと思う。風邪っぽくないし」
うにゅほが俺の首筋に鼻先を寄せる。
すんすん。
「かぜのにおい、しないね」
「手だけ熱いんだよ」
「へんなの」
「こうすると、もっと熱いぞ」
うにゅほの頬を、両手で包む。
だが、触れない。
僅か数ミリではあるが、手のひらとほっぺたのあいだに確かな距離を作る。
「……?」
小首をかしげたそうに、うにゅほが口を開く。
「さわんないの?」
「十秒待って」
「はい」
しばしして、
「──あつ!」
「熱いだろ」
「すーごいぽかぽかする……」
「触れるより、触れないほうが、なんか熱が伝わるんだよ」
「なんでだろ」
「さあー……」
理屈はよくわからない。
「◯◯、てーからなんかでてるきーする」
「気かな」
「き」
たぶん違う。
手が熱いと、どうにも落ち着かない。
たまにある症状なので、なんとかならないものか。

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2019
06.23

うにゅほとの生活2755

2019年6月23日(日)

今日の俺は肉食である。
「××、ステーキ食いに行こう!」
「いいねー」
「決まりだな」
手早く身支度を整え、家を出る。
「今朝から肉が食べたくて食べたくて仕方なくてさ」
「あさから?」
「起きた瞬間から」
「げんき……」
「生来、胃腸が丈夫なもので」
「にく、ダイエットにいいって、テレビでいってた」
「食べるプロテインみたいなもんだしな」
「とうしつないんだって」
「糖質はほとんどない。腹にも溜まるし、糖質制限するなら良いメニューじゃないかな」
「ごはんたのんだらだめだよ」
「頼みません」
行きつけのステーキハウスへ赴き、600gのステーキと、300gのヒレステーキを注文した。
「300gで大丈夫か?」
「だいじょぶ」
うにゅほは、普段、200gしか頼まないのだ。
「無理そうなら早めに言うこと」
「はーい」
本当に大丈夫かな。
密かに心配していたのだが、それは杞憂だった。
「はー……」
300gのヒレステーキをぺろりと平らげ、うにゅほが自分のおなかをさする。
「くったー、くったー」
「おなか、ぽっこりしてるぞ」
「うへー」
俺も、人のことは言えないけれど。
0.6kgの牛肉を摂取し、俺の"肉欲"はようやく治まった。
「──さて、これからどうするか」
「どっかいく?」
「走りながら考えよう」
「はーい」
結局、さしたる目的もなくヨドバシカメラへ寄り、店内を一時間ほどぶらついた。
すこしは腹ごなしになったかもしれない。

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2019
06.22

うにゅほとの生活2754

2019年6月22日(土)

「筋トレをするぞー!」
「きんとれ」
「最近、運動不足だったからな。天気が悪くてウォーキングも行けてないし」
「あめふりそうだと、いけないもんね」
「そうなんだよなあ」
傘くらい持っていけばいいのだが、そこまでするほどのことでもあるまい。
「その点、筋トレはいいぞ。部屋で今すぐできる」
「──…………」
うにゅほが、何故か、眉をひそめる。
「どした?」
「きーつけてね。◯◯、なにかはじめるとき、いきなり、すーごくやるから」
「……あー」
心当たりが多すぎる。
「ダイエットは、いきなり、なんにもたべなくなる」
「──…………」
「えあろばいくは、いきなり、ひゃっきろこいだりする」
「はい……」
「からだこわしたら、だめだよ」
「気をつけます……」
「よろしい」
イチかゼロかの極端な性格は、なんとかしなければならない気がする。
「きんとれ、なにするの?」
「器具がないから、自重トレーニングかな」
「じじゅう……」
「自分の重さと書いて、自重。腕立て伏せとかスクワットみたいなやつ」
「あー」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「うでたてふせ、おもいと、きつそう」
「俺と××だと、××のほうが負荷が軽いだろうな」
筋肉量も異なるから、こなせる回数と比例はしないけれど。
「まず、フロントブリッジから行くか」
「どんなの?」
「腕立て伏せのときみたいなポーズを一分間キープするやつ」
「たてふせしないの?」
「立て伏せしない。でも、きつい。やってみる?」
「みる」
そんな感じで、自重トレーニングを十五分ほどやってみた。
「──…………」
「──……」
フローリングに寝転がりながら、ふたり並んで天井を見上げる。
「けっこ、きつい……」
「そうだな……」
「でも、うんどうなるね」
「これくらいなら、頑張りすぎじゃないだろ?」
「うん」
無理なく肉体改造をしていこうと思う。

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2019
06.21

うにゅほとの生活2753

2019年6月21日(金)

「ね、ね」
PCに向かっていると、うにゅほが俺の肩にあごを乗せた。
「あした、げしだって」
「マジ?」
「まじ」
「そう言えば、六月も下旬だもんなあ……」
光陰矢の如しとはよく言ったものだ。
「昨夜、散歩に出たんだけどさ。深夜三時なのに、もう明るくなり始めてて──」
「えっ」
「どした」
「わたしいってない……」
あ、やべ。
いつだったか、深夜に外出するときは、うにゅほを起こす約束をしていたのだった。
「いや、さすがに、起こすのも悪いし……」
「──…………」
あぐあぐあぐ。
あごを肩に乗せたまま、うにゅほが大きく口を開閉する。
抗議行動であるらしい。
「……はい、次からはちゃんと起こします」
「よろしい」
"ちゃんと起こす"というより、"そもそも出掛けない"という選択になりそうだけど。
「さんじ、もうあかるいんだ」
「明るくはないかな。真っ暗闇じゃないってだけ」
「さんぽ、どのくらいしてたの?」
「四十分くらい。帰ってきたときには、空がだいぶ白んでた」
「よあけぜよ」
「ぜよ……」
坂本龍馬?
「あさのさんぽ、きもちよさそう」
「ちょっと肌寒かったかな」
「こんど、いっしょにしようね」
「了解」
早朝のウォーキングも悪くないかもしれない。

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