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2019
04.30

うにゅほとの生活2701

2019年4月30日(火)

「そーいや、今日、平成最後の日だな」
「!」
うにゅほが、はっと振り返る。
「そうだ……」
「そうだぞ」
忘れていたらしい。
「どうしよう、どうしよう」
わたわたと慌て始めたうにゅほに、素直な疑問をぶつける。
「なんで焦ってるの?」
「だって、へいせいおわっちゃう……」
「終わっちゃうな」
「れいわ、きちゃう」
「来ちゃうな」
「そうじとか、したほういいかなあ……」
「朝してただろ」
「おおそうじとか」
「あー」
理解する。
「××、大晦日の気分なんだろ」
「だって、へいせいおわっちゃうんだよ」
「うん」
「いちねん、いちねんしかないけど、へいせい、さんじゅうねんあったんだよ」
「……たしかに」
あまり意識はしていなかったが、言われてみればすごいことだ。
「やりのこしたこと、ないかなあ」
「やり残したこと……」
「◯◯、ない?」
しばし思案し、首を横に振る。
「思いつかない」
「えー……」
「そんな大仰に構える必要もないんじゃないか。平成だろうが令和だろうが、明日は来るんだから」
「そだけど」
「世界は、そんなに変わらないよ」
「そだけど……」
どうにも落ち着かないらしい。
「なんか食べにでも行く?」
「いく!」
「平成最後の外食だな」
「なにたべいく?」
「一昨日は甘いもの食べたから、いつものステーキハウスとか」
「いいねー」
変わり映えはしないが、それでいい。
日々は続いていくのだから。

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2019
04.29

うにゅほとの生活2700

2019年4月29日(月)

──カチカチカチカチカチカチカチカチッ

適当な動画を眺めながら、マウスの左ボタンをひたすら連打し続ける。
「?」
クリック音が気になったのか、うにゅほがディスプレイを覗き込んだ。
「なにしてるの?」
「……ゲーム?」
「ゲーム……」
うにゅほが小首をかしげる。
「ゲームってかんじ、あんましないねえ」
無理もない。
画面に表示されているのは、増え続ける数字とシンプルな図柄、そして四角いボタン程度のものなのだから。
「ジャンルとしては、クリッカーゲームってやつだな。放置ゲームとも言うけど」
「ほうちするの?」
「放置する」
「……ゲームなの?」
「ゲームなんだよ」
「……?」
あ、うにゅほが混乱している。
「クリッカーゲームは、クリックから始まる。クリックすると、数字が1増える」
「クリックしてないのに、すーごいふえてる」
「クリックして得たポイントで、自動でポイントを獲得してくれるアイテムを買うんだ」
「アイテム……」
「ポイントを更に溜めると、高効率のアイテムが次々現れる。そうすると、ポイントが爆発的に増え始める」
「いまみたいに?」
「この程度じゃ済まない。もっと、もっと、インフレし始める。そのインフレを楽しむゲームかな」
「クリック、いみないきーする」
「意味はあるよ。いま、クリック一回でポイントが500増えるアイテム買ったから」
「いんふれしてる……」
「まあ、ずっとはクリックし続けられないから、最終的には放置することになるんだけど」
「だから、ほうちゲーム?」
「その通り」
「へえー」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「なにもしないゲームって、すごいねえ」
「たしかに……」
それでいてゲームとして成立しているのだから、よく考えるととんでもない話だ。
クリッカーゲームを考え出した人は、天才なのかもしれない。

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2019
04.28

うにゅほとの生活2699

2019年4月28日(日)

せっかくのゴールデンウィーク、寝て過ごすのもつまらない。
そう思い立ち、洗面所で寝癖を整える。
「──…………」
整わない。
まあ、帽子で隠せばいいや。
「××」
「はーい」
「特に用事とかないけど、出掛けない?」
「どこいくの?」
「考えてない」
「いくー」
「東西南北、どれがいい?」
「うーと、ひがし」
「日、出ずる方角だな」
「うん」
「じゃ、なんとなく東に行ってみるか」
「おー!」
コンテカスタムに乗り込み、一路東へ。
「こっちのほう、なにあったっけ」
「最近行ってないけど、クレープ屋とか」
「いいね」
「寄ってく?」
「よってく」
久方ぶりのクレープ屋は、案の定混み合っていた。
二十分ほど待ち、塩キャラメルナッツクレープと、生チョコモンブランクレープを受け取る。
「おー……」
「相変わらず、こんもりしてるな」
五百円少々にも関わらず、とんでもないボリュームだ。
「たべきれるかな」
「前は食べ切れたんだから、大丈夫だろ」
「ふたくちあげるから、ひとくちちょうだいね」
「はいはい」
自信がないらしい。
クレープを胃に収めたあとは、ゲームセンターをはしごしてチョコボールを稼ぎ、喫茶店で軽食をとって帰途についた。
遠回りして立ち寄った桜並木は、まだ満開とは言い難い様相だった。
「さくら、さいてるねえ」
「ここ数日寒いからか、まだ蕾のが多いな」
「うん」
「満開まで、あとすこしか」
「たのしみ」
満開は、5月1日前後だったろうか。
晴れることを祈る。

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2019
04.27

うにゅほとの生活2698

2019年4月27日(土)

父親に勧められ、久し振りにワインを飲んだ。
「──……ふー」
たった一杯だけにも関わらず、脳内が甘く痺れている。
すこしだけ頭が重い。
まばたきの回数が増えた気がする。
端的に言えば、
「なんか、酔った……」
「はやい」
「毎日ワイン飲んでたときは、二杯飲んでも平気だったのに」
「さいきん、おさけ、のんでなかったもんね」
「弱くなったのかな」
「そうかも」
「あるいは、ダイエットで晩ごはん抜いたから」
「それかも……」
「××ー」
背中から覆いかぶさるようにして、うにゅほに抱き着く。
「はいはい」
「楢山節考」
「ならやま……?」
「姥捨山」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「……酔ってるな、俺」
「うん」
「膝枕してくれー」
「はいはい」
のそのそとベッドへ向かい、うにゅほのふとももに頭を乗せる。
「はー……」
ふにりとした肉の感触が、俺の意識を落ち着かせていく。
「ねる?」
「重いだろうし、悪いよ」
「さんじゅっぷんくらいなら、だいじょぶ」
「……なら、お願いしようかな」
「うん」
眼鏡を預け、目を閉じると、うにゅほの手のひらが目蓋を覆い隠した。
至れり尽くせりだ。
そのまま十五分ほど休息すると、いつしか酔いは覚めていた。
二日酔いの心配はなさそうである。

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2019
04.26

うにゅほとの生活2697

2019年4月26日(金)

「──ひッ、ぷし!」
口を押さえる手が間に合わず、唾液が飛散する。
「うー……」
「◯◯、かぜっぽい?」
「鼻風邪かも」
うにゅほにそう答え、鼻をかむ。
「きょう、さむいもんねえ……」
「ほんとな」
「わたし、あさ、さむくておきたもん」
「俺も……」
「なつぶとんにするの、はやかったかも……」
「そんなことないだろ。昨日までは暑いくらいだったんだし」
「そだけど」
「季節の変わり目だ、──ッきし!」
今度は右手が間に合った。
ティッシュで手のひらを拭いながら、言葉を継ぐ。
「季節の変わり目だから、しゃーない。どうしようもない」
「そか……」
「寒いし、ストーブつけよう」
そう告げたあと、気づく。
「……あー。灯油切れたんだった」
「エアコンにする?」
「そうだな」
ぴ。
エアコンの室内機が稼働し始める。
「あ、カバー」
「室外機のカバーなら、こないだ外しといた」
「さすが」
「もっと褒めてもいいぞ」
「えらい!」
「当然のことをしたまでですから」
「あ、くつしたはいたほういいとおもう」
「その言葉、そのままお返しします」
「わたしもはくから、◯◯もはこ」
「はーい」
「あと、ますくね」
「わかりました」
対処が早かったおかげか、鼻風邪程度で済みそうだ。
せっかくのゴールデンウィーク、病床に伏したまま過ごすのは虚しすぎるものな。

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2019
04.25

うにゅほとの生活2696

2019年4月25日(木)

映画「ドラえもん のび太の月面探査記」を観に行ってきた。
シネコンに足を踏み入れたとき、ふと違和感に気づく。
「──あれ、チケット売り場移動してる?」
「ほんとだ」
「カウンターがなくなって、券売機になってる……」
人件費削減だろうか。
二人分のチケットとポップコーンを購入し、シアタールームに入る。
「今年も貸し切りだな」
「うん!」
封切りから二ヶ月経った映画を、平日の午前中に観に来ているのだ。
当然と言えば当然である。
「……それにしてもでかいな、このポップコーン」
「でかい」
「去年も同じこと言ってた気がする」
「たべきれるかな……」
「大丈夫だろ」
NO MORE 映画泥棒が放映されたあと、東宝のロゴマークが輝いた。
「始まるぞ」
「……うん」
既にスクリーンに見入っているうにゅほにならい、俺も映画に集中することにした。

──二時間後、

「おもしろかった!」
「面白かったなー」
去年の「のびたの宝島」のように泣ける作品ではないが、爽やかな視聴後感で、非常に満足の行く一作だった。
「ここ数年の大長編、ハズレないよな」
「◯◯とみにきたの、ぜんぶおもしろい」
「ほんとほんと」
「らいねん、のびたのなにかなあ」
「予告で、恐竜出てたな」
「でてた」
「……まさか、のび太の恐竜の再リメイクとかないよな」
「さんかいめ?」
「三回目」
「ないとおもう……」
「だよなあ」
最近の大長編は、リメイクよりオリジナル作品のほうが面白い。
来年もオリジナルだと良いのだが。

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2019
04.24

うにゅほとの生活2695

2019年4月24日(水)

「あまぞんからなんかきたー」
「おー」
うにゅほからメール便の包みを受け取る。
「まんが?」
「漫画」
「なんだろ」
「新刊とか適当に予約注文してるから、それかな」
メール便を開封し、中身を取り出す。
「えーと、異世界おじさんの2巻と──」
「と?」
「異世界おじさんの2巻……」
「おなじの……」
やってしまった。
「……Amazon側の発注ミス、じゃ、ないよなあ」
一縷の望みをかけて、Amazonの注文履歴を確認する。
だが、
「はい、二回注文してました」
「やっぱし」
「本棚整理してから、やらかしてなかったんだけど……」
「にさつあるほん、けっこうある」
「あるな」
「みなみけじゅうさんかんとか」
「みなみけ14巻とか」
「あと、ゆるめいつごかんとか」
探せば十冊くらいはありそうだ。
「どうすっかなー。売りに行くのも面倒だし」
「あんましきにしなくていいとおもう」
「そうかな」
「おなじの、またかうとおもうし」
「──…………」
ずうん。
うにゅほの的確な指摘に、思わずうなだれる。
「あ、ちがくて!」
「……いや、違わない。たぶんまたやらかすから……」
「(弟)も、ワンパンマンのじゅうはちかん、にさつかってたし……」
「──…………」
「──……」
「……兄弟だなあ」
「ね」
予約注文をするときは、ちゃんと履歴を確認してからにしよう。

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2019
04.23

うにゅほとの生活2694

2019年4月23日(火)

YouTubeで動画を見ながらペンダントヘッドをいじっていると、

──ブチッ!

と、胸元で音がした。
「あ」
ペンダントヘッドが床に落ち、コトリと音を立てる。
チェーンが切れたのだ。
「?」
膝の上のうにゅほが、不思議そうに振り返る。
「なんか、おとした」
「チェーン切れた……」
「えっ」
首に引っ掛かっていたチェーンを外し、うにゅほに手渡す。
「ほんとだ……」
「……こんな急に切れるもんなんだな、チェーンって」
「えんぎわるいねえ……」
水晶石のペンダントヘッドを拾い上げ、シーリングライトに翳す。
「でも、切れたのが家でよかったよ。外だと、最悪、失くす可能性もあったんだし……」
「ほんとだね……」
このペンダントヘッドは、何年か前の誕生日に、うにゅほがプレゼントしてくれたものである。
肌身離さず愛用し、もはや体の一部と言って良いくらいの品物だ。
もし紛失したりすれば、一ヶ月は落ち込む自信がある。
「あたらしいチェーン、かわないと」
「いや、たしか予備が──」
引き出しを探る。
「あった!」
ビニール製の小袋から取り出したチェーンは、
「……なんか、ふとい?」
「太いな……」
いままで着けていたものより、ひとつひとつのコマが大きかった。
チェーンにペンダントヘッドを通し、首の後ろで留める。
「どうかな。ごつくない?」
「ごつい」
「ごついかー……」
「でも、へんではない」
「そう?」
「チェーンふといほう、きれないとおもうし……」
それはたしかに。
「まあ、ヘンじゃないなら、このままで行こうかな」
「うん」
もしものときのために、予備のチェーンを注文しておこう。
チェーンそのものは丈夫でも、留め具は壊れやすいのだし。

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2019
04.23

うにゅほとの生活2693

2019年4月22日(月)

近所のホームセンターで瞬間接着剤を購入し、帰宅後さっそくイヤホンを修繕する。
「くっついたかな」
「たぶん……」
「ひっぱっていい?」
「ダメ」
「だめかー……」
「完全に硬化しきったあとじゃないと」
「はがれたら、またくっつけないとだもんね」
「どのくらいで硬化するのかわからないけど、二、三時間は見ておきたい」
「しゅんかんなのに」
「余裕を持って、ですね」
「にさんじかんしたら、ひっぱっていい?」
「いいぞ」
「やた」
「それだけ待ってすぐ剥がれるようなら、強度に問題があるってことだもんな」
「うん。すぐこわれたら、いみない」
「ひとまず仕事しながら待つか」
「わたしも、そうじするね」
「お願いします」
「おねがいします」
互いに互いの仕事をこなしつつ、時間の経過を待つ。
しばしして、
「くっついたかな」
「そろそろいいかも」
「ひっぱっていい?」
「全力はダメだぞ」
「しないよー」
うにゅほが苦笑する。
「こわれてなくても、こわれちゃう……」
「××の腕力でも余裕だろうなあ」
「だから、ちょっとだけ──」
うにゅほが、イヤホンの本体とイヤーピースを掴み、ぐ、と力を込める。
「あ、くっついてる!」
幾度か引っ張るが、大丈夫そうだ。
「こわれたの、ほかにない?」
「ちょっとないかな」
「そか……」
「次また壊れたら、××に頼もう」
「うん!」
その笑顔のためだけに、またイヤホンを壊してもいいかなと思ってしまう俺なのだった。

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2019
04.22

うにゅほとの生活2692

2019年4月21日(日)

「──…………」
「──……」
デスクの上に、イヤホンがある。
右側の本体が、継ぎ目から真っ二つになっている。
「PHILIPSめ……」
まさか、一ヶ月半でこうなるとは。
「かったばっかしなのに……」
「本当だよ」
「こうかんできないの?」
「……保証書、捨てちゃった」
「──…………」
あ、呆れてる。
「ネット通販の返品交換って面倒で、つい……」
「あたらしいの、またかうの?」
「んー……」
銅線で辛うじて繋がっているイヤーピースを耳に挿入し、音楽ファイルを再生する。
「おと、なる?」
「音は鳴るみたい」
「みみ、すぐぬけそう……」
「しゃーない、瞬間接着剤でくっつけようか」
「おー!」
うにゅほは、この手の作業を見るのが好きである。
「くっつくかな」
「プラスチックだし、問題なくくっつくだろ」
言いながら、引き出しから瞬間接着剤を取り出そうと──
「あれ」
「?」
「接着剤、ないぞ」
「あったきーするけど……」
「俺も、買った覚えはあるんだけど」
だが、事実として、ない。
「せっちゃくざい、かいいく?」
「もう夜だしなあ」
「じゃあ、あした」
「明日にしましょう」
「そうしましょう」
結果として、何もしていない日記になってしまった。
まあいいや。

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