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2018
12.30

うにゅほとの生活2580

2018年12月30日(日)

カレンダーに視線を向ける。
「今年も、残り二日とないのか……」
「あと、さんじゅうじかんくらい」
「長かったような、短かったような、……短かったような」
「そかな」
「長かった?」
うにゅほが無言で頷く。
「ジャネーの法則ってやつだな」
「じゃねー……」
「主観的な時間の長さは、子供ほどより長く、年を取るほど短く感じられるって法則のこと」
「そなの?」
「五歳の幼児にとっての一年は、その生涯の五分の一だろ」
「うん」
「五十歳の人にとっての一年は、当然、五十分の一となる」
「なる」
「短く感じるのも無理からぬ話だろ」
「りかいしました」
「理解しましたか」
「はい」
急に敬語。
「りかいしたので、おおそうじしませんか」
「しません」
「しませんか……」
「俺、××と約束したから。大晦日までは、絶対に、大掃除しないんだって……」※1
「したけど」
「××との約束は、絶対に守る!」
「ほんとは?」
「めんどくさい」
「やっぱし」
「でも、約束を守るのは本当だぞ。本当だから、明日はちゃんとやる」
「ならいいけど……」
「部屋を清めて、さっぱりした気持ちで新年を迎えたいしな」
「うん、そだね」
「明るいうちに大掃除済ませて、ガキの使いで年越しだ!」
「たのしみ」
平成最後の大晦日だ。
爽やかな気分で新年を迎えよう。

※1 2018年12月20日(木)参照

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2018
12.29

うにゅほとの生活2579

2018年12月29日(土)

部屋の大掃除の前に、HDDの大掃除をすることにした。
「"ダウンロード"フォルダがえらいことになってる……」
フォルダとファイル合わせてアイコンが542個ともなれば、どれだけ整理していなかったか察せようというものである。
「?」
俺の独り言が気になったのか、うにゅほのディスプレイを覗き込もうとする。
「××、ストップ」
「はい」
ここで素直に止まるのが、うにゅほの良いところだ。
「いま、見られたくない作業してるから」
「えっちなの?」
「──…………」
「──……」
「含む!」
「そかー」
すべてを受け入れる笑みを浮かべ、うにゅほが座椅子へ戻っていく。
「さて、と」
png、jpg、pdf、doc、txt、xls──さまざまな形式のファイルを選り分け、分類する。
"ダウンロード"フォルダを整理したあとは、不要なメモの削除だ。
俺は、タスクトレイ常駐型のメモソフトを愛用している。
気軽に書き込むことができるためか、まったく記憶にないものも少なくない。
「ほんと、わけわからんメモ多いなあ」
「えっちなの、おわった?」
「終わった」
「みていい?」
「いいよ」
うにゅほが画面を覗き込む。
「きゅうひゃくろくじゅうに、ひゃくさんじゅういち、にひゃくさんじゅうきゅう、ろくじゅういち……」
「なんだろうな、この数字」
「わからん」
逆に、わかったら驚く。
「はんなりみんちょう、らてご」
「それは、フリーの日本語フォントだな。なんでメモしてあるのか知らんけど」
「へえー」
「シャクターの情動二要因理論……」
「なにそれ」
「なんだっけ」
しばらくのあいだ、意味のわからないメモ書きを、うにゅほと削除して回るのだった。

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2018
12.28

うにゅほとの生活2578

2018年12月28日(金)

「──…………」
ぼー。
漫画を開いたまま、心ここにあらずといった様子で、うにゅほが虚空を見つめていた。
「××、××」
「!」
うにゅほが我を取り戻す。
「いま、なに考えてた?」
「クロノトリガーのことかんがえてた」
「やっぱり」
つい先程、Steam版のクロノトリガーをクリアしたばかりなのだった。
「面白かっただろ」
「おもしろかった……」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「◯◯がくれたでぃーえすの、やればよかった」
「人のプレイを見るのも面白いけど、ゲームは自分でプレイしてなんぼだからな」
しばし思案し、うにゅほが口を開く。
「……でも、やっぱし、わたしにはむずかしかったきーする」
「小学生の俺でもできたんだから、レベルさえ上げればなんとでもなると思うけど」
「わたし、とろいから……」
「そんなこと──」
うにゅほとの様々な思い出が脳裏を錯綜し、
「……ないぞ?」
思わず語尾を上げてしまった。
「◯◯、わかりやすい」
「すみません」
「えっちぴーいちにされるのとか、あわあわしてしんじゃうとおもう」
「あー」
ジールのハレーションを初めて食らったときは、俺もそんな感じだった気がする。
「まあ、死んで覚えるのがゲームの基本だったりするから」
「そなの?」
「マリオだってそうだろ」
「そうかも……」
「××、初代マリオ、クリアできたんだっけ」
「わーぷしたら、ごめんまでいけた」
「おー」
4-2にもワープ土管があることは秘密にしておこう。
「××にもできそうな面白いゲーム見つけたら、また教えるよ」
「うん、たのしみ」
星のカービィとかだろうか。
ウルトラスーパーデラックス、まだ売ってるかなあ。

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2018
12.27

うにゅほとの生活2577

2018年12月27日(木)

「……なんか、すこし息苦しいな」
「──…………」
うにゅほが小さく深呼吸をする。
「そうかも……」
「換気するか」
「うん」
手分けして南東と南西の窓を開く。
晴れていたおかげか、凍りついていた窓枠も、難なく剥がすことができた。
冷え切った風が汚れた空気を押し出していく。
「ふひー……」
寒い。
寒いが、新鮮な空気が肺に心地よい。
「たまに換気しないとなあ……」
「ほんとだね」
「××、寒いから二人羽織するぞ」
「はーい」
うにゅほを半纏に招き入れ、よたよたと座椅子に腰を下ろす。
「換気って、どのくらいすればいいんだろう」
「しらべる?」
「××、スマホで調べてくれ」
「わかった」
うにゅほが自分のiPhoneを拾い上げ、Safariを開く。
「なんてしらべたらいい?」
「うーん、"換気"、"時間"あたりで」
「わかった」
フリック入力で多少もたつくものの、うにゅほとてこれくらいの調べ物はできる。
「わ、ごふんだって」
「五分でいいの?」
「うん」
意外だ。
三十分くらいは必要だと思っていたのだが。
「でも、いちにちにかいだって」
「二回も……」
極寒の地である北海道において、一日に二度も窓を開けるのは少々つらいものがある。
汚れた空気と共に、暖かい空気も押し流されてしまうからだ。
「……二回は、まあ、目標として、まずは一日一回換気することにしよう」
「さむいもんね……」
「あと、吹雪の日とかは我慢」
「うん」
シックハウス症候群なんてものもあるから、気をつけねば。

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2018
12.26

うにゅほとの生活2576

2018年12月26日(水)

Steamで積んでいたクロノトリガーを始めた。
「──…………」
じ。
膝の上のうにゅほが、画面に見入っている。
「これ、みらい?」
「未来」
「はー……」
「この未来を変えるために、クロノたちが頑張るんだよ」
「──…………」
「面白い?」
「おもしろい……」
以前、うにゅほに、DSのクロノトリガーをプレゼントしたことがあった。※1
そのときは、最初の中世で早々とプレイしなくなってしまったのだ。
自分がプレイするより、人のプレイを横から見るほうが性に合っているらしい。
「クロノトリガーは、SFCで一、ニを争うくらい面白いRPGだからな。いまでも色褪せない」
「おもしろいソフト、ほかにもあるの?」
「あるぞ」
「そっちもみたいな」
「……ちょっと難しいかな」
「そなの?」
「Steamで配信されてるクロノトリガーが、むしろ特別なんだ。他のは、SFCの実機がないと」
「あー」
「天地創造、またやりたいなあ……」
「どんなソフト?」
「地球空洞説って知ってる?」
うにゅほがふるふると首を横に振る。
「地球の内部が、実は空洞になっていて、そこには別の世界が広がっているって考え方」
「!」
「もちろん、地球が円盤みたいに平面で、四頭の象の上に乗っているなんてのと同じ、いまは否定された説だよ」
「あ、そか……」
「主人公は、その空洞──通称"地裏"に住む少年で、とある事情から、滅びた地表の大陸を復活させていくんだ」
「うん」
「下手すると、クロノトリガーより好きなゲームかもしれない……」
「きになる」
「今度、プレイ動画でも探してみようか」
「うん」
ともあれ、いまはクロノトリガーだ。
感動させてやろうじゃないか。

※1 2014年12月25日(木)参照

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2018
12.25

うにゅほとの生活2575

2018年12月25日(火)

静かな室内に、耳掛けイヤホンから漏れた音楽がかすかに流れている。
「♪」
うにゅほが、目を閉じながら、サカナクションのベストアルバムに聞き入っているのだ。
「××ー」
「──…………」
「××?」
「──…………」
あ、聞こえてない。
「××」
ぷに。
「!」
ほっぺたをつついてやると、うにゅほが驚きに目を見開いた。
左耳のイヤホンを外し、尋ねる。
「どしたの?」
「なんでもない」
「なんでもないの」
「いや、なんでもある」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「××、どの曲が好きなのかなって」
「どのきょくかなあ……」
反対側に首をかしげながら、うにゅほが思案する。
「うーと、なんぷんかごにゆき、のやつとか」
「……どれ?」
「タイトルわかんない……」
「歌ってみて」
「えー」
「鼻歌でいいから」
「うん……」
うにゅほが、恥ずかしそうに鼻歌を披露する。
「あ、あったあった。そんな曲あった」
「タイトルわかる?」
「わからん」
「なんてきょくだっけ……」
「ちょい待ち」
キーボードを叩き、歌詞で検索する。
「Disk1の二曲目、"夜の踊り子"って曲だ」
「おー」
「覚えた?」
「おぼえた!」
「今度カラオケ行ったとき、期待してるから」
「えー!」
「××の歌声、聞きたいな」
「うー……」
俄然、ふたりカラオケが楽しみになる俺なのだった。

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2018
12.24

うにゅほとの生活2574

2018年12月24日(月)

クリスマスイヴである。
「はー、食った食った」
「くったー」
夕食のあとにケーキをたいらげ、満腹の胃袋を抱えたまま自室へ戻る。
「ぎんがてつどうのよる、みるの?」
「見るぞ」
クリスマスイヴの夜、ふたりで劇場版・銀河鉄道の夜のDVDを観る。
儀式のようなものだ。
「でも、その前に──」
「?」
デスクの引き出しを開き、包みを取り出す。
「メリークリスマス!」
「わ」
「クリスマスプレゼント。明日の朝にしようかとも思ったんだけど、忘れたら困るから」
「あけたい!」
「どうぞ」
うにゅほが、破れないよう慎重に紙袋を開いていく。
中身は、
「……さかなずかん?」
「図鑑みたいだけど、図鑑じゃないぞ」
「ずかんじゃないの?」
「サカナクションのベストアルバム」
「!」
うにゅほが目をまるくする。
「最近、お気に入りみたいだからさ」
「うん!」
うにゅほが音楽に興味を示すなんて珍しいから、覚えておいたのだ。
「ほら、××のスマホ貸しな。全曲入れるから」
「すまほ……」
うにゅほが、専用の座椅子の脇からiPhoneを拾い上げる。
「あ、でんちない」
「こら」
「うへー……」
「音楽プレイヤーとしてでいいから、充電は欠かさないように」
「はい」
「あ、使ってないイヤホン貸そうか」
「うん!」
二枚組のCDをPCにインポートし、iPhoneに転送したのち、うにゅほを膝に乗せて銀河鉄道の夜を観賞した。
来年のイヴも、ふたりで迎えられますように。

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2018
12.23

うにゅほとの生活2573

2018年12月23日(日)

近所の1000円カットで散髪をして帰宅した。
「ただいまー」
階段を駆け下りる音と共に、
「おか──」
うにゅほが俺の頭部を指差した。
「ぼうずだ!」
海坊主の陸版かな。
「ぼうず、しないんじゃなかったの?」
「いやー……」
丸めた頭を撫でながら、口を開く。
「……すげえ下手な人に当たっちゃって」
「あー……」
すべてを察した表情で、うにゅほが頷く。
「ぼうずにするしかなかったんだ……」
「そう」
「さむくない?」
「寒い」
真冬に丸坊主は、ちとつらい。
「返金するって言われたけど、断ったよ」
「そか」
外套のポケットから缶ココアを取り出し、うにゅほに手渡す。
「ほら、これ。冷たいけど」
「?」
「帰り際に押し付けられた。よほど悪いと思ったらしい」
「そなんだ……」
「べつに怒ってないんだけどな。最悪坊主にすればいいって腹積もりだから、たまたまその最悪を引いただけだし」
「でも、おこるひともいるから……」
「接客業は大変だよなあ」
「そだねえ」
うんうんと頷き合いながら、自室へ戻る。
「──…………」
すると、階段の途中でうにゅほが立ち止まった。
「……なでていい?」
「部屋に戻ってからな」
「♪」
さんざん頭を撫でられまくる俺なのだった。
うにゅほが気に入ってくれるなら、なんだっていいけれど。

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2018
12.22

うにゅほとの生活2572

2018年12月22日(土)

「××」
「?」
「すげえどうでもいいこと言っていい?」
「うん、いいよ」
「俺、紅白歌合戦って見たことないかも」
「おおみそかのやつ?」
「そう」
「わたしもみたことない……」
「うちでは、大晦日と言えばガキの使いだもんな」
「うん」
うにゅほが家に来てからは、毎年そうだ。
「歌合戦と言うからには、勝負だと思うんだよ」
「しんさいんとか、いるらしい」
「あー、たまに聞くな」
「あと、あかがおんなのひとで、しろがおとこのひとだって」
「××、よく知ってるな……」
「うへー」
「で、なにを審査するんだろう」
「うーと、うたのうまさ、とか?」
「上手さを比べるなら、同じ曲を歌わないとフェアじゃなくない?」
「あ、そか」
「でも、"どっちがいい曲か"なんて、単なる個人の好みだし……」
「いわれたら、よくわかんないかも」
「だよな」
「ことし、こうはくみるの?」
「見ないけど……」
「みないんだ」
「だって、ガキの使い見たいし」
「わたしも」
「な、すげえどうでもいいことだったろ」
「でも、ちょっときになるねえ」
「見るの?」
「みないけど……」
「ちょっと気になるけど、ちょっとしか気にならないよな」
「そんなかんじ」
「まあ、CMのときとかチャンネル変えてみるか」
「そだね」
大晦日には忘れている気がしないでもない。

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2018
12.21

うにゅほとの生活2571

2018年12月21日(金)

Amazonから荷物が届いた。
ダンボール箱を開き、長さ五十センチほどの長細い箱を取り出す。
「××、これなんだと思う?」
「なんだろ」
「ヒント、俺が欲しがっていたものです」
「◯◯、なにほしかったの?」
「それ答えだろ」
「うへー……」
「では、開けてみましょう」
箱を開き、中身を取り出す。
丸められたそれを広げると、九十センチ×四十センチの分厚いシートのようなものだった。
「……?」
うにゅほが小首をかしげる。
「これ、なんだと思う?」
「なんか、あしのしたにしくやつ?」
「ブー」
「わかんない……」
「マウスパッドです」
「まうすぱっど」
「マウスパッド」
「……え、まうすぱっど?」
「マウスパッドです」
「まうすのしたにしくやつ?」
「そう」
「でか!」
うにゅほが目をまるくする。
「なるべく大きいのが欲しいなって探したら、すげえ大きいの見つけてさ」
「おおきすぎる……」
「敷くの手伝ってくれるか」
「うん」
うにゅほと手分けしてデスクの上を片付け、ちょっとした玄関マットほどの大きさのマウスパッドを設置する。
「──よし、計算通りギリギリ敷けたな」
「はかってたんだ」
「まあね」
マウスパッドの上で、ワイヤレスマウスを滑らせる。
「うん、感度良好」
「よかった」
「四千円出した甲斐がある」
「たか──い、の、かなあ……」
「マウスパッドとしては高いけど、サイズ換算だと……」
「よくわかんないね」
巨大マウスパッド、思った以上に快適である。
良い買い物をした。

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