FC2ブログ
2018
07.31

うにゅほとの生活2430

2018年7月31日(火)

「──……ひいッ、ふ、ひ……」
ホームセンターで購入したペプシのダンボール箱を玄関に積み上げていく。
本日の最高気温、33℃。
一歩ごとに汗が吹き出る。
くらくらとめまいがする。
買いに行くのが面倒だからって、三箱も一気に買うんじゃなかった。
「◯◯、だいじょぶ……?」
「大丈夫……」
ぜんぜん大丈夫じゃない口調で答え、最後の一箱から手を離す。
「ほら、家のなかに入れば、陽射しが──」
陽射しはない。
だが、異常なほど蒸し暑かった。
「──…………」
「……だいじょぶ?」
「××さん」
「はい」
「部屋のエアコンつけてきて」
「わかった!」
うにゅほが階段を駆け上がっていく。
嗚呼。
この暑さのなか、単純計算で12kgはあるダンボール箱を抱えて、階段を三往復しなければならないのか。
しかし、玄関に捨て置くわけにも行かない。
全身に汗を滲ませながら、すべてのダンボール箱を自室へ運び込む。
「──……ッ、はー……!」
「おつかれさま……」
ぼすんとベッドに倒れ込むと、うにゅほが背中を撫でてくれた。
「ペプシ飲みたい……」
「ひえたの、あったっけ」
「……ない」
無くなったから買いに出たのだ。
「みずじゃだめ?」
「水でもいい……」
「じゃあ、こおりいれて、もってくるね」
「お願いします……」
次買うときは、二箱までにしよう。
俺は、そう誓うのだった。

スポンサーサイト
Comment:0  Trackback:0
2018
07.30

うにゅほとの生活2429

2018年7月30日(月)

「──…………」
うと、うと。
マウスを握ったまま船を漕ぐ。
「えい」
ぺし。
「んが」
頭頂部への一撃で目を覚ました。
「ねるならねるで、ちゃんとねましょう」
「はい……」
ふらふらとベッドへ向かう。
「……◯◯、ぐあいわるい?」
「具合が悪いというか、ただただ眠くてだるい……」
「んー」
ぎゅ。
うにゅほが俺に抱き着き、胸元に鼻を埋める。
「どう?」
「あせくさい」
「それは、まあ、仕方ない」
「かぜのにおい、しないねえ」
「しないか」
「うん」
うにゅほ曰く、風邪を引いたときは「かぜのにおい」がするらしい。
「じゃあ、夏バテかもしれないなあ……」
「なつばて」
「今日も真夏日だっけ」
「うん」
「自律神経おかしくなりますよ……」
ばふ。
ベッドに倒れ込む。
「せめて、蒸し暑くさえなければなあ……」
「エアコン、じょしつにする?」
「うん」
冷房では冷えすぎる。
だから、こんなにもだるいのかもしれない。
「じゃあ、仕事来たら起こして……」
「はーい」
やりたいことも、やらなければならないことも、たくさんある。
もどかしさを感じながら惰眠を貪る一日だった。

Comment:0  Trackback:0
2018
07.29

うにゅほとの生活2428

2018年7月29日(日)

「♪」
浴衣に合わせて髪をまとめたうにゅほが、俺の前でくるりと回ってみせた。
「にあう?」
「ブラーヴォー……!」
ぱちぱちと大仰に拍手を送る。
なかば照れ隠しだ。
「うへー」
うにゅほがてれりと目を伏せる。
可愛い。
「さ、年に一度の夏祭りだ。行こう」
「うん!」
差し出した手を、うにゅほが握る。
恋人同士に見えるだろうか。
「……まあ、所詮は町内会の祭りだから、出店も大したものはないんだけどさ」
「うーと、やきとりでしょ」
「焼きそば」
「くじもある」
「あとで引いてみようか」
「うん」
「おでん」
「うどん」
「オディロン・ルドン」
「……?」
うにゅほが小首をかしげる。
「いや、なんでもない」
そんな会話を交わしながら、家の前の公園へ繰り出した。
晴れたはいいが、死ぬほど暑い。
買ったばかりのかき氷が溶けてしまう前に、エアコンのきいた自室へと駆け戻る。
「すぶふぃー……」
「文明の利器、万歳……」
「ねー」
「かき氷食べるか」
「うん」
自分の部屋に浴衣姿の女の子がいるのって、なんだか非日常感があって胸が躍る。
「××、舌、べーしてみ」
「れー」
言われるがまま、うにゅほが舌を出す。
「メロン味なのに、緑色になってないなあ……」
「◯◯は?」
「べー」
「あおくなってない」
最近の着色料は、舌に色が残らないのだろうか。
「──…………」
「──……」
かき氷を食べたあとは、ふたり寄り添い、祭りの喧騒を遠くから楽しんだ。
夏が、半分終わってしまった。
もう半分も、一緒に過ごすのだ。

Comment:0  Trackback:0
2018
07.28

うにゅほとの生活2427

2018年7月28日(土)

休日である。
休むのである。
「ふひー……」
ベッドの上でごろごろしていたうにゅほが、呟くように口を開いた。
「きょう、かぜつよくていいねえ……」
「陽射しは強いけど、これなら我慢できるな」
「うん」
両親の寝室から入り込んだ風が、廊下を吹き渡り、俺たちの部屋の窓から抜け出ていく。
エアコンとはまた違う、自然の涼しさだ。
「ちょっとだけ贅沢言うなら、風が強すぎるかなあ……」
「そかな」
「なんか、どっかギシギシ言って──」

──ガタン!

「わ」
両親の寝室から物音が響いた。
慌てて行ってみると、寝室の網戸が外れていた。
カーテンのはためきが網戸を揺らし、やがて立て付けが限界を迎えたのだろう。
「……柵がなかったら、下に落ちてたな」
「あぶない……」
網戸を直しながら、家の前の公園を見下ろす。
「そう言えば、明日は夏祭りだっけ」
「うん」
町内会の人々が、公園の中心にやぐらを立てている。
「××、明日は浴衣着る?」
「んー」
「着ない?」
「わかんない」
「着て」
「きる」
即答である。
「おかあさんに、ゆかた、だしてもらわないと」
「楽しみだなあ」
「うへー……」
明日、晴れるといいのだが。

Comment:0  Trackback:0
2018
07.27

うにゅほとの生活2426

2018年7月27日(金)

「はー……」
ごろんごろん。
「今日は涼しいなあ……」
「ねー」
「どうしてこんなに涼しいのかな」
「エアコンつけてるから」
「真夏日だからな……」
「うん……」
外の気温は31℃。
おまけに無風ときたものだ。
「あのさ」
「?」
「俺たち、一昨年までエアコンなしで過ごしてきたはずだよな」
「うん」
「……正直、信じられない気分」
「わかる……」
毎年、どうやって夏を乗り切ってきたんだっけ。
「──…………」
「──……」
「エアコン、切ってみる?」
「ちょっとだけ……」
ぴ。
エアコンが、稼働を止める。
「──…………」
「──……」
じりじり。
「……暑くなってきた」
「うん……」
「窓開けるか」
「あけましょう」
がらがら。
むわっ!
「うッ」
嫌というほど熱された空気が、冷えた空気を押し出しにかかる。
「──…………」
がらがら、ぴしゃっ!
ぴ。
ごー……。
「今日は涼しいなあ……」
「ねー」
なかったことにした。

Comment:0  Trackback:0
2018
07.26

うにゅほとの生活2425

2018年7月26日(木)

一仕事終えて自室へ戻ると、網戸の汚れが気になった。
「なんだ、この白いの……」
「ひ」
うにゅほが引き攣った声を上げる。
「どした?」
うにゅほの視線を辿ると、
「……ワーオ」
大きめの蜘蛛が、立派な巣を張っていた。
「さっきまでなかったのに」
「どうしよう……」
「あんまり触りたくないなあ……」
「でも、まどあけれない」
「うん……」
大きさからして網戸を抜けてくることはないと思うが、あまり気分の良いものでもない。
「きんちょーる、する?」
「キンチョールで死ぬかなあ」
「いつかは……」
「まあ、放置するわけにもいかないし、噴霧してみるか」
「うん」
「では、キンチョールを持てい!」
「はーい」
とてとてと廊下に出たうにゅほが、キンチョールを手に戻ってくる。
「せんせい、おねがいします」
「うむ」
窓を開き、網戸越しに照準を合わせる。
「ファイア!」
ぷしゅー。
「しぬかな」
ぷしゅー。
「あ、ばたばたしてる」
ぷしゅー。
「うえにげてく……」
「屋根の上まで行ったみたいだな」
「しんだかな」
「わからん、けど──」
「けど?」
「……いずれにしても、この巣は撤去しないとなあ」
「うん……」
よりにもよって、随分と豪奢な巣を張ってくれたものだ。
面倒だ。
巣の撤去は、明日の自分に丸投げすることにしよう。

Comment:0  Trackback:0
2018
07.25

うにゅほとの生活2424

2018年7月25日(水)

「××さん、××さん」
「?」
今週のジャンプを最初から読み直していたうにゅほが、顔を上げる。
「さて、今日は何の日でしょう!」
「あ、なんのひしりーずだ」
「はい」
「にっき、かくことないんだ」
「はい……」
図星である。
「でも、7月25日の語呂合わせは、ちょっと当たらないと思う」
「むりあるの?」
「無理があるというか……」
「こたえ!」
「かき氷の日、だって」
「かきごおり……」
「はい」
「かーも、きーも、ないきーする」
「かき氷って、昔、夏氷って名前だったんだってさ」
「なな、つー、ごー?」
「そうそう」
「これ、わかんないねえ……」
「だろ」
「ほか、なんのひ?」
「えーと、最高気温記念日ってのがある」
「さいこうきおん」
「1933年7月25日に山形県山形市で、最高気温40.8℃を記録──だって」
「あれ?」
うにゅほが小首をかしげる。
「どした」
「こないだ、どっかで、よんじゅういちどいってたきーする……」
「そういえば」
調べてみると、7月23日に、埼玉県熊谷市で41.1℃を記録していた。
「さいこうきおんきねんび、かわるのかなあ」
「2007年に40.9℃出てるけど記念日は変わってないから、たぶんそのままじゃないかな」
「そか」
今年の猛暑は災害レベルなのだと、どこかで耳にした覚えがある。
読者諸兄も熱中症には重々気をつけるように。

Comment:0  Trackback:0
2018
07.24

うにゅほとの生活2423

2018年7月24日(火)

「◯◯、◯◯」
「んー?」
「あまぞん、なんかきたよ」
うにゅほからメール便の包みを受け取る。
「なんだろ」
何か頼んでたっけ。
「ほんかな」
「サイズ的にはそれっぽいけど……」
まあ、開ければわかるか。
「──開封!」
すると、
「はさみ……?」
それは、チタンコーティングのハサミだった。
「あー、思い出した思い出した。プライムデーのときに買ったんだ」
「ぷらいむでー」
「Amazonの、なんかいろいろ安い日」
「そなんだ」
「前のハサミ、無理に鉄切ろうとしてボロボロになっちゃったから」
「がたがただもんねえ」
我が事ながら、何をしているんだか。
「あたらしいはさみ、しゅってしてかっこいいね」
「チタンコーティングだから、刃も黒いしな」
「ちたんて、くろいの?」
「わからんけど、黒いイメージがある」
「なんかきってみよう」
「鉄?」
「ちたん、てつきれる?」
「チタン以前に紙用だから、無理だと思う」
「まえのはさみ、かみようじゃなかったの?」
「紙以外にもいろいろ切れるって触れ込みではあった」
「てつは、だめだったんだね」
「鉄だからなあ……」
「じゃあ、かみきってみる?」
「柔らかくて意外と切りにくいティッシュで試してみよう」
ティッシュを手に取り、刃を入れる。
スパッ!
「きれた!」
「おー、これはなかなか」
「ちたん、すごいね!」
「チタンだからな」
うにゅほの、チタンへの信頼度が3上がった!
上がったところで何がどうなるのかは、よくわからないが。

Comment:0  Trackback:0
2018
07.23

うにゅほとの生活2422

2018年7月23日(月)

「××さん」
「?」
「お願いがあります」
「なにー?」
「今日は、これを穿いてくださいませんか」
うにゅほに、恭しく、あるものを差し出す。
「ホットパンツだ」
「ホットパンツです」
「いいよ!」
「ありがたき幸せ」
「はくのいいけど、どしたの?」
「今年、まだ、穿いてなかったじゃないですか」
「うん」
「──…………」
「──……」
「俺、××のホットパンツ姿、好きなんだ……」
「……うへー」
うにゅほが、自分のほっぺたを両手で包む。
照れているらしい。
「じゃあ、きがえるね」
「お願いします」

数分後、
「はきました」
「おお……」
すらりとした細い足が、ホットパンツの裾から伸びている。
「にあう?」
「たいへん似合います」
「うへー」
「××さん」
「?」
「重ねてお願いがあります」
「なにー?」
「そのまま膝枕をしてほしいのですが……」
「ひざまくら」
「膝枕です」
「いいよ!」
「ありがたき幸せ……」
このノリで頼んだら、なんでもしてくれそうで怖い。
うにゅほの生足膝枕は、極楽浄土浄穢不二でした。
満足。

Comment:0  Trackback:0
2018
07.22

うにゅほとの生活2421

2018年7月22日(日)

「◯◯、◯◯」
「んー?」
涼しい自室でくつろいでいると、乾いた洗濯物を手にうにゅほが戻ってきた。
「ここ、じんべのおしりんとこ、やぶけてる……」
「あー」
本当だ。
尻のあたりの縫い目がほつれ、見事にぱっくり開いていた。
「めんどくさいけど、繕っとくか……」
最寄りのコンビニ程度なら甚平のまま行くのだし、これではさすがにみっともない。
デスクの引き出しから、ソーイングセットを取り出す。
「ね」
うにゅほが、自分を指差して言った。
「わたし、やっていい?」
「やってくれるなら嬉しいなあ」
めんどいし。
「やります!」
「では、お願いします」
「はい」
うにゅほにソーイングセットを手渡す。
「やり方、わかる?」
「たぶん……」
ボタン付けはできたはずだが、繕い物はどうだったろう。
「××、針に糸通しといて。俺は、ほつれた糸を切っとくから」
「うん」
繕い物の邪魔になる糸束を糸切りバサミでザクザク切り落としていると、
「あれ、いととおしない……」
「あっ」
思い出した。
iPhone用のケースにストラップの紐を通そうとして、壊してしまったままだった。※1
「……糸通しなしで、針に糸通せる?」
「やってみる」
俺、苦手なんだよなあ。
「できた!」
「はや」
うにゅほは、基本的に小器用である。
「じゃあ、言うとおりに縫っていってな」
「はい」
「まず、縫い目を合わせて、待ち針で──」

しばしして、
「──できたー!」
うにゅほが、甚平の下衣を頭上に掲げた。
少々不格好ではあるものの、破れ目はしっかりと縫い合わされている。
「うん、綺麗にできたな。ありがとう」
うにゅほの頭を撫でてやる。
「うへえー……」
満足げだ。
「今度破れたら、また頼もうかな」
「おまかせください」
「お任せします」
「うん!」
うにゅほの家事スキルが、どんどん育っていく。
末恐ろしい。

※1 2017年4月10日(月)参照

Comment:0  Trackback:0
back-to-top