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2018
03.31

うにゅほとの生活2308

2018年3月31日(土)

「……あれ?」
仕事中、急にイヤホンから音が出なくなった。
iPhone7用のヘッドホンジャックアダプタを軽く曲げると、音が出始める。
伸ばすと、また止まる。
「アダプタ壊れたかもしれん……」
「あだぷた?」
「これ」
iPhone7とイヤホンを繋げる短いコードを指で示す。
「あ、これかー」
うにゅほがうんうんと頷く。
「なんか、壊れたっぽい。付け根で断線したかも」
「◯◯、よびかうっていってたきーする」
「買った」
「かっといてよかったねえ」
「……それが、そうも言えなくてな」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「このアダプタだと、充電しながら音楽聴けないだろ」
「そだね」
「だから、充電も同時にできるアダプタを買ったんだ。穴がふたつあるやつ」
「そなんだ」
「二日で壊れた」
「!」
うにゅほが目をまるくする。
「××も知らなかったろ。速攻で壊れたから」
「しらなかった……」
安物買いの銭失いを地で行って気恥ずかしかったため、うにゅほには内緒にしていたのだった。
「やっぱ純正だな、純正。純正を買おう」
「じゅんせいのやつ、じゅうでんもできるやつあるの?」
「ない」
「ないの……」
「ないけど、いいんだ。よく考えたら充電しながら音楽聴いたこと一度もないし」
「あー」
「仕事中にしか聴かないんだから、純正で結構」
「そだね」
仕事を終えたのち、純正のアダプタをヨドバシドットコムで注文した。
月曜日までに届けばいいのだが。

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2018
03.30

うにゅほとの生活2307

2018年3月30日(金)

「んー……?」
左腕を曲げ、伸ばし、軽く振る。
「?」
膝の上のうにゅほが振り返る。
「どしたの?」
「なんか、腕がだるい」
「ひだりだけ?」
「左だけ」
うにゅほが俺の左腕を取り、前腕のあたりをやわやわと揉む。
「きもちい?」
「わりと」
「つづけるね」
ふにふに。
やわやわ。
これが肩なら物足りなく思うところだが、だるい腕にはちょうどいい刺激だ。
「なんでだるいのかな」
「さあー」
「わからんの?」
「朝からすこし重かった気はするけど……」
「へんだねえ」
ふにふに。
やわやわ。
しばしのあいだマッサージを受けたあと、軽くなった左腕を振りながら言った。
「右腕も頼むー」
「みぎうで、だるくなった?」
「だるくないけど、気持ちよかったから」
「うへー……」
うにゅほが俺の右腕を取る。
「おきゃくさん、こってますねえ」
ふにふに。
やわやわ。
「腕って凝るのかな」
「わからん!」
「終わったら、××の腕もマッサージしてあげよう」
「おねがいします」
効いてんだか効いてないんだかわからんマッサージを互いに施し合う俺たちなのだった。

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2018
03.29

うにゅほとの生活2306

2018年3月29日(木)

「──…………」
「──……」
「……暑くない?」
「あつい……」
チェアごと移動し、温湿度計を覗き込む。
「にじゅうろくてん、ななど……」
「──…………」
「わ」
チェアをくるりと二回転し、拳を天に突き上げる。
「ただいまをもって宣言する!」
「?」
「たったいまから、春!」
「おー!」
膝の上のうにゅほが、ぱちぱちと拍手を送る。
「当初の予定だったエイプリルフールより、二日ほど早く訪れましたね」
「よていあったんだ」
「四月はさすがに春かなって」
「そだねえ」
四月に雪が降ることもあるが、一時的なものに過ぎない。
大勢は既に決しているのだ。
「春かー」
「はるだー」
「道理で眠いと思った」
「◯◯、きょう、ずっとあくびしてるもんね」
「睡眠時間は足りてるはずなんだけど……」
「◯◯、はる、まいとしねむそう」
「春眠暁を覚えずと申しましてな」
「それ、なんていみ?」
「春は眠いって意味」
「そなんだ」
間違ってはいない。
「ねむいなら、ねたほういいよ」
「そうだなあ……」
座面の下のレバーを引き、チェアが平らになるまでリクライニングする。
「わー」
「では、このまま一緒に寝ましょうか」
「はい」
うにゅほが俺に抱きつき、目を閉じる。
少々暑いが、役得だ。
三十分ほど仮眠を取ると、眠気も幾分か収まってくれた。
しばらくは眠気と戦う日々が続きそうだ。

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2018
03.28

うにゅほとの生活2305

2018年3月28日(水)

「──よし!」
切りの良いところで作業の手を止め、軽く伸びをする。
「××、TSUTAYA行くか」
「いくー」
外出の準備を整え、愛車に乗っていざ参る。
「スピッツのなにかりるの?」
「品揃えを見てみないとなあ」
「そか」
五分ほど車を走らせ、TSUTAYAの駐車場に入る。
「?」
様子がおかしい。
車が数台しかないし、
「……なんか、くらい?」
「うん」
昼間とは言え、店内にひとつも明かりがないのは妙だ。
「──…………」
「──……」
うにゅほと視線で会話を交わす。
わかってる。
でも、まだ確定はしていない。
改装中かもしれないのだ。
出入口の前に車を停め、扉に貼られた飾り気のない紙を読み上げる。
「……閉店しました、か」
「──…………」
「最近TSUTAYAがどんどん閉店してるのは知ってたけど、ここもか……」
ぎゅ。
うにゅほが俺の手を強く握る。
「ね」
「うん?」
「さみしいね……」
「……そうだな」
俺が子供のころからあった店だ。
うにゅほと何度も通った店だ。
寂しくないと言えば、嘘になる。
「しゃーない、ゲオ行くか」
「うん……」
CDの品揃えはTSUTAYAのほうが上だったのだが、仕方あるまい。
旧作十枚を千円でレンタルし、帰宅した。
時代の移り変わりとは、時に切ないものである。

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2018
03.27

うにゅほとの生活2304

2018年3月27日(火)

ぐわん、ぐわん。
前後左右に揺れながら、呟く。
「なんかCD借りたいなあ……」
「つたやいく?」
「行きたいけど、そろそろ仕事が届きそうな気がする」
「あー……」
在宅とは言え仕事が最優先である。
「おわったら、いく?」
「仕事終わるの早くて七時くらいだし、終わったらすぐ飯食って風呂だからなあ」
「おふろのあとでかけるの、ちょっとやだね」
「同感」
「しーでぃー、なにかりるの?」
「スピッツとか……」
「スピッツ、まえかりてたきーする」
「それが、マイミュージックに入ってないんだよ」
「?」
「えーと」
しばし言葉を探し、
「CD返したあとも聞ける状態になってない」
「なんで?」
「わからん」
リッピングし忘れたとしか思えない。
「スピッツだけ?」
「あとは、バンプとかかなあ」
「ばんぷおぶちきん?」
「昔CD持ってたけどどっか行っちゃったから、久々に聴きたいと思って」
「そか」
「××、気になるアーティストとかいる?」
「んー」
うにゅほが小首をかしげる。
「──……んー?」
上半身がどんどん左に傾いていく。
「いないならいないで、無理しなくても」
「いないです……」
「まあ、あとは店頭で気になったのを適当に借りればいいか」
「うん」
「明日な」
「うん」
こんなこと言っといて、明日も出掛けるのを忘れる未来が見える。

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2018
03.26

うにゅほとの生活2303

2018年3月26日(月)

諸用で外出した際のことである。
「道路、完全に解けたみたいだな」
「あと、はしっこだけ」
「ほぼ春だ」
「ほぼはる」
「あとは桜が咲けばなあ」
「たのしみ」
うにゅほが、うへーと笑ってみせる。
「あ、コンビニ寄らないと」
「なにかうの?」
「ジャンプ」
「げつようびだった」
「月曜日なのだよ」
「わすれてた」
近所のセイコーマートへ立ち寄り、ジャンプと調製豆乳を二本購入する。
車内へ戻り豆乳を啜った瞬間、違和感が背筋を這いずった。
「……?」
妙だ。
妙に甘い。
そして、コクがある。
ストローから口を離し、パッケージに視線を落とす。
「チョコミント……」
「ちょこみんと?」
うにゅほが俺の手元を覗き込む。
「ちょこみんと……」
「チョコミント」
間違って購入してしまったらしい。
「ちょこみんとのあじ、する?」
「──…………」
ストローを啜る。
「チョコの味がする」
「みんとは?」
「ミントの味は、しない」
「しないの」
「少なくとも、気にはならない」
「おいしい?」
「美味しい……」
「おー」
意外や意外、これがまた行けるのだ。
「ひとくち飲んでみる?」
「のむ」
うにゅほがストローを口に含み、恐る恐る中身を吸い上げる。
「あ、おいしい……」
「な?」
「みんとのあじ、あんましないね」
「飲んだあと、かすかにスーッとするような、しないような……」
「うん、そのくらい」
チョコミントからミントを抜けばただのチョコ味だから、美味しいのは当然なのかもしれない。
「でも、チョコミント味のアイスは食べる気しない」
「うん……」
以前に一度食べて懲りたものな。※1
ともあれ、この豆乳であれば、また買ってもいいかもしれない。
チョコミント派閥の人には物足りないのだろうけど。

※1 2016年6月9日(木)参照

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2018
03.25

うにゅほとの生活2302

2018年3月25日(日)

灯油の備蓄が切れてから、うにゅほの定位置は俺の膝の上となった。
雪山遭難よろしく互いの体温で暖め合いながら、残り僅かな冬を耐え凌ぐのだ。
最近流行のVtuberの動画を見漁っていたところ、ふとあることに思い至った。
「……暑くない?」
「あつい……」
見れば、うにゅほの首筋がうっすらと汗ばんでいる。
先程から幾度となく座り直しているのも、おしりが蒸れるからだろう。
「いかにも春って陽気だもんなあ」
「はる、きたかな」
「来たかも」
天気予報によれば、最高気温が10℃前後の日がしばらく続くらしい。
「暑いし、下りる?」
「どうがみたい……」
「だよなあ」
半端だもんなあ。
「椅子持ってきて、隣に座るとか」
「そうする……」
部屋の隅から丸椅子を運んできて、チェアの隣に設置する。
「××、こっち座っていいぞ」
と、パソコンチェアの背もたれを叩く。
「いいの?」
「たまにはな」
「……うへー」
うにゅほがチェアに座るのを確認したあと、丸椅子に腰掛ける。
自然と姿勢が正されて、これはこれで悪くない。
ケツが痛くなるけれど。
うららかな休日も、やがて日が暮れ夜になる。
「……寒くない?」
「さむい……」
「よし、くっつくか」
「くっつくー」
丸椅子を片付け、元の体勢へ戻る。
「……ふう」
「おちつくねえ」
「落ち着くなあ」
桜はいつごろ咲くだろうか。
今年もまた、ふたりで見に行きたいものだ。

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2018
03.24

うにゅほとの生活2301

2018年3月24日(土)

午前十時ごろ起床し、眠い目を擦りながらPCへと向かう。
作詞用の作業ファイルを開き、俺は思わず困惑した。
「小人の靴屋……」
「?」
座椅子に腰掛けて読書に勤しんでいたうにゅほが、俺の呟きに顔を上げた。
「どしたの?」
「起きたら歌詞が完成していた」
「えっ」
うにゅほが目をまるくする。
「わたしじゃないよ……?」
「大丈夫、わかってる。書いたの俺だし」
「……?」
うにゅほが小首をかしげる。
「だんだん思い出してきた。朝方、半分寝ながら仕上げたんだっけ」
「はんぶんねながら……」
「たまにあるんだよな。自動筆記みたいで楽は楽なんだけど」
「あんましむりしたらだめだよ」
「はーい」
イヤホンを耳に掛け、歌詞の仕上がりを確認する。
「──うん、悪くない」
「わるくないんだ」
「作詞は感性に依る部分が大きいからな。意外となんとかなる」
「へえー」
全国の作詞勢に怒られそうである。
「まあ、さすがにすこし手直しは──」
そこまで言ったところで、
「──……ふあ、ふ」
うにゅほの拳が入りそうなほどの大あくびをかました。
「眠い……」
「なんじにねたの?」
「ええと、四時過ぎまでは覚えてる……」
「──…………」
あ、渋い顔してる。
「もっかいねたほういいよ」
「……寝るかー」
「おひるになったら、おこすね」
「おねしゃす」
春眠暁を覚えず。
暁に寝入ったのだから当然である。
生活サイクルを整えねば。

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2018
03.23

うにゅほとの生活2300

2018年3月23日(金)

「──……はっ」
うにゅほを膝に乗せたままぼけらーっと動画を見ていたら、いつの間にか午後十一時を過ぎていた。
「日記書かんと……」
「どく?」
「そのままでいいよ、寒いし」
背後からうにゅほを抱き締めるようにして、キーボードに指を置く、
「苦しくない?」
「だいじょぶ」
「漫画読んでていいよ」
「うん」
うにゅほが、からかい上手の高木さん4巻を開き直す。
「──…………」
「──……」
ぺら。
「──…………」
「──……」
漫画の内容が目に入ってきて、いまいち日記に集中できない。
「××、漫画読んでるとき後ろから覗き込まれるの平気なんだな」
「? うん」
「俺、苦手でさ」
不思議そうな表情を浮かべて、うにゅほが振り返る。
「ジャンプとかいっしょによんでるのに……」
「一緒に読むぶんには問題ないんだけど」
「ふうん?」
「よくわからん?」
「よくわからん」
「なんというか、こう、自分がいま何をしてるのか知られるのに抵抗があるんだ」
「あ」
何かを思い出したのか、うにゅほが小さく声を上げた。
「◯◯、あいふぉんつかってるとき、がめんかくす」
「あー、隠す隠す」
「おなじ?」
「同じ心理だな」
「えっちなのみてるのかとおもってた」
「見てないよ……」
たまにしか。
「……そんなこと思われるくらいなら、見せたほうがマシな気がしてきた」
「そだねえ」
他人はどうあれ、うにゅほにだけは隠さないようにしよう。

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2018
03.22

うにゅほとの生活2299

2018年3月22日(木)

トイレから駆け戻り、自室の扉を開けるや否や声を荒らげる。
「──ポータブル国会だ!」
「?」
うにゅほが小首をかしげた。
「日本全国いっせーのーででいろいろ変えられるドラえもんの道具だよ!」
「きのうのはなし?」
「そうそう」
あれからずっと心に引っ掛かっていたものが、ようやくポンと出てきたのだった。
トイレで。
「どんなどうぐだっけ……」
「ピンと来ない?」
「うん」
「国会議事堂みたいな形をしてて、法案を書いた紙を入れると──」
「あ!」
「思い出したか」
「うん、おもいだした」
うにゅほが知っているということは、新ドラのアニメでも放送されたエピソードであるらしい。
「やー……っと、スッキリした!」
「よくでたねえ」
「もっと褒めてくれていいぞ」
「すごい、すごい」
ぱちぱち。
「あ、そだ」
「ん?」
「ドラえもんのえいが、いつだっけ」
「あー、そろそろ春だもんな」
「うん」
「アニメ見てたらCMやってない?」
「さいきんみてない……」
「なら、調べてみよう」
チェアに腰を据え、軽やかにキーボードを叩く。
「公開日2018年3月3日──なんだ、とっくに公開してるんじゃん」
「やってるの?」
「らしい。時間作って観に行こうか」
「うん!」
うにゅほが笑顔で頷いた。
サブタイトルは「のび太の宝島」らしいが、南海大冒険のリメイクなのだろうか。
楽しみである。

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