2017
09.25

うにゅほとの生活2123

2017年9月25日(月)

「ケツが痛い」
「けつ」
「……おしりが痛い」
「ぢ?」
「いや、尾てい骨のあたり」
「おしりのほね?」
「そうそう」
「おしり、うったのかな」
「そういう痛みではなくてだな」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「尾てい骨のあたりの、皮膚が痛い」
「ひふが……」
「なんか、擦れたみたい」
「あー」
うんうんと頷く。
通じたらしい。
「びていこつ、でっぱってるもんね」
「しっぽが退化した名残りらしいぞ」
「そなんだ」
「座り方が悪いのかな……」
「うん」
うにゅほが、あっけらかんと頷く。
「……そんなに悪い?」
「こし、いたくなんないのかなって」
「まあ、それはそれとして」
「うん」
「座り方は同じなのに、なんで急に擦れるようになったのかなって」
「やせたからとおもう」
「たしかに痩せてきてるけど、見た目でわかる?」
「うん、しゅってした」
「──…………」
ちょっと嬉しい。
「おしりもね、ちいさくなったよ」
「それでか……」
いままで尻の肉に守られていた尾てい骨が、チェアの座面と擦れるようになったのだろう。
「おろないんぬるから、おしりだして」
「嫌です」
「えー……」
さすがに恥ずかしい。
ともあれ、ダイエットの成果が目に見えて現れるのは喜ばしいことだ。
ケツ痛いけど。

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2017
09.24

うにゅほとの生活2122

2017年9月24日(日)

外出の準備を整え、リビングを覗き込む。
「──家族は、みんないる」
「いる」
玄関を確認する。
「車の鍵は、ある」
「ある」
外に出て、空を見上げる。
「晴れてる」
「うん、はれてる」
「絶好の外出日和である」
「である」
「では、出掛けましょう」
「はい」
コンテカスタムに乗り込み、エンジンを掛ける。
「どこいくの?」
「行きたいところ、ある?」
「うと……」
「ないならゲーセン巡り」
「うん、ゲーセンいきたい」
「ダイエット中だから、チョコボールは少なめで」
「はーい」
「あると食べちゃうからね……」
「わかる」
いつものゲームセンターでチョコボールを三箱ゲットし、大回りして帰途につく。
「ほしいの、あんましなかったね」
「カービィのぬいぐるみは可愛かったけど、あの筐体は苦手なんだよなあ」
「うで、さんぼんのやつ」
「取れるときは一発なんだけど」
「むずかしいねえ……」
「あ、TSUTAYA寄っていい?」
「みたいのあるの?」
「ないけど、まあ、適当に」
結局、特に目的のないドライブになってしまった。
「……やっぱ、どこ行くかくらい決めてから出掛けないとなあ」
「そかな」
「楽しかった?」
「うん、たのしかった」
「ならいいけど……」
「◯◯、たのしくなかった?」
「いや、楽しかったよ」
「ね」
ふたりとも楽しかったのなら、いいか。

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2017
09.23

うにゅほとの生活2121

2017年9月23日(土)

昨夜の約束のとおり、ふたりでどこかへ遊びに出掛け──ようとしたのだが、
「……車が」
「ないねえ……」
我が家が現在所有している自家用車は、
コンテカスタム、
ライフ、
ランドクルーザーの三台である。
ミラジーノは父親の友人に貸出中だ。
その三台が、すべて出払っていた。
「……誰もいないと思ったら、三人が三人別々に出掛けてるのか」
「そうみたい……」
「なんというか、……間が悪い」
「うん」
「バイクでもいいけど、雨が降りそうなんだよな……」
「うん……」
「──…………」
「──……」
「……明日でいい?」
「うん、いいよ」
健気なうにゅほの頭を撫でながら、リビングへ戻る。
「誰もいないし、テレビでも見るか」
「うん」
ソファに腰を下ろすと、うにゅほが自前の細いふとももを叩いた。
「はい」
「サービスいいなあ」
ごろんと横になり、膝枕をしてもらう。
「わたし、ひざまくらすき」
「足、痺れない?」
「しびれるまでは、すき」
「痺れたら言うんだぞ」
「うん」
「俺が寝てても、トイレに行きたくなったら起こすこと」
「うん」
「──…………」
本当かなあ。
あんまり起こされた記憶がないのだけど。
「──ま、いいや。テレビテレビ」
特に見たいものがあるわけではない。
強いて言えば、ふたりでいることが目的だ。
テレビをぼんやりと眺めながら、明日こそは出掛けようと決意を新たにするのだった。

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2017
09.22

うにゅほとの生活2120

2017年9月22日(金)

「やー、すー、みー、だー!」
「わ」
仕事を終えた解放感で、うにゅほを背後から抱きすくめる。
「あした、しゅうぶんのひ、だもんね」
「祝日に限らず土曜は休みにしてほしい……」
完全週休二日制、なんと甘美な響きであることか。
「でも、たまに、どようびやすみある」
「うちは週休二日制だからな」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「このあたり、なんか詐欺くさいよなあ」
「どのあたり?」
「週休二日制と、完全週休二日制。これらは別物です」
「……?」
あ、混乱してる。
「完全週休二日制は、毎週二日の休みが約束されてる」
「うん」
「週休二日制は、月に一度、二日休める週がある」
「ほかのしゅうは?」
「たいてい一日しか休めない」
「ふつかやすみより、いちにちやすみのが、おおいの?」
「そうなります」
「しゅうきゅうふつかなのに、しゅうきゅうふつかじゃない……」
「俺もそう思う」
誰だこんな用語作ったの。
「毎週土曜も休みなら、いろんなことができるなあ」
「そだねえ」
「たとえば──」
うにゅほを抱っこしたままソファに腰を下ろし、思案を巡らせる。
「──…………」
「たとえば?」
「……昼寝、とか」
「ふんふん」
「あ、××と遊びに行ったり」
「いきたい」
「明日、どっか行くか」
「うん!」
約束したからには、ふたりでどこかへ行こう。
どこへ行くかは明日決めればいいや。

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2017
09.21

うにゅほとの生活2119

2017年9月21日(木)

「──……ふあ……、う」
「おっきなあくび」
「……××の手くらいなら、入るかもなあ」
「はいるかも」
「試してみる?」
「て、たべたらだめだよ」
「食べない食べない」
「うん」
「よだれでべとべとにするだけ」
「ちょっと、や」
そりゃそうだ。
「ある朝、ぬめっとした不快感で起きると、××の右手が俺の口のなかに!」
「やー!」
うにゅほがくつくつと笑う。
「いき、くるしそう」
「鼻が詰まってたら、やばいな」
「はなしゅーしないと」
「したら、食べていいのか」
「だめ」
「駄目かー」
「てー、おいしくないよ」
「美味しそうだぞ」
「そかな」
「きっと甘い」
「しょっぱいとおもう……」
「生クリームでデコレーションして食べよう」
「それ、たぶん、わたしのてでなまクリームなめてるだけ……」
「バレたか」
「わかるよー」
「甘いものが食べたくてな……」
ダイエット中である。
「◯◯、すこしやせた?」
「少しずつな」
目標体重までは、遠い道のりだ。
「生クリーム食べたいなあ……」
「わたしのてーで?」
「食べさせてくれる?」
「うーん……」
真剣に検討してくれるあたり、優しい子である。
まあ、冗談なんだけど。

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2017
09.20

うにゅほとの生活2118

2017年9月20日(水)

「──あれ?」
仕事机の前に腰を据えたところ、愛用の定規がないことに気がついた。
「××、定規知らない?」
「とうめいなやつ?」
「そう」
うにゅほが首を横に振る。
「しらない……」
「昨日も使ったんだから、ないはずないんだけど……」
机の上の書類をひっくり返し、引っ掻き回し、アクリル製の定規を探す。
透明とは言え30cmの長物だ。
一見して気づかないはずがない。
「……わたし、おひる、ここそうじした」
「そのとき見なかった?」
「おぼえてない、けど……」
畳の上に敷かれた夏用のラグを、うにゅほがめくる。
「もしかしたら、おとして、けって、したにはいったかも……」
「あり得なくはない、か」
だが、見つからない。
思いつく限りすべての場所を探し終えたあと、俺は小さく頭を抱えた。
「……困った」
どんな定規でもいいのなら、そこらにある。
だが、透明でなければ、作業効率が目に見えて落ちてしまう。
不要なストレスを仕事に持ち込みたくない。
「仕方ない、買ってくるか……」
「うん」
仕事部屋に放り出した書類や筆入れ、定規などを、机の上にまとめて乗せる。
「──…………」
ん?
書類や、筆入れ、定規などを──
「……あった」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「定規、あった」
「え、どこにあったの?」
「わからん。片付けてたら、いつの間にか手に持ってた……」
「よかったー……」
「なんか、騒がせてごめんな」
「ううん、しごとがんばってね」
「頑張る」
それにしても、あれだけ探したというのに、いったいどこにあったのだろう。
謎である。

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2017
09.19

うにゅほとの生活2117

2017年9月19日(火)

「あー……」
ぐわんぐわんと首を回す。
肩が痛い。
頭が重い。
総じてだるい。
「疲れが、まだ、抜け切ってないなあ……」
「だいじょぶ……?」
膝の上のうにゅほが、心配そうにこちらを見上げる。
「大丈夫、大丈夫。単に睡眠時間が足りなかっただけ」
「どことまったの?」
「泊まってない」
「……?」
うにゅほが小首をかしげる。
「イベントが朝の六時に終わったから、泊まる時間がそもそもない」
「はー……」
「本当なら、朝の便で、昼には帰宅して、夜まで仮眠を取るつもりだったんだけどさ」
「ひこうき、おくれたもんね」
「しゃーないから、ネカフェで雑魚寝。布団はないし寒いしで散々だよ」
「たいへんだったね……」
なでなで。
うにゅほが俺の頭を撫でる。
「……やっぱり、家がいちばんだな」
「うん」
「××もいるしな」
「うへー……」
連れて行ければいいのだが、倫理的にはなかなか難しい。
FRENZの会場って、新宿歌舞伎町だし。
「──そういえば、イベント中にどうしても腹が痛くなってなあ」
「え!」
「会場全体は熱気がすごくて暑いのに、俺の席だけエアコン直でさ」
「だいじょぶだったの?」
「ダメだったから、正露丸買って飲んだ」
「あ、にもつにあった」
「会場近くのドラッグストアで買ったんだけど、中国人ばっかで──」
俺の土産話を、うにゅほが楽しそうに聞いてくれる。
いつかは、誰かに、ふたりで土産話ができるようになりたいものだ。

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2017
09.18

うにゅほとの生活2116

2017年9月17日(日)
2017年9月18日(月)

折からの台風で、帰りの飛行機が欠航となった。
幸い、数時間後の便で帰ってくることはできたのだが──
「──…………」
「××さん」
「──…………」
「××さん?」
うにゅほが背中にぴたりと貼り付き、離れようとしない。
チェアに腰掛けようとすれば、背中と背もたれとの隙間にするりと入り込むのだから、徹底している。
「……しんぱいした」
「ごめんな」
ふるふると首を振る感触。
「◯◯、わるくない……」
「でも、心配を掛けたのは事実だ」
「──…………」
「俺、二度と、台風シーズンに飛行機乗ったりしないから」
「?」
小首をかしげる気配。
「いや、帰りの飛行機めっちゃ揺れたんだよ……」
「そなの?」
「いちばん揺れたときで機体が三十度くらい傾いて、一度は死を覚悟したから」
「──…………」
ぎゅー。
「……ひこうき、もう、のったらだめ」
「あー……」
怯えさせてしまった。
「ほら、飛行機事故で死ぬ確率は、自動車事故で死ぬ確率より遥かに低いし……」
「──…………」
ぎゅー。
こうなってしまうと、しばらくは話が通じない。
「××さん」
「──…………」
「そこに入り込まれると姿勢がつらいから、前から抱き着いてくれますか」
「──…………」
無言で膝の上に移動したうにゅほが、俺の胸にぎゅうと抱き着く。
ぽん、ぽん、と背中を叩いてやりながら、うにゅほが落ち着くのを待つのだった。

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2017
09.16

うにゅほとの生活2115

2017年9月16日(土)

「──……はー」
うにゅほが小さく溜め息をつく。
「あしたのいま、◯◯、いない……」
「まあ、うん」
「いないのかあ……」
そして、また溜め息。
「××さん」
「……?」
「ちょっと、トイレに行きたくて……」
膝の上のうにゅほに正面から抱きすくめられているため、身動きが取れない。
「まって」
ぎゅー。
「──…………」
「──……」
しばしののち、
「はい」
うにゅほが膝から下りる。
なにかをチャージしていたらしい。
「では、行ってきます」
「はい」
自室を出て、トイレへと向かう。
「──…………」
「──……」
当然のように、ついてくる。
さっきのチャージはなんだったのか。
「……中まではダメだぞ」
「まってる」
「ならいいけど……」
トイレに入って小用を済ますが、落ち着かない。
可愛い。
可愛いがゆえに、厄介である。
何故なら、俺の頬も緩んでしまっているからだ。
ここまで求められたら、嬉しいに決まってる。
「──よし」
水を流し、トイレから出る。
「!」
タックル気味に抱き着くうにゅほを引きずりながら手を洗い、抱き上げた。
「わ」
「俺も、××分を補給しとかなきゃな」
「うん、して」
うにゅほが、うへーと笑う。
たった一日いないだけで、この騒ぎだ。
二泊三泊は無理だろうなあ。

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2017
09.15

うにゅほとの生活2114

2017年9月15日(金)

「たいふう、だいじょぶかなあ……」
リビングのテレビで気象情報を見ながら、うにゅほがそう呟いた。
「大丈夫だと思うぞ」
グラスに牛乳を注ぎながら答える。
「北海道に来るころには、とっくに温帯低気圧だよ」
「ちがくて」
「?」
「ひこうき……」
「あ」
完全に考慮の外だった。
iPhoneを取り出し、台風の進路を調べる。
「17日、東京──直撃じゃないか……」
「ね?」
「……これは、飛ばないかもしれないなあ」
「むりしないほういいよ……」
それは航空会社に言ってくれ。
「当日、新千歳で様子を見るしかないか」
「いくの……?」
「飛ぶかもしれないし」
「あぶない……」
「飛ぶときは、大丈夫なときだよ。ダメなときは飛ばない」
「でも」
「それに、行くって約束だし」
「──…………」
「俺は、約束は破りたくない」
「──…………」
「どうしてものときは仕方ないけど、行ける前提で動かなきゃ」
「……わかった」
「心配してくれて、ありがとう。ごめんな」
「うん……」
「牛乳飲む?」
「のむ……」
グラスをうにゅほに手渡し、自分のぶんを再度注ぐ。
いまからでも逸れてくれないかなあ。
……無理か。

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