2015
03.31

うにゅほとの生活1220

2015年3月31日(火)

去年に引き続き、映画「ドラえもん のび太の宇宙英雄記」を観に行ってきた。※1
「おー、ひとおおい」
「そうだな」
「こどもおおい」
「春休みだからなあ」
多いと言っても、座席を埋め尽くすには程遠い。
普段、平日の昼間しか映画を観ないので、二割ほどしか埋まっていなくとも多く感じてしまうのだろう。
「──…………」
座席についてしばらくすると、むずむずと尿意が迫り上がってきた。
「……××、ちょっとトイレ」
「え!」
うにゅほが驚く。
「さっきいったのに」
「いや、なんか、これから二時間トイレに行けないと思うと……」
精神的なものとわかってはいるのだが、尿意に本物も偽物もない。
「悪い、ちょっと行ってくる」
「うん……」
館内の照明が落ちる前に戻ってこよう。
モギリのスタッフの会釈に苦笑を返し、小用を済ませてトイレを出ると、
「──……◯◯」
うにゅほが出入口付近の壁に背を預けていた。
「なんだ、寂しかったのか」
頭を撫でようとして、慌てて手を引っ込めた。
まだすこし手が湿っている。
「ちがくて」
「違うの?」
「なんか、いづらくて……」
「あー」
子供ばっかだもんな。
俺だって、とてもひとりでは観に来れなかっただろう。
うにゅほと一緒だから平気なのだ。
「いこ」
うにゅほが俺の腕を引く。
モギリのスタッフの苦笑に会釈を返し、急いで座席へ戻る。
すぐに館内が暗くなり、お決まりのCMが流れ出した。

──二時間後、

「おもしろかった!」
「うん、かなり面白かったな」
去年の映画は「のび太の大魔境」のリメイクだったが、今年は完全新作である。
クライマックスが少々あっさりし過ぎていたきらいはあるが、文句なしの良作と言えるだろう。
「らいねんもみたいな」
「いいぞー」
帰る道すがら、行きに見かけたジェラート屋へと立ち寄った。
ジェラートも当たりだった。
映画を観た帰りは、必ずここに寄ることにしよう。

※1 2014年3月14日(金)参照
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2015
03.30

うにゅほとの生活1219

2015年3月30日(月)

「──…………」
ぽり。
魔方陣グルグルを読んでいたうにゅほが、無造作に膝を掻いた。
「──…………」
ぽりぽり。
何の気なしに見ていると、今度はネグリジェから覗くふとももを掻く。
「……?」
そこで、不思議そうに顔を上げた。
ぽり。
ぽりぽり。
再び膝を掻き、ふとももの裏側を掻き、足の甲を掻く。
皮膚が乾燥しているのだろうか。
「××、オロナイン塗るか?」
「──…………」
ふるふると首を横に振り、今度はふくらはぎを掻く。
「あんまり掻くと、ひりひりするぞ」
オロナインを手に取り、蓋を開いた。
「ちがくて」
むずむずと腰を浮かしながら、うにゅほが言葉を継いだ。
「どこかゆいのか、わかんない……」
「あー」
あるある、と俺は思うのだが、読者諸兄はいかがだろうか。
「そういうとき、わりと突拍子もないところが痒かったりするよな」
「とっぴょうしもないとこ?」
「足が痒いと思ったのに、本当は二の腕だったりとか……」
「にのうで」
ぽりぽり。
「……ちがう」
「たとえばね、たとえば」
「◯◯、てつだって……」
「はいはい」
ぽりぽり。
背中を掻く。
ぽりぽり。
首筋を掻く。
ぽりぽり。
膝の裏を掻く。
「……うー、うー」
しかし、痒い場所がわからない。
切なそうにうめくうにゅほの姿を見て、一計を案じることにした。
「──…………」
うにゅほの前に膝をつき、足の裏に指を這わせる。
「ひ」
ぴく、と動きが止まるのを確認し、
「こしょこしょこしょこしょ!」
思いきりくすぐってみた。
「うひ、ひ、ひはゃひゃひゃひゃ!」
「おらおらー!」
「ひゃめ、ひゃめへー!」
うにゅほのくすぐったポイントを巧みに攻め立て、三十秒ほど笑い転がしてみた。
「……ひ、ひー……」
「ふう」
くったりと力なくソファに横たわるうにゅほに問う。
「まだ痒い?」
かゆみ以上の刺激を与え、かゆみを吹き飛ばしてしまおうという作戦である。
「──…………」
「どう?」
「……かゆ、くない、けど」
「よしよし」
「よくないー……」
うにゅほはあまり納得いっていないようだが、目的は果たした。
及第点と言えよう。
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2015
03.29

うにゅほとの生活1218

2015年3月29日(日)

「はー……」
狭い店内を見渡し、うにゅほが溜め息をついた。
「はし、たくさんある」
「そうだな」
「はしやさんだ」
「いちおう、箸以外も売ってるみたいだけど……」
塗料の剥げ落ちかけた箸を買い替えるため、さっぽろ地下街にある箸の専門店を訪れていた。
その名に恥じぬ品揃えだ。
ひとつ問題があるとすれば、
「……色違いでお揃いとなると、夫婦箸になっちゃうんだよなあ」
夫婦でなければ使えないわけではないが、やはり、幾分かの気恥ずかしさはある。
「めおとばし?」
「夫婦の箸のことだよ」
「へえー」
うんうんと頷き、うにゅほが箸の物色に戻る。
あれ?
「これかわいい」
「……ちょっと子供っぽすぎないか?」
「あー……」
拍子抜けだった。
夫婦箸という言葉に対し、喜ぶか、嫌がるか、照れるか、困るか──いずれにせよ、なんらかの反応があると予想していたのだ。
「あ、これかっこいい」
「渋すぎる……」
黒檀の八角箸なんて、高級料亭じゃないんだから。
「じゃあ──」
しばし店内を見て回ったのち、
「あ、うさぎ!」
うにゅほが手にしたのは、斜めに寸断された箸頭にうさぎの装飾が施された夫婦箸だった。
「お、これいいじゃん」
可愛らしいが落ち着いたデザインだ。
これなら俺も文句はない。
黒いほうの箸を指さして、うにゅほが言った。
「こっちのうさぎが、だんなさん」
赤いほうの箸を手に取り、続ける。
「こっちのうさぎが、おくさん」
「──……?」
ふと違和感を覚え、自分の顎を撫でた。
「……箸の、旦那さん」
「?」
「箸の、奥さん」
「うん」
「××、もしかして──」
夫婦箸のことを、夫婦で使う箸ではなく、箸の夫婦だと思っている?
その発想はなかった。
「……このはし、いいなー」
「ああ、そうだな」
遠慮がちに言ううにゅほの頭を撫でて、うさぎの夫婦箸をレジへと持っていった。
少々高くついたが、長く、毎日使うものである。
大切に扱うことにしよう。

※1 2015年3月10日(火)参照
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2015
03.28

うにゅほとの生活1217

2015年3月28日(土)

「──……、は」
生あくびを噛み殺し、二度目の起床を果たした。
「あ、おはよ」
「……おはよう」
「まだねむい?」
「眠いけど……」
ぐ、と大きく伸びをすると、腰のあたりに鈍痛が走った。
これ以上寝るとまずい気がする。
「××、着替えるからちょっとそっち向いてて」
「はーい」
作務衣の紐をほどき、上半身をはだける。
ぽと。
ポケットから何かが転げ落ちた、気がした。
ま、いいか。
ぼんやりとした頭で着替えを済まし、
「××、もういいよ」
と、うにゅほに声を掛けた。
「うん──、ん?」
こちらへと向き直ったうにゅほが、俺の足元を指さした。
「なんかおちてる」
「ああ……」
拾い上げると、それは、ブラックペッパー入りとラベルの貼られたベビーチーズだった。
「……チーズ?」
どうして作務衣のポケットに。
たぶん、二度寝する前に入れたのだろうが、経緯がまったく思い出せない。
「チーズ」
「ああ」
「たべていい?」
「──……うーん」
少々悩む。
「?」
小首をかしげるうにゅほにベビーチーズを手渡した。
「ぶにゅぶにゅだ」
「体温で柔らかくなったんだろうなあ……」
あまり食欲の湧く状態とは言えない。
言えないのだが、
「──…………」
ぺり。
「え、開けるの?」
「え、あけないとたべれない……」
「……食べるの?」
「だめ?」
「いや、駄目じゃないけど……」
「♪~」
うにゅほが、ぶにぶにのチーズを躊躇いなく口に入れた。
「おいしい」
「美味しいのか……」
まあ、味はそうだろうけど。
「◯◯もたべる?」
「……じゃあ、ひとくちだけ」
ねっとりとしたベビーチーズを指先ですくい取るようにして食べると、クリーミーな舌触りだった。
「──…………」
美味しいは美味しいけど、やはり体温でぬくまったチーズには抵抗がある。
うにゅほはよく平気だなあ、と感心しながら、口のなかを烏龍茶で洗い流した。
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2015
03.27

うにゅほとの生活1216

2015年3月27日(金)

「──はー、食った食った」
「くったくった」
シートを倒して腹をさすると、うにゅほが俺の真似をした。
「ははは」
「うへー……」
満腹は幸福である。
「……兄ちゃん、狭いんだけど」
後部座席の弟が不平を漏らす。
「寿司おごってやったんだから文句言うなよ」
「いうなよー」
なにも押し潰しているわけじゃあるまいし。
「あ、帰りコンビニ寄って」
「ローソンでいいか?」
「セコマ」
「帰り道にないじゃん……」
べつにいいけど。
そういえば、最近、セイコーマートのふわふわ大福を食べていなかったっけ。
デザートにちょうどいい。
「あれ、ないな」
「ない……」
最寄りのセイコーマートを見渡すが、スイーツコーナーにも、レジ横スペースにも、見当たらなかった。
売り切れたのだろうか。
「あー、あれ、しばらく見てねーかも」
レジ袋からあげせんを覗かせた弟が、財布を仕舞いながらそう言った。
それは困る。
なにしろ舌がもうふわふわ大福待ちなのである。
うにゅほに視線を送ると、目が合った。
「××、他のセコマも行ってみよう」
「うん」
同じことを思っていたようだ。
「あ、俺は家置いてって」
「このやろう」
べつにいいけど。
近所のセイコーマートを二軒ほど巡ったが、ふわふわ大福を見つけることはできなかった。
仕方がないので、トリプルクリームシューという二個入り270円のシュークリームをふたりで食べた。
美味しかった。
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2015
03.26

うにゅほとの生活1215

2015年3月26日(木)

iPhoneの電池が急にくたってしまったため、5sから6へと乗り換えることにした。
契約手続きを終えて帰宅し、さっそく箱を開封する。
「おー……」
「薄いな」
「うん、うすい」
「でかいな」
「うん、でかい」
5sと6を並べてみると、二回りほどの差があった。
Plusはどのくらい巨大なのだろうか。
「……画面が大きいのも良し悪しだよなあ」
「?」
うにゅほが小首をかしげた。
「おっきいの、だめなの?」
「駄目ってことはないけどさ」
5sを左手に、6を右手に持ち、それぞれ操作してみる。
「ほら、どう頑張っても、右手の親指が画面の左上に届かないだろ」
「あー」
「攣りそう」
「むりしない」
「はい」
5sでも両手で扱ううにゅほからすれば、画面は大きいほうが良いのだろうけど。
「──あ、そうだ」
いちおう尋ねておこう。
「××、古いほうのiPhone欲しい?」
「こっち?」
「そう。Wi-Fi繋がるから、家のなかでなら今までどおり使えるけど」
「うと……」
数秒ほど思案したのち、
「……つかわない、かも」
と、遠慮がちに答えた。
だろうなあ。
うにゅほの傍らには、既に、4GモデルのiPad miniがある。
どうせ両手で持つのであれば、わざわざ小さい画面でなめこを収穫する理由はない。
「じゃ、売ったお金で外食でもしようか」
「わあ」
ぱん!
不器用な音を立て、うにゅほが両手を合わせた。
「なにが食べたい?」
「おすし!」
「じゃ、はま寿司でも行こうか」
「うん」
弟を誘ってやろうかどうしようかと思案しながら、熱を帯び始めたiPhone6をデスクに置いた。
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2015
03.25

うにゅほとの生活1214

2015年3月25日(水)

ヨドバシカメラから帰宅する道すがらのことだった。
「あっ」
助手席のうにゅほが、不安げに俺の袖を引いた。
「じこ……」
「あー、派手にやったなあ」
交差点の中央に、巨人にバンパーを剥がされたかのような惨状を晒すセダンの姿があった。
「ひと、ひとだいじょぶ?」
ちらりとうにゅほの顔を覗くと、目蓋をぎゅっと閉じていた。
「××、もう通り過ぎたよ」
「……ほんと?」
「嘘だと思うか?」
「──…………」
ゆっくりと目を開き、うにゅほがこちらを見上げた。
「ひと……」
「ざっと見た感じ、怪我人はいなかったよ」
「……そか」
ほっと胸を撫で下ろす。
「見た目は派手だったけど、怪我しても打ち身程度だと思う。たぶん」
「わかるの?」
「相手方の車も見たから、どういう事故かは大体わかるよ」
「へえー」
恐らく、直進車と右折車の衝突事故だろう。
右折車の鼻先が直進車の後部座席に突っ込んだが、完全に停止しなかった。
そのため、直進車にめり込んだままの右折車のバンパーが、シールでも剥がすかのように派手にめくれてしまったと思われる。
「あー、怖い怖い」
「◯◯、あんぜんうんてんね」
「いつも安全運転だよ」
「うと、あんぜんのなかの、あんぜん」
「わかった」
左手でうにゅほの頭を撫でようとして、
「あ、あんぜんうんてん!」
厳しく叱責されてしまった。
安心させようと思ったのだが、逆効果だったらしい。
しばらくして、赤信号に捕まったとき、うにゅほが俺の手を取った。
「?」
「あたま……」
遠慮がちにねだる。
「はいはい」
信号が青になるまでのあいだ、うにゅほの頭を撫でてあげた。
なんだかんだ言って、交通事故の現場を目撃したのがショックだったようである。
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2015
03.24

うにゅほとの生活1213

2015年3月24日(火)

「──……ふう」
カーヒーターを切り、運転席の窓をすこしだけ開けた。
「あったかくなってきたなあ」
「うん」
うにゅほが楽しげに頷く。
「……ま、風景は一向に春じゃないけど」
「あはー……」
なにしろ、全高十数メートルはあろうかという雪捨場が左右にそびえ立っているのだから。
最短距離で祖母の病院へ行こうとすると、この道を通ることになる。
「ゆき、とけたねえ」
「道はな」
「もうすぐ、しがつだねえ」
「早いもんだ」
「そろそろ──、あ、むし!」
「えっ」
ぱん!
うにゅほが自分の膝を叩く。
春だなあ、などとのんきに考えながら、おもむろに窓を閉めた。
「そこ!」
ぱん!」
「いてっ」
不意にふとももを叩かれた。
「××、赤信号だからいいけど──」
「あー……」
自分の手のひらを見つめながら、うにゅほが嘆息を漏らした。
「つぶれちゃった」
「どれ」
どうせ孵化したての羽虫かなにかだろうと油断して覗き込んだところ、
「……うわっ」
軽く引いてしまった。
「なにこの虫……」
「わかんない」
初めて見る虫だ。
体長は1センチほど、オレンジ色をした棒状の体にちいさな羽根が生えている。
トンボにスモールライトを当てたような外見だった。
「……××、手ー拭きな」
「はい」
ティッシュを抜き取り、うにゅほに渡す。
「はるだねえ」
「……うん、たしかに、いま強烈に春を感じたけど」
あまり嬉しくない春の訪れだった。
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2015
03.23

うにゅほとの生活1212

2015年3月23日(月)

父方の祖父の七回忌をつつがなく終え、帰宅したのは午後三時だった。
「あ゙ー……」
世界が傾いでいる。
首が痛い。
車中、無理な体勢で居眠りをしていたものだから、軽く寝違えてしまったのだ。
「うー……」
俺と同じ方向に首を傾けながら、うにゅほが唸る。
うにゅータス、お前もか。
「くびいたい……」
「俺も」
「あ、◯◯、あたまだいじょぶ?」
「──…………」
さりげなく罵倒されたのかと思った。
「くるまんなかで、あたま、すごいおとしてた」
「音?」
「みちわるいとこ」
「──……?」
しばし黙考し、
「あっ、──いでッ!」
思い出した瞬間、脳天に鈍い痛みが走った。
そうだ。
整備されていない道を通り掛かったとき、車体が跳ねて、シートベルトのスルーリング部に頭頂部をしたたか打ちつけたのだった。
「……半分寝てたから忘れてた」
我ながら鈍感である。
「みして」
うにゅほの眼前へ頭を下げる。
さり。
指先が髪の毛を掻き分ける心地よい感触に、思わず目を閉じた。
「……うーん、こぶにはなってない、と、おもう」
「よかった」
「いちおうひやす?」
「そこまでしなくていいよ」
「じゃ、いたいのとんでけ、しとく?」
「……しといて」
気恥ずかしくはあるものの、悪い気はしないのだった。
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2015
03.22

うにゅほとの生活1211

2015年3月22日(日)

「さて──、と」
メリケン針に黒糸を通し、細長く裁断した端切れを手に取った。
「なにするの?」
「ほら、こないだアイマスク買い替えただろ」
「うん」
「あれ、耳掛け型で具合がよくないから、頭の後ろを通るように改造しようと思って」
「そんなことできるの?」
「ああ」
左右の耳掛けを端切れで繋げばいいだけのことだ。
さして難しくはない。
注意すべきはサイズの調整くらいだが、アジャスター付きのアイマスクなので、さほど気にする必要はないだろう。
「◯◯、なんでもできるね」
「××だって、ボタン付けできるだろう」
「できるけど……」
「俺は、なんでも、最低限しかできないの」
「さいていげん?」
「咄嗟のとき、なんとか凌げればいいって考え方だよ」
初期スキルすべてに1だけ振っているようなものだ。
それ以上はできない。
する気もない。
「だから、××みたいに、毎日料理して、洗濯して、掃除して──そういう人には絶対に敵わないんだ」
「◯◯、りょうりできる」
「最低限な」
うにゅほが思うほど、俺は万能ではない。
「──よし、できた!」
「おー」
ぺちぺちと拍手をいただいた。
「みして」
「はいはい」
修繕したアイマスクを手渡す。
「──……?」
うにゅほが小首をかしげた。
「なんか、ねじれてる?」
「えっ」
アイマスクを受け取り、確認する。
ブリッジにした端切れがねじれ、メビウスのアイマスクになっていた。
「……な、最低限だろ?」
「あはー……」
苦笑されてしまった。
繕い直したアイマスクの着け心地は、それなりに納得の行くものだった。
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