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2018
11.21

うにゅほとの生活2541

2018年11月21日(水)

「寒い……」
「さむいねえ……」
膝の上のうにゅほを抱きながら、寒さに打ち震える。
「エアコンつけないの?」
「つける」
「じゃあ、つけてくるね」
膝から下りようとするうにゅほを、しかと抱き締める。
「待った」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「考えてみれば、これからもっともっと寒くなるわけです」
「ですね」
「この程度で寒がっていては、真冬の気温に耐えられないのではないでしょうか」
「なるほど……」
「というわけで、エアコン以外の方法で暖を取ってみたいと思います」
「わかりました」
「××、靴下履いてる?」
「はいてる」
「俺は膝あったかいけど、××は?」
「さむい……」
「じゃあ、ブランケットだな」
星のカービィのブランケットを広げ、うにゅほの膝に掛ける。
「これ、さわりごこちよくて、すき」
「いいよな」
「でも、まださむいねえ……」
「次は半纏だな。二人羽織しよう」
「うん」
半纏の紐を解き、うにゅほに覆い被せる。
広い袖に二本の腕が通り、密着感が遥かに増した。
「はー、あったか……」
「だいぶ暖かくなったな」
「うん」
「室温は17℃だけど、外は何度なんだろう」
iPhoneを手に取り、天気アプリを起動する。
「……-6℃?」
「え」
「はーいエアコンつけましょう!」
「そだね……」
半纏を二人羽織にしたまま、のたくたとエアコンの電源を入れる。
北海道はとっくに冬なのだった。

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2018
11.20

うにゅほとの生活2540

2018年11月20日(火)

窓の外の異音に目を覚ますと、みぞれが降りしきっていた。
「寒いはずだ……」
冬の足音は、激しい。
出遅れたからかもしれない。
「あ、おはよー」
「おはよう」
「さむいねえ」
「問答無用で冬って感じだな」
「きょう、びょういん?」
「病院」
「ふゆようのコート、だしたほういいかな」
「まだ早いんじゃないか」
「そかな」
「気温が氷点下まで行かないと、コート濡れるぞ」
「あ、そか」
雪なら払えばいいが、みぞれではそうは行かない。
「××、あられとみぞれの違いってわかる?」
「わかるよ」
「……わかるの?」
意外だ。
「あられは、こおりのつぶ。みぞれは、あめとゆきがまじったの」
「正解」
「まえ、◯◯いってた」
「あー……」
説明したかもしれない。
「じゃあ、あられと雹の違いは?」
「ひょう?」
「雹も、空から降ってくる氷だろ。定義の違いがあるはずだ」
「うと……」
しばし思案したのち、うにゅほが小さく首を横に振る。
「わかんない」
「正解は、大きさです」
「おおきさ?」
「具体的には忘れたけど、何ミリ以上が雹、未満があられって定義されてる」
「へえー」
「関係ないけど、イルカとクジラの違いも大きさだけだぞ」
「え!」
「たしか」
「……ほんと?」
「聞きかじりだけど、そのはず」
「へえー」
初雪が降ったのなら、そろそろストーブを出すべきだろうか。
エアコンの力不足を感じる今日このごろである。

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2018
11.19

うにゅほとの生活2539

2018年11月19日(月)

コンビニで、不可解な飲み物を発見した。
「……濃厚ミルク仕立て、クリーミーミルク」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「ミルクじたての、ミルク?」
「そう書いてる」
「それ、ただのミルクのきーする……」
「ごはんにごはんを乗せて、ごはん丼──みたいな何かを感じる」
「それ、おおもりごはん……」
「気になるし、買ってみるか」
「うん」
ハズレだった場合を考慮して一本だけ購入し、イートインスペースに腰を下ろす。
「では、飲んでみます」
「はい」
ストローを挿し、ちゅうとひとくち。
「──…………」
「おいしい?」
「んー」
「まずい?」
「××も飲んでみ」
「うん」
容器ごと差し出すと、うにゅほがストローに吸い付いた。
ちゅー。
「あ、おいしい」
「なんか、あれみたいな味するな」
「どれ?」
「ロッテリアのバニラシェーキ」
「わかるわかる」
「"クリームをブレンドした濃厚ミルクに、アクセントとしてバニラ風味をきかせました"──だって」
「やっぱしバニラなんだ」
「頭痛が痛いみたいな商品名だけど、悪くないな。見つけたらまた買おう」
「そだね」
気になってまんまと手に取ってしまったのだから、これはこれでクレバーな商品名なのかもしれない。
意図したものかどうかは、怪しいところだと思うけれど。

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2018
11.18

うにゅほとの生活2538

2018年11月18日(日)

「……だるい」
「うん」
「眠い」
「うん」
「だる眠い」
「ねよ」
「もう四時なんだよなあ……」
休日が、すべて、睡眠に奪われてしまった。
「これ以上寝ると、腰が痛くなる」
「そか……」
秋から冬へと移り変わる際は、毎年こんなものだ。
「真冬になれば安定するんだけどな」
「うん……」
小さく目を伏せるうにゅほの髪を、手櫛で梳いてやる。
「心配ないさ。慣れてるよ」
この厄介な体を引きずって、ここまで歩いてきたのだ。
今更、思うところもない。
「締め切りのあるものは十月中に全部出せたし、今月はゆっくり休むことにする」
「うん」
「十二月になれば、まあ、体調も戻るだろ」
「……うん」
「そんなことより、今日は外食なんだろ」
「そだよ」
「出掛ける前に、日記書いとくか」
ベッドから下り、PCへ向かう。
「◯◯、にっき、ぜったいやすまないね」
「毎日書くから日記って言うんだぞ」
Wordを起動し、今日の日付を入力したところで、手が止まった。
「──…………」
「?」
「……書くことがない」
「あー……」
理由は単純である。
起きてから、まだ、十分しか経っていないからだ。
「──今日は何の日でしょー、か!」
「あ、なんのひしりーずだ」
「書くことがないもので……」
「うーと、いい、いい……、いい、なんかのひ」
「十一月は、たいてい、"いい◯◯の日"になるよな」
「でも、じゅうはちにち、むずかしい」
「語呂合わせ、ないかもなあ」
検索してみる。
「雪見だいふくの日、だって」
「ゆきみだいふく」
「パッケージを開けたとき、付属のスティックとふたつの雪見だいふくで、18に見えるから──らしい」
「……いち、ちいちゃいね」
「俺もそう思う……」
記念日には、無理のあるものが多い気がする。

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2018
11.17

うにゅほとの生活2537

2018年11月17日(土)

「──…………」
朝起きると、帽子が取れていた。
「××、俺、寝癖ついてる?」
「んー」
うにゅほが俺の後頭部を撫でつける。
「ぴこん」
ついていたらしい。
「意味なかったか……」
「そだねえ」
「帽子、どの時点で脱げたんだろう」
「わたしおきたとき、もうとれてた」
「あー……」
昨夜は朝方まで起きていたから、二、三時間で外れたことになる。
「そら寝癖もつくわな」
「うん」
効果の是非に関わらず、そもそもその効果を十全に受けられていないのだから、それ以前の問題である。
「やはり、最終的には寝相の問題に」
「そこかー」
「ま、いいや……」
小さく伸びをして、ベッドから下りる。
「××、ヨドバシ行くか」
「いく!」
即答である。
「なにかいいいくの?」
「デジカメ用のSDカード。父さんに頼まれててさ」
「そか」
興味なさげに頷く。
うにゅほにとって、何を買うかは重要ではない。
ヨドバシカメラに行くこと自体が、既にイベントのひとつなのである。
「……引きこもり気味で申し訳ない」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「××、免許取らないの?」
「めんきょ……」
「ひとりでどこでも行けるぞ」
「むり」
「無理か」
無理では仕方ない。
「あと、ひとりでどこいっても、いみない」
「──…………」
面映ゆいことを言ってくれる。
「なら、しばらくはこのままだな」
「うん、このまま」
うにゅほがそれを望む限り。

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