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2019
08.17

うにゅほとの生活2810

2019年8月17日(土)

「──…………」
暇だった。
「××ー」
「はーい?」
「じゃーん、けーん」
「わ」
「ほ!」
「ほい!」
俺が、グー。
うにゅほが、パー。
「かった……」
「負けた」
「これ、なんのじゃんけん?」
「なんのでもないけど」
「なんのでもないの……」
「暇だったから」
「そか」
「じゃーん、けーん」
「わ」
「ほ!」
「しょ!」
俺が、パー。
うにゅほが、チョキ。
「また負けた」
「うへー」
うにゅほが得意げに微笑む。
「じゃーん、けーん」
「しょ!」
「ほ!」
俺が、パー。
うにゅほが、グー。
「勝った」
「まけたー」
「じゃ、命令な」
「?」
「実は、最後のじゃんけんだけ、負けた人が勝った人の言うことを聞かなければならないルールだったんだ」
「えー!」
「言い忘れてた」
「ずるいやつだ……」
「人生、そういうこともある」
「めいれい、なに?」
あ、聞いてくれるんだ。
「うーん、マッサージがいいかなあ」
特に考えてなかったし。
「まっさーじでいいの?」
「うん」
「じゃんけんしなくても、するのに」
「──…………」
なんだかもったいない気がしてきた。
しかし、わざわざ命令しなければいけないようなことは、特に思い浮かばない。
「……やっぱり、マッサージで」
「はーい」
誘眠効果のあるうにゅほのふわふわマッサージにより、意識を十五分ほど飛ばされる俺だった。

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2019
08.16

うにゅほとの生活2809

2019年8月16日(金)

「◯◯、◯◯」
「んー?」
一週間ぶりの仕事をこなしていると、うにゅほが仕事部屋へやってきた。
「ベトナムのおかしもらった」
「ベトナムの」
「たべよ」
「了解。では、休憩にしましょう」
「そうしましょう」
仕事部屋を出て、リビングのソファに腰掛ける。
「ベトナムのお菓子って、どんなの?」
「これ」
うにゅほが差し出したのは、幾つかの赤い小袋だった。
いずれにも文字らしきものは記されていない。
「なんだろ、これ。チョコ?」
「わかんない……」
「開けてみよう」
小袋を破る。
すると、黄色い板状のものが姿を現した。
「チョコ──では、ないな」
「なんだろ……」
すんすん。
「匂いも特にしない」
「うん」
「──…………」
そっと口へ運んでみる。
「……甘い」
「おいしい?」
「これ、たぶん芋だな。芋ようかんみたいな風味がある」
「おいしそう」
「味は、まあ、悪くない。けど……」
「けど?」
「……ぜんぜん溶けない。ずっと口に残る」
「ひとくち」
「はい」
うにゅほが、差し出した菓子を食む。
「──…………」
「──……」
「とけない……」
「だろ」
「でも、あじはおいしい」
「牛乳で流し込もう」
「そだね」
商品名すらわからないお菓子だが、これだけは確実に言える。
喉が渇いているときには、決して食べてはいけない。

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2019
08.16

うにゅほとの生活2808

2019年8月15日(木)

小腹が空いたので冷蔵庫を漁っていると、紀文の糖質0g麺が出てきた。
「あー、こんなのあったなあ」
糖質制限ダイエット御用達の一品だ。
味は悪くはないものの、取り立てて美味しくもない。
だが、小腹を満たすにはちょうどいい。
パッケージを破ろうとしたところ、うにゅほが呟くように言った。
「しょうみきげん、だいじょぶかな……」
「賞味期限?」
「なんか、ずっとあったから」
「あー」
言われてみれば、いつ購入したのか記憶がない。
パッケージを裏返して賞味期限を確認してみると、
「……7月13日」
「やっぱし……」
一ヶ月も過ぎていた。
「これ、すてたほういいね」
「いや、賞味期限だろ。消費期限じゃなくて。なら、一ヶ月くらい大丈夫なんじゃないか」
「そかなー……」
賞味期限は、美味しく食べられる期限。
消費期限は、安全に食べられる期限を保証するものだ。
賞味期限が一ヶ月過ぎた程度なら、腹を壊すこともないだろう。
糖質0g麺のパッケージを開き、水を切る。
「──…………」
ふと、麺がぬるついた気がして、手の匂いを嗅いでみた。
「……なんか、すっぱい」
「てーかして」
すんすん。
「すっぱい……」
「これ、危ないかな」
「あぶないとおもう……」
「だよな……」
いくら小腹が空いているとは言え、あからさまにヤバそうなものをがっつくほど飢えてはいない。
パッケージと麺をコンビニ袋に入れ、厳重に縛る。
「二重にしとくか」
「うん」
「……賞味期限、もっと気にしたほうがいいな」
「そうしてね」
「はい……」
二、三日ならともかく、一ヶ月は、いくら賞味期限でもダメらしい。
腹を壊す前に気づけてよかった。

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2019
08.14

うにゅほとの生活2807

2019年8月14日(水)

今日は、父方の墓参りだった。
三時間かけて菩提寺へ向かい、諸用を済ませたのち、懇意にしているメロン農家を訪れた。
「うー……」
水腹を撫でながら、田舎道を歩く。
「……メロン、食べ過ぎた」
「どんどんきってくれるんだもんね……」
「俺、ひとりで、半玉くらい食べた気がする」
「そうかも……」
メロン半玉。
普通に生活していれば、食べる機会もそうはない。
「──あ、うまみえてきた!」
「おー」
両親の長話が始まってしまったため、車の中から見えていた馬場を目指して歩いていたのだった。
「ごひきいる」
「五頭な」
「ごとういる」
五頭の馬が、のどかに草を食んでいる。
「おっきいねえ……」
「草しか食べないのに、どうしてあんなに大きくなるんだろうな」
「ふしぎ」
スマホで馬を撮影していると、
「あ、こっちきた」
「物珍しいのかな」
一頭の馬が、草を食みながら、こちらへと近付いてきた。
「……他のも来た」
「わー……」
五頭中四頭が、おもむろに距離を詰め始める。
すこし気圧される光景だ。
「人懐っこい──の、かな?」
「──…………」
うにゅほが、俺のシャツの裾を握る。
怯えているらしい。
「かまないかな……」
「ほら、草食動物だし」
「そだけど」
やがて、そのうちの一頭が、柵の隙間から頭を出した。
「わ」
「撫でてみるか」
栗毛の馬の肩に触れる。

──ぶるるッ!

「おー……」
触れた部分の皮膚が、ぶるりと震えた。
「××も触ってみ」
「こわい」
「つついてみ」
「──…………」
つん。

──ぶるるッ!

「わあ!」
「ははっ!」
「すーごいぶるぶるした……」
「面白いな」
「おこってないかな」
「草食べてるし、怒ってないだろ」
そんな会話をしていると、

──ぼた!

「あ、うんこした」
「無造作にするなあ……」
まさか、こんなところで馬と触れ合えるとは思わなかった。
例年より早く帰宅することができたし、来年もこんな墓参りであることを願いたい。

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2019
08.14

うにゅほとの生活2806

2019年8月13日(火)

「うーん……」
マウスホイールを上下に回しながら、呟く。
「効きが悪い気がする」
「まうす?」
「そう」
「こわれた?」
「わからない。壊れかけ、かも」
「ぷしゅーする?」
「ぷしゅー?」
「まえ、ぷしゅーってごみとった」
「あー」
以前、マウスホイールの調子が悪くなった際、芯の部分に絡まったゴミをエアダスターで吹き飛ばしたのだった。※1
「今回も、同じ原因かもしれないもんな」
「うん」
「××、やってみる?」
「やるー」
置き物と化していたエアダスターを取り、うにゅほに手渡す。
「はい、マウスも」
「ここのすきま、ぷしゅーすればいいの?」
「お願いします」
「おねがいされます」
うにゅほが、エアダスターの噴射口をマウスホイールに押し当て、
「ぷしゅー!」
と、高圧ガスを発射した。
「あ、なんかでた」
「ホコリ出た?」
「うん」
「じゃあ、直った──か、な……」
ふとディスプレイに視線を移した瞬間、頭の中が真っ白になった。
「あ、えっちっちーだ」
「えっちっちーですね……」
マウスホイールの回転によってブラウザのタブが切り替わり、出しっぱなしにしてあったアダルトサイトが表示されてしまったらしい。
「……これは見なかったことに」
「はーい」
鷹揚な笑みを浮かべ、うにゅほが頷く。
アダルトサイトを閉じ、マウスホイールの調子を確かめる。
「うん、大丈夫みたい」
「よかった」
「ありがとな」
「うん」
これで、またしばらく持つだろう。
お気に入りのマウスだし、なるべく長く使いたいものだ。

※1 2018年8月13日(月)参照

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