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2019
06.19

うにゅほとの生活2751

2019年6月19日(水)

いつものようにブラウジングをしていて、ふとある情報が目についた。
「今日、桜桃忌なのか」
「おうとうき?」
「太宰の命日」
「へえー」
「──あ、違う。命日じゃなくて、遺体が見つかった日だって」
「へんし?」
「変死というか、自殺だな。太宰治が心中したのは知ってる?」
「だざいおさむって、だれだっけ」
「あー」
そこからか。
「ほら、走れメロス書いた人」
「あ、しってる!」
「さすがに知ってるよな」
「よんだことない」
「読んだことはないか」
「メロスが、はしって、かえってくるはなし?」
「だいたい合ってる」
「ともだちたすけるんだよね」
「詳しいな」
「うへー」
うにゅほが小さな胸を張る。
「だざいおさむ、ほかになにかいてるの?」
「人間失格、とかかなあ」
「どんなはなし?」
「──…………」
「?」
「そう言えば、読んだことない」
「そなんだ」
「あ、畜犬談は面白かったな。犬が大嫌いって話なんだけどさ」
「だざいおさむ、いぬきらいなんだ」
苦笑し、答える。
「どうだろうな」
「きらいじゃないの?」
「好きか嫌いかは置いといて、情はあったんだと思うよ。あれがノンフィクションなら、だけど」
「へえー……」
「読んでみる?」
「ながい?」
「短い」
「じゃあ、よみたい」
「わかった」
青空文庫で畜犬談のページを開き、うにゅほにチェアを譲る。
十分後、
「ことば、むずかしい……」
うにゅほがギブアップ宣言をした。
「朗読動画にする?」
「……こんど」
畜犬談、面白いんだけどな。
おすすめである。

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2019
06.18

うにゅほとの生活2750

2019年6月18日(火)

「──にっ!」
可愛らしい奇声が自室に響く。
「しゃっくりか」
「うん……」
うにゅほのしゃっくりは、ちょっと変だと思う。
「きゅう、にっ、しゃっくりなった……」
「大丈夫?」
「うん」
「つらくはないけど、鬱陶しいよな」
「にっ」
しゃっくりをしながら、うにゅほが頷く。
「まえ、にっ、どやってなお、にっ、なおしたっけ……」
「民間療法をいくつか試したと思う」
「なんか、さと、にっ、さとうのんだ、きおくある」
「舌引っ張ったりな」
「あれ、きいたのかなあ」
「たぶんだけど、何もしなくても止まったんじゃないかと」
「わたしも、そんな、にっ、きーする……」
しゃっくりの多くは、放っておいても数分から数十分で止まる。
いろいろ試しているあいだに自然と治ったのだろう。
「きにしないこ、にっ、する」
「それがいいかも」
「うん」
にっ、にっ、と横隔膜を震わせながら、うにゅほが読書に戻る。
十分ほどして、
「◯◯ぃ……」
「どした」
「おちつ、にっ、か、ない……」
「実は、そう言うと思ってさ」
ディスプレイを指し示す。
「しゃっくりを治す方法、他にも調べておいた」
「おー!」
うにゅほが目を輝かせる。
「初めて聞く方法もあるから、試してみよう」
「うん! ……にっ」
幾つか出しておいたタブのひとつを開き、内容を読み上げる。
「まず、両耳に指を入れて──」
今回も、どの方法が効いたのかよくわからないまま、しゃっくりはいつの間にか止まっていた。
止まるまでのあいだ気を逸らすのが、いちばんの治療法なのかもしれない。

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2019
06.18

うにゅほとの生活2749

2019年6月17日(月)

「タピオカミルクティーが流行ってるらしい」
「うん」
「テレビで見た?」
「テレビでみた」
「母さん、たまに買ってくるよな」
「たぴおかって、なに?」
「──…………」
「──……」
「なんだろう……」
「◯◯もわからないの?」
「これまで生きてきて、タピオカに興味を抱いたことがないし」
「なんかのみーかなあ」
「ありえない話ではないな」
「でも、たねないか……」
「ブドウとか、種のない実もあるぞ」
「たしかに」
「でも、果実にしては味が薄い気がする」
「たぴおか、あじあるの?」
「……ミルクティーの味しか思い出せない」
「わたしも」
「そもそも味がないのかも」
「みーじゃないきしてきた……」
「加工食品なのかな」
「なんか、もちもちしてるのをまるめてるかんじ?」
「イメージとしては、そうだな」
「おもち……」
「まさか」
「ちがうよねえ」
「黒すぎだろ」
「おこげ」
「焦げすぎだろ」
「ちがうか」
「あー、でも、なんか似てるの思い出した」
「にてるの?」
「わらび餅」
「あ、にてるかも」
「同じ系統だとすると、主成分はデンプンってことになるのかな」
「しらべてみる?」
「調べてみるか」
iPhoneで、タピオカの原材料を調べてみる。
「──お、キャッサバって芋から製造したデンプンだってさ」
「あってた!」
「これがフェルミ推定です」
「?」
「嘘です」
タピオカミルクティーなんて取り立てて美味しくもないと思うが、流行に理由などない。
嫌いではないのだけれども。

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2019
06.16

うにゅほとの生活2748

2019年6月16日(日)

父の日に何が欲しいか父親本人に尋ねたところ、意外なことに服だという。
「買いに行くのめんどくせえから、ネットでいいよネットで」
とは父親の言だ。
ZOZOTOWNのページを開きながら、うにゅほに確認する。
「欲しいのは、無地のシャツだったよな」
「はんそで」
「半袖の、無地のシャツ」
「うん」
「で、あとは俺たちのセンスにまかせると」
「せきにんじゅうだい……」
「厄介な……」
リカーショップで日本酒を見繕ったほうが、ずっと気が楽だった。
「でも、ふく、のこるからいいよね」
「お酒と違って?」
「うん。おさけ、のんだらなくなるから」
「変なの買うと、箪笥の奥に残り続けるんだぞ」
「──…………」
「──……」
「いいのかおう!」
うにゅほのやる気が上がった。
「でも、この場合、高いの買えばいいってわけじゃないのが難しいところだよな」
「そこですね」
「もちろん生地や縫製の質は上がるんだろうけど……」
「むずかしいねえ……」
「ま、いろいろ見てみよう」
「そうしましょう」
シャツ/ブラウス(メンズ・半袖・サイズL)まで絞り込んでも、まだ11,687件の商品がヒットする。
「多すぎるってのも贅沢な悩みだよなあ」
「だいたいおなじにみえる……」
「わかる」
「あ、これ、むねにワンポイントあるよ」
「本当だ」
他とすこしでも違う品物があれば、それを選びたくなるのが人情というものである。
「これにする?」
「一万円弱だし、ふたりで出せばちょうどいいな」
「これにしましょう」
「了解」
クレジットカードで決済し、あとは到着を待つばかりだ。
「でも、ちちのひ、まにあわなかったね」
「感謝が伝わればいいんだよ」
「そか」
次の記念日は、十月半ばのうにゅほの誕生日かな。
気合を入れてかからねば。

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2019
06.16

うにゅほとの生活2747

2019年6月15日(土)

「今日は、オウムとインコの日らしい」
「おうむといんこのひ……」
オウム返しに呟き、うにゅほがカレンダーへと視線を向ける。
「ろくがつじゅうごにち」
「ゼロロクで?」
「おうむ」
「イチゴーで?」
「いんこ!」
「オウムとインコの日」
「なっとくいく!」
「むち打ち治療の日はひどかったですね……」※1
「なんのひしりーず、むりあるパターンおおい」
「本当だよな」
「にらのやつとか……」
「ニラの記念日は、これまでで一、二を争うひどさだったと思う」
「うーと、なんにちだっけ」
「ちょっと待って」
メモソフト内を検索し、該当の日付の日記を開く。
「2月12日、黄ニラ記念日。"に(2)っこりいい(1)ニ(2)ラ"の語呂合わせ」
「──…………」
「──……」
「じゅういちがつふつか、だめだったの?」
「あっ」
「いいにらのひ」
「たしかに無理がない」
「むりないパターン」
「……あー、でも、黄ニラの旬とかがあるのかも」
「なるほど……」
「記念日を作ることが目的であって、整合性なんて二の次だからな。気にする人なんていないだろうし」
「ふたりいるよ」
「ふたりいるな」
「なんのひけいさつ!」
「そこは記念日警察とかにしない?」
「きねんびけいさつ!」
「また変な記念日見つけたら教えるな」
「うん、たのしみ」
日記のネタにもなるし。

※1 2019年6月7日(金)参照

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