2017
10.20

うにゅほとの生活2148

2017年10月20日(金)

「あ」
ブラウジングをしていて気づく。
「今日の金曜ロードショー、ハリー・ポッターだって」
「そなんだ」
ぺら。
うにゅほが、ふしぎ研究部二巻のページをめくる。
いまいち反応が淡白である。
「××、ハリー・ポッター興味ない?」
「おもしろい?」
「……いや、実は俺、映画版はちゃんと観たことないんだよな」
「はりーぽったー、ほんもあるよね」
「小説が原作だな」
「しょうせつ、おもしろかった?」
「──…………」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「あんまり内容を覚えていない、ん、だけど……」
「うん」
「さほど面白くなかった気がする」
「そなんだ……」
「でも、人気あるんだし、映画は面白いのかも」
「んー」
うにゅほが思案する。
「やっぱ興味ない?」
「うーとね」
「うん」
「もう、くじはんだから……」
壁掛け時計を見上げる。
「あ」
「ね?」
「今から見ても、途中からだな……」
「でも、ぜんろくあるから」
「まあ、うん」
いつでも見れるとなると、途端に見なくなるんだよなあ。
最近、自室のテレビの前がぬいぐるみ置き場になっている。
いいけど。

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2017
10.19

うにゅほとの生活2147

2017年10月19日(木)

両手を擦り合わせながら、呟く。
「……寒い」
「はだざむいねえ」
「肌寒いとかじゃなくて、めっちゃ寒いんですが……」
思わず鼻をすする。
薄着なことも理由のひとつだろうが、それにしたってあまりに寒い。
「いま何度?」
うにゅほが温湿度計を覗き込む。
18℃くらいだろうか。
「うーと、にじゅうにーてんごど」
「──…………」
「しつど、よんじゅうさんぱーせんと」
「マジで?」
「まじ」
どんだけ寒がりなんだ、俺は。
「◯◯いるのに、にじゅうにーてんごどだから、きょうはさむいひ」
俺がいる部屋は、室温が妙に高くなる。※1
理由は、謎である。
「体温が高いのかなあ……」
体表面の温度と室温との差が大きいから、余計に寒く感じるとか。
でも、末端は冷たいぞ。
そんなことを考えていると、
ずぼ。
「うひ」
うにゅほが作務衣の共襟に手を突っ込んできた。
「あったかー……」
「いきなりはやめなさい、いきなりは」
「ごめんなさい」
ぺこりと謝る。
だが、手を抜こうとはしない。
「◯◯はね、からだがあったかい」
「そうなん?」
「いつもあったかい」
胴体部からの放熱が激しいのだろうか。
「ひざにすわると、せなかあつい」
「そうなんだ……」
初めて知った。
うにゅほが俺にとって最高の暖房器具であるように、俺もうにゅほにとって極上の暖房器具なのだろう。
Win-Winの関係である。

※1 2017年10月8日(日)参照

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2017
10.18

うにゅほとの生活2146

2017年10月18日(水)

「──…………」
ぼけー。
チェアに背中を預けながら、天井の壁紙を見つめる。
「◯◯、ねてる?」
「起きてる」
「あ、おきてた」
「考えごとをしていました」
「そなんだ」
「首が痛い」
「リクライニング、しないの?」
「あ」
失念していた。
座面の横のレバーを引き、背もたれを思い切り倒す。
「ふー……」
170度のリクライニング。
その売り文句に惹かれて購入したチェアだったが、当の機能はあまり使っていなかったりする。
もっとも、座り心地はいいのだけれど。
「フットレストも出してみるか」
「だしてだして」
うにゅほが目を輝かせる。
「はいはい」
座面の下からフットレストを引っ張り出し、足を伸ばす。
「第二形態!」
「わー」
ぱちぱち。
「××、こういう変形するのとか好きだよな」
「すき」
どちらかと言えば、男の子向けのような気がするのだが。
「わたしもねていい?」
「……あと、リクライニングすると、絶対一緒に寝たがるよな」
「うへー」
まあ、いいけど。
寒いし。
「あったかいね」
「あったかさに椅子は関係ないけどな」
「いいの」
最高の暖房器具が、腕のなかで微笑みを浮かべる。
考えごと?
すっかりどこかへ行ってしまったよ。

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2017
10.17

うにゅほとの生活2145

2017年10月17日(火)

「んー……」
通販サイトをぽちぽち巡りながら、小さく唸る。
「なにみてるの?」
ぽす。
うにゅほが俺の肩にあごを乗せ、ディスプレイに視線を投げた。
「いや、カバン欲しいなーと」
「かばん?」
「こんな感じの、メッセンジャーバッグ」
「おー」
「カッコいいだろ」
「◯◯のたんじょうび、これにする?」
「しない」
「しないの?」
うにゅほが不思議そうに小首をかしげる。
「普段の俺なら、××に相談したあと、パパッと自分で買っちゃうだろ」
「そだね」
「それをしないのは──」
ページを進め、価格表示をポインタで指し示す。
「ご!」
「クッソ高いから」
「これは、たかいねえ……」
「だろ」
「──…………」
しばしの思案ののち、うにゅほが口を開く。
「でも、わたしちょきんあるから──」
「ダメ」
それ以上は言わせない。
「決めてるんだよ。××にあげた誕生日プレゼントより、高価なものは受け取らない」
「えー……」
「年上で、働いてる、男性だぞ。沽券に関わる」
「きにしなくていいのに」
「気にするの」
「じゃあ、いくらまでいいの?」
自分の左手首を見ながら、うにゅほが問う。
「……プレゼントの金額は、あんまり言いたくないなあ」
「あ、ごめんなさい……」
しょぼんとするうにゅほの頭を撫でて、告げる。
「とりあえず、高くても一万程度でお願いします」
「わかった」
プレゼントをあげるぶんには気楽だが、もらうときには気を遣う。
難しいものだ。

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2017
10.16

うにゅほとの生活2144

2017年10月16日(月)

寝不足にまかせて午睡にまどろんでいたときのことだ。
「◯◯──、あっ」
声と気配に、薄く目を開く。
「ごめんなさい、おこしちゃった……」
「寝てない、寝てない……」
半分くらいしか。
「どうかした?」
「うん。◯◯にね、なんかとどいたの」
うにゅほが手にしていたのは、小さめのダンボール箱だった。
その左手首には、昨日プレゼントしたばかりの腕時計が光っている。
気に入ってくれたようだ。
「どこから?」
「うーと、おーでぃおてくにか、だって」
「なら、イヤホンだな。修理が終わったんだろう」
ベッドから身を起こし、箱を開封する。
「ほら」
「ほんとだ」
イヤホンを装着し、頭を右に傾けてみる。
開かない。
「うん、直ってるみたい」
「よかったー」
まずは一安心である。
「やっぱ、長く使いたいもんなあ」
「そだね」
買い替えるのは最後の手段としたい。
高かったし。
「なんか、見えないとこのネジが緩んでただけみたい」
「そなんだ」
「……これ、保証期間外だったらお金掛かってたのかな」
「うーん……」
謎だ。
少なくとも、返送料くらいは掛かっていたかもしれない。
「せっかくだし、ふたりでなんか見るか」
「ひるね、しなくていいの?」
「夜寝れば問題ない」
「そか」
まあ、夜にちゃんと寝てないから眠いのだけれど。
今日こそは早めに寝よう。

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